乗り換えを間違えた。
俺は、いつもそう。
あぁ、卵は、もう少しで孵化したのに。
アオハル・トランスファー。
アオハル・トランスファー。
眼を開いて、堕ちた先は。
列車に乗り ....
のびをしたら
雲に手が触れたので
そのまま引きちぎってみた
それはいつかのきみの
涙が蒸発したものだって
知ってた
でなきゃ
あんなに高い雲に
のびをしたくらいで
この小さな ....
言葉足らずの季節がやってきて
降り注ぐ涙も白い息を吐く
部屋の暖炉で暖まっていたのは
自分一人だけ
棚に飾ってある詩集が
染みで黄ばんでいくのにも気がつかず
突然起きた表層 ....
恋の記憶は
男は『名前を付けて保存』
女は『上書き保存』
そういって殿方は
女は薄情だと責められるけど
上書きして消してしまわないと
活きてはいけないほど
あなたを全てで愛した故なの ....
野原に出かけた
野原には
たくさんの
きれいな花が
咲いている
少女が
ひとつ
ひとつ
花を摘んでいる
赤 青 黄
色々な花を
摘んでいる
摘んだ
花束で
ひと ....
野原に
たんぽぽが
ひとつ
風に吹かれながら
白い綿毛が
ゆらゆら
空へと
飛んでいく
ひとつ
またひとつ
ゆらゆら
空へ空へと
飛んでいくよ
黄色い
たんぽぽ ....
ひとつの輪
みんなで
手と手を
つなけば
それは
友達の輪
ひとつの輪
心と心が
触れ合えば
励ましあえる
みんな友達
みんな仲間
手と手をつなげれば
心と心が触 ....
すらっとした
チノパンの下に
君は
ポンぽこりんを
かくしている
家に帰り
手を 洗い
メガネをはずし
スウェットに着替えると
あたしの待つ
おこたの隣りに
座る
....
トンネルが唸る
待って
私はまだそこへは行けないから
書けない
音が湧き出てこない
聞きとれない音を譜面に走らせることは
夢を食べるのと同じこと
ねえ それはおいしいのかしら
....
あなたと次に会うときは、「いまの自分よりもちょっとは成長した自分でいたい」と切に願う。
だから、自分の心模様が荒れていたり、前の自分とちっとも変わっていないなと感じるときにあなたと会うと八つ当たりし ....
白、という色は感覚を鈍らせる。
粉雪が踊る
大地も空も空気さえも、息をひそめた世界で
ただ、そこに在るというだけで
乱暴なまでに視線を奪う
ただ一人の愛しい人
瞬きすら惜し ....
朝露が滴る蜘蛛の巣に
不思議な世界が見えたような気がして
顔を覗かせると君が居た気がした
「会いたい」と声を出すと
美しい蜘蛛の巣が僕の声を
一文字一文字絡め捕り
現実の世界に言葉 ....
今夜の
雪は
とても悲しく淡すぎる
あの人が
突然
消えてしまったから
しばらくは
悲しいかも
私は
少し
後悔している
あの時
素直でいたら
素直でさえ
....
最近
疲れるなぁ
君に
不満があるわけでないけど
ため息の数が多くなったよ
何だか
このごろ
むなしいんだよね
理由は
何故なのかわからない
君に
恨みがあるわけではない ....
水槽の中の
金魚
何を
思ったのか
ひらり
ひらりと
泳ぎ始めた
まるで
ダンスをするように
大きな円を
描くように
金魚は
泳いでいる
大きな目には
何が見え ....
咳き込んでいるのは僕から逃げ出したいから
なのだろうか。僕の身体はもう値しないもの
になりつつあるのかもしれない。濁音が空を
汚す。ひとつ。暫らくして、またひとつ。藻
みたいにドロドロして、蝕 ....
行き詰まり
カッターの刃を一つ折る
新らしい刃で新しく切る
カッターの刃を一つ折り
切れ味の蘇るように
なりたけれども
カッターの刃を折る音に
込められた緊張感を求 ....
とくん とくんと
鼓動の音が耳につき
眠れない
夜
あなたに
電話をかけた
そんなときは
リラックスだよ
やさしい
あなたの声だ
ありがとう
....
ひとは
願い事をするとき、
独りぼっちだ。
あのこと
このこと
神と対峙する時。
願うばかりで。
鈴なりの
希望と憧れ、
願い。
こころからの。
神よ。
あなたは、どこにいらっしゃるの ....
ぐつぐつと煮立った窯の中に放り込まれ
かき回され 潰され 叩き付けられ
もう原形は どこにもない
さあ 捨てるがいい さあ 早く
テーブルに残ったパン屑を捨てるように
....
さかあがりが できないころ
さかあがりのあいまに
けんかした
さかあがりのあいまに
学校へ 行った
おまえんちの家の前の空き地に
むかし なまくびが ならべら ....
キレイ、と。
キミの呟く声
茜に染まっていく
青の下
僕の右隣
キミの笑顔も茜に染まる
揺れる緑の葉
浮かぶ月は白
雲に混ざりゆく灰
鮮やかなキオク
....
君を産んでよかったと思うけど、君を生んだことで君に終わりをつくってしまった
母が言う
....
瓜二つのようで
瓜二つでない
一卵性でも二卵性でもない
この双生児
心理学者さえも説き伏せぬ
けれど
一番傍にいてくれるのは
一緒に泣いてくれるのは
手をつないでくれるのは ....
あなたに会えて幸せです。
いいことも、嫌なことも、晴れの日も、雨の日もある毎日だけど、
いままで起こった出来事のどれが欠けてもダメだと思う
あなたに出会えなかったんじゃないかな
毎日を生きていく ....
いままで
ボクは 夢を見ていた
ずっとわかってた
ずっとわかってた
夢の中では キミに 会えなかった
でも
もうこれからは
ああ これからは
いいんだよ
....
人生には 中間地点と 中途半端な 時期が有る
大人か子供か 男か女か 真面目か不良か
孤独か天然か 生か死か 悪魔か天使か
二つの言葉を 思い付く度
相反したり 造反したりの 繰り返 ....
この キモチ
あなたのもの
伝えることが
うまく できない
まっすぐすぎる
あたし
感じたんだ
あの時
あの日
あなたの
精一杯の
やさしさを
ボケとツッコミが ....
トモダチが欲しい
コイビトが欲しい
カゾクが欲しい
アシナガオジサンが欲しい
ヒトが欲しい
すべてが欲しい
いや、すべてはいらない
アナタが欲しい
アナタノココロが欲しい
ア ....
ある暑い夏の日の午後だった
座って化粧をしている君を見てた
寝たまんまのふりをして
僕はただ眺めてた
テレビドラマにはならない
つまらない結末
何の展開にもつながらない
どうしようも ....
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