昔 TRDステッカーが貼ってあった
りんご色のセルボは
ミラースモークでした
キラッキラと光る存在は
ゾンザイに 出来ないから
一緒に 耀こうって
思えるんだネ
鏡みたいに
ひ ....
冷めきった紅茶は
いつも何かいいたげで
それでも冷めきった紅茶は
口を開こうとはしなかった
枯れ葉がからからと音をたてて
風に蹴られている
茶褐色の湖は冷たく深いな
....
秋の日差しが 梢を貫き 斜めに大地に刺さる 階段の様だ
いつの日か 私が揮発して この空に混入する その時は
これを登って行きたいと 望むのである
きっと 晴れやかな心持ちで 徐々に ....
浅い秋の山麓にはまだ夏が僅かに匂いを留めている
霊園のなか
木漏れ日に似て
かすかな静謐の羽音を伝えるもの
誰かの魂の代償としてここにやすむメタモルフォーゼの
しるし
霊園の空は高く
夏をとむら ....
一枚一枚じぶんをひきはがしてゆく
夜の電車の窓に映った
つり革にぶら下がった幽体
遊隊を離脱し
こんなところに居たのか
勘違いした片恋の記憶
まだ薄皮がひりひりと痛むが
おわらい ....
全てのコトが 無事に 滞りなく 流れ着いて
何だか 気の抜けた 夜
腑抜けた面した アナタが
ぬぼ〜っと 影に なってる
本当は 「私」 の 方が
本物の 筈だよ
影は 影なんだもの
で ....
生きるだけの塩と
砂糖とたんぱく質
ミネラルとビタミン
水があればいい
それとテキスト
これが重要だ
生きることに勇気を与え
いのちの滋養となるものがいい
働くことに力あふれ
休むこ ....
強烈な腐敗臭がする
淀んだ汚いドブの水に
長い間 私は浮かんでいた
そこから見える空は
暗雲に隠れて 鈍い光を放つ
偽者の太陽だった――
這い出そうとすれば
誰かが足を引っ張って ....
やっと今日の仕事が終わった
選び間違えた 水の様なアイスコーヒーを飲み干して外へ出る
工場の騒音のなかで暮らしていると帰る頃には
虫の音なのか 耳鳴りなのか全く区別がつか ....
雨の日はビー玉に
世界を映して覗き見た。
このビー玉をくれたのは知らないおじさんで
両手に溢れるほどの色とりどりのビー玉をくれた。
雨の日は透明。
夕暮れは橙 ....
愛しなさい
ただひたむきに
引き換えるものなど待ってはいけない
見返りを求めた途端
それは愛ではなくなるから
願うよりも 探してしまうアルタイル
ハクチョウはキレイに羽をみせている
スター・ダストなんてダストは
ないのですよ
どれ一つに目を凝らしても
ただ、またたくばかりで
....
考え過ぎると
知恵熱が 出ると
知った
冷たい汗を
拭う瞬間に ばかり
ゾクッとした
感触が
ぬるり
張り付いて
離れない
いつから
瞬間接着剤に ....
一羽の鳩が見つめ
青い空はただ光りを投げ掛ける
両者に言葉は無く空白の原稿のまま
埋められる予定もなく
風に飛ばされていくのだろう
君は投げ掛ける
私はいますか
それは
空にでもなく
過去にでもな ....
あなたが好きなペロペロキャンディー
常備して部屋に置いておくの
たまたま通ったアンティークのお店の
ショーウィンドウに飾ってあった花びん
一目ぼれで買ったんだ
そして常備しているペロ ....
鷹の爪がむねを突き刺した 純粋が なあ 零れてたぜ
あくびがでる話さ 気長に旅支度しよう 人形は置いてってくれ
飲干した空き缶がぺこっとおじぎしてる なぜか 弱ってる
そんな不恰好な ....
教室の隅に削った名前だけ生きてるようで泣きたくなった
雑踏に心が蝕まれてゆく泣きたい泣けない私をさらって
雪の中歩幅の狭い足跡を振り返り見るまだ生きていく
君はまだ知らなく ....
雨の夜に思う 秋の初めの未だ残る緑の葉
鋭く細長い葉を纏った 細長き胴の先
風に振り乱だされる 白髪が如き穂
星も月も無く 徒に寂しく暗い野で
薄よ お前は そぼ降る雨に打たれ ....
「遍ねきもの」
木の若芽
世の中で起こっている一切の事は
まさに自分の心の中でも起こっている
同時に進んでいる
遍ねき時間
ああ また
わたしに台風が発生した
....
「スピリチュアル」
木の若芽
今吸った息
足にはねた雨
雲のうすいところをすけてさしてきた陽
みんな宇宙の愛
口や肌や目から ....
私に優しいあなたは
私じゃなくても優しい
それが悔しくて
唇を強く噛みしめる
ひとり占め出来ない男は
心を{ルビ蝕=むしばむ}む
胸が苦しいの
肌が紅く染まっていく
女の身 ....
美しいモノが見たいというなら
それはもう美しくないかも知れない
汚いモノには目を覆いたい
だけど匂いはどうしようもない
私はたくさんの言葉を紡いできた
そこには僅かな真実があったのか ....
心は 揺れて
共に 戸惑い
玉の 汗
たまに 笑えば
たまに キズ
たまに キス
丸いものは
どうして 安心するの と
問わなくても 良い
揺らぐ 時を
ゆるりと 眺めてた ....
長い冬が明けて
やっと雪解けのときをむかえましたね
悪い夢をみていたのだと
すべてを水に流し 再出発です
おめでとう
悪い夢 儚い夢 叶わぬ夢
夢 ....
パントマイムの光る町で
100円玉を 見つけました
なんて 格好良い セリフを
吐けたならば 幸せ
履かれたならば 臥しあわせ
マッサージ タイムには
上に 乗っからないで 下さい ....
見上げた灰色の空に
風が答えるように 霧雨をよび込む
屋根岩二峰
小さな張り出しの下にたどり着いても
漂う水滴から 逃げる事はできない
吸う息も 吐く息も
踏みしめ ....
政争を清掃したい総選挙
いっそのこと水曜どうでしょうを党名に
迷走を瞑想している居眠り議員
お互いを先生と呼ぶ別世界
復興の名前に隠れ無駄遣い
国の首締めても官僚生きてゆ ....
それぞれの許されない世界は
こまるかもしれない
パートのないオーケストラは
ハーモニーを奏でない
ぼくは遇いたくない人間にはあいたくないと
思っている動物
話したくないのはぼく ....
太陽がラッパを吹いても
月がバイオリンを弾いても
最後は祈ることしか頭にない
最後は祈ることしか頭にない
私の湖に小舟がやって来て
そっと浮かばせてあげるこの腕は
いつでも身軽であ ....
旅立ちの原点そっと触れる爪先
手のひらに残ったものをかぞえる秋
虹のこびと遠く笑ってさかだちしてる
年月の更けゆく日々に聴くラフマニノフ
宇宙翔けるもの星座のしずく夜に流れ
....
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