満員電車に揺られる。
まわりは社会人と学生。
苦しさと、蒸し暑さで
頭が変になりそうだ。
隣の中学生は
立ったままジャンプを読んでる。
さわやかな1日の
....
{引用=いつまでも眠ってるフリして
芝居が下手な君
普段よりも綺麗でしょ?
と語りかけるような唇
人差し指に水を晒し それを乾いた唇に引く
少しクセのある髪を 手グシで直してあげる
僕 ....
殴ろうとしてあげた右腕をふりおろそうとすると
空気の抵抗にあたるさきからさらさらと砂のようになってかすんでしまった
なくなった利き手に呆然としながら、彼女をみると
殴ろうとしていた先の左 ....
大勢の生物が暮らす
青い地球に
あまりにも僕は小さくて
何だか悲しかった
きっと
僕が息を殺しても
誰にも気付かれず
静かに目を閉じるんだろう
悪夢を見た長い夜も
正 ....
時の流れと
空のいろに
もう
何も
望みはしないから
もう
我が儘言わないから
もう
何も要らないから
どうか安息を。
草刈り後の、草の匂いがする
人の血の匂いは
ここまですがすがしくはない
もっと
体中がカッとなるような
そんな匂い
刈られなかった
花壇の花たちは
この匂いを嗅いで
体中がカ ....
夜中に突然空腹が訪れたからって
何もつけてない食パンをそのまま
もさもさ
温かいスープとか
ミルクの入った珈琲とか
作ってくれるお嫁さんが欲しい
よし、
この流れで
お嫁に ....
箍を外すとほうていがへいていしましたが霊気でぬれそぼりました
、箍を外すとらららん星団がシャチのあいだをながれていきまし
た、箍を外すとすでにありづかの収益構造ができあがっていま
した、箍を外す ....
赤薔薇の 散華重ねる 涙雨
雨蛙 読経は要らぬ 世話と知れ
不如帰 鳴くは遠くに 聞いてこそ
徒花に なるを待てるか 鬼灯花
よの明に 消えてなくなれ 蛍の火
ほしのふん(か)をおさえているのだ
共感出来ていた詩に違和感を覚え始めたのは
いつ頃だったか忘れてしまったが
しとしとと降り続ける雨の季節だった
500円で買ったビニールの傘を差しながら
待ち受け画面を見ると
ふと、切なく ....
人を好きになったことがない、と言ったら
せつないねー、と貴方は笑った
もうすぐ夏なのに風は冷たいし、と続けた
もしこのまま一緒に歩いて居たら
私は何を言ってしまうか分からなかったから
も ....
窓を開けてみると
音速に乗って
私の部屋に運ばれる
ソプラノリコーダーの{ルビ音=ね}
真っ直ぐでもなく
なだらかでもなく
S字やクランクを走行してる
教習車みたいな音色
先生 ....
五センチの
距離は遠くに
ある想い
しかくがあります。
しかくのなかに、ちいさなまる。
まるのうごきは、ふきそくです。
しかくはちっとも、うごきません。
まるはしかくにぶつかりますが
ただ、はじかれてしまうだけ。
....
たとえ今がつらくても
懐かしく思い出す日が必ず来る
そう信じて今日も生きる
ダイヤモンドは高圧の中
長い期間をもって作られる
人生も
苦難という高圧があるから
輝くことができる
今日も ....
もし君が、この話を聞きたくないんならだな、さて、僕がここで生まれたとか、僕の素敵な幼年時代があんな具合だったとか、僕の前にいるリスだかタネキだか、とかなんとか、そんな《サリンジャー》式のくだらない話か ....
誰かわたしを思い出してくれるのだろうか
書き殴ると言う響きが好きだよと言ったキミは
嫌なこと思いだしたと言ったキミは
寂しいねと言ってくれたキミは
いつかわたしを思い出してくれるんだろ ....
ひとつのラブストーリーがあった
誰にも聴かれないような
そんな密やかなものだった
聴きとれない英詩が
ただ流れ続けていた
その中で
"love story" ....
かすかな余韻をのこして
きょうという一日をまっとうして沈んでいくのだなんて
勝手にりかいしたりして
あらためて
わかることがおおいのは
見えるものに目をこらして
見えることばばか ....
水平線の彼方での
高まる胸のしぶきが聴こえない
海辺に押し寄せるさざ波は
わたしをどこへも連れ戻してはくれない
わたしはぎざぎざに欠けた貝
打ち上げられて熱い砂地にうなされる
ときおり
小さな子ども ....
どこにでもある平凡な幼稚園に
桃色ペリカンが園庭に降り立った
言葉が話せなくても
心と心が繋がっている
電車の連結のように
桃色の背中に園児の両手が
園児の背中に園児の両手が
ド ....
今、決めたんだ。
くしゃくしゃ考えて
つもり積もった思いがある。
深い地底の奥底から
突然地上にでてきたようだ。
お日様の力も借りた。
何もかも、決めたんだ ....
ふと触れる
右手の温もり
冷めてゆく
じいちゃんぱあ
ぱあでいいのさ
硬く握りしめたぐうに勝つから
ばあちゃんチョキチョキかにあるき
ぼけて手も
麻痺して手も
じゃんけんぐ〜と
誰もが
はらへる
つゆはれま
ピースがゆ ....
ふと、目をつぶる。
そこは青空。
私とあの子は空を飛んで
雲の上でキャッチボールだ。
あの子はボールを後ろにそらし
ボールは東京タワーに刺さる。
また、目を ....
やらなきゃなあ。
携帯のメール、返さなきゃ
メールの相手に嫌われる。
その前にベッドから抜け出そう。
やらなきゃなあ。
図書館の本返さなきゃ
催促の電話がくるぞ ....
梅雨前線
低気圧
湿って
じとじと
一日中の雨
太陽光はなく
昼でも
薄暗い北の部屋
聞こえるのは
雨だれの
音ばかり
寒いのに
蒸し暑く
頭を置いた ....
問題は外側に無い
常に心の内側にある
悩んでいるのは
その事物について悩んでいるのではなく
その事物に執着があるから
愛に悩み
憎しみに悩み
金に悩み
人間関係に悩み
病気に悩む
....
鮮やかな色を
失った僕に残ったのは
大きな影だった
伸びる影は尻尾みたいに
僕についてきて
いつの間にか形を失い
まるで流れ星みたいに
黒い彗星のように
夕日に向けて姿を消した ....
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