いつかのアポイントメント
番田 



誰もいない部屋の中
見ている地点からどこにいくこともなかった
何もすることもなく指で鼻をつまんだ
何かを見つめているのは寂しい
そして虚しい
遠ざかる学生時代の思い出の中で
濁った夜の中で息をしては 過去の仲間を見つめて
そして一人で生きてきた


なぜだろう 同じように 立ち止まることなく風がめぐる
色づかないままの次の季節の落ち葉を手にしては
僕は路地から どこに歩き出すのだろう
そこで 何を口にするのか
いつもさえない靴を履いている
まだ聞いたことのない 知らない海の名を飛行機の中で夢に見る
多くの景色を忘れたけれど
美しいということとはなんだろう


時はめぐる
僕は何をしたのだろう
一人でゼンマイを回していた
誰かの告白の言葉に答えられるわけもなく
切符のボタンを一人で押しこむ
君がアルバイトだったとしても
僕は職の自由は選べない
だから 今はなにもすることができない


自由詩 いつかのアポイントメント Copyright 番田  2013-10-03 23:58:28
notebook Home 戻る