煩わしい程に儚すぎて
熱を帯びた
ひと夏の境界を越える
ひと握りの世界と
断片と化した意識の中の
朦朧とする扇風機の陰で
雷雲が産まれた
日の暮れた、少し後
光 ....
夢はゆく
少女のわたし原っぱに
シロツメクサを ふたつ残して
貴方の家とあたしの家の距離は遠い
片道電車で一時間と千円
高校生にはちょっと厳しい
貴方は忙しい働き者であたしは時間のあるのんびりや
時間が合わない
貴方に合わせて深夜に二時間
....
黒いベールを外す瞬間を
思い浮かべて
銀の食器を並べている
今宵は月夜
一夜の逢瀬
誰よりも会いたいって
自由に伝えられない
私を可愛がって
空に浮かぶ
闇夜を切り取って ....
横断幕を掲げて狐の団体が行進する
サクラマの山を下って
ミソグスの河を越えて
ブヒタナの街で尻尾を振って立ち上がる
嘖嘖 即即 黙黙
僕はヨシコと昼食の約束があるので
空に向 ....
「愛をください」
そう張り出して何年も経ち
今やそれは
誰も気にとめない風景となった
年月がたつと色あせる
看板の前に立ち尽くし
皺だらけの手をしばし見つめた
「いいえ、信じない ....
こうやって、
毎日毎日絶えることなく
詩は生み出されているのに
ひとつとして同じものがないことに
人間の心の
多様さと
宇宙のような広さを感じて
驚きを隠 ....
それは
芸術家が作ったから“art”なのか
それとも
美術館にあるから“art”なのか
もし前者ならば
芸術家のまわりは………
そう、書き損じの一つでさえ“art” ....
何度言えばいいのだろう
さようならを
何度私に言わせるんだろう
さようならを
これからも
何度言うんだろう
さようならを
さようならなんてたった一回で ....
自分の
決めたことを
やり通すのに
実行に移すのに
正しいことなのか
正しいことじゃないのか
私は
時々
考えます
社会のルール
今は本当に
役に立っているのか
どうなのか ....
鏡を見ていると
もうひとり
自分がいるような
そんな感じもする
鏡に
うっっている
自分が
本当の
そのままの自分なのかなぁ
少し
びっくりすることもある
もしかした ....
私の大切なもの
人の心です
私が
宝にしたいもの
ほんの
ささやかなものと言うのなら
人や
自分を思う気持ちです
優しい人の
笑顔と
暖かいメッセージ
他者とのかかわりから
....
あの空と海の境界は
いとしさを含んだ
やさしさが横たわっている
きみがすやすやと眠る
わたしのひざまくらも
きっときみとわたしの
曖昧なやさしい境界になっている
くっつかないということは
い ....
妖精の帽子を被るジギタリス熱愛示す桃色の花
雲が白く山肌を覆う
そんな雨が途切れた夕方に
幻を見たような気がした
むせかえる夕立の後で
耳元で囁いた
その柔らかい息づかいが
脳裏に焼き付いて
繰り返すフラッシュバック
目眩の底に ....
宇宙の外がわのことを考えるのが
好き
果てしない気持ちになるので
心が宇宙になれた気がするので
考えても考えてても答えは
でなくて
まるで難しい数式について ....
大好きなあの人は
カワイイあの娘と結ばれた
私はこの気持ちを
きれいなうちに
しまうことに決めた
誰かに言う必要の無い悩みは
自分の体をグルグル廻る。
何も 誰にも 言えずに今日も一人眠りにつく
モヤモヤは解消されずに 再び体をグルグル廻る。
言う程の事では無いから 話す程の内容で ....
虹の涙が透明だから 僕と君の泉は清く正しく
青春の 透明な恋 眩しくて もう出来ないと ジブリで悟る
若)まろがふたり でそろった!
いまからね、バチバチッと
かっこいいとこ見せあうからね
その間に 逃げるんだよ
面白そうだからって見ていて ....
学校から帰っていると
あちら側からおじいちゃんが歩いてきた
私は、「よ」と手を上げたけど
おじいちゃんはぼうっとしたまま
隣を通り過ぎた
かたっぽだけ挙げた手に
....
電車の中で、立って本を読んでいた
隣に、老夫婦がやってきた
夫が、妻の手をひいていた
ふと、その妻のほうを見やると
白い杖を、ついていた
ああ、私は理解してそっと邪魔にな ....
おはよう
君の声が聞こえただけで
こんなに朝は踊るよ
眩しいのは
陽射しが口笛吹いているから
朝露垂れて木琴を叩く
こんにちは
君の笑顔と弾んだ君の声
僕はおかげで嬉しくなって ....
悲しき道化師の夢を見た
がらんどうに流れる残響
琥珀色の朝日
笑顔の仮面は外れることなく
重い鎧をつけたまま
笑いながら、泣いていた
笑いながら、怒っていた
笑いながら、哀れ ....
入り込む雨の匂いにふと気付く恋文書いたあの日を想う
二人には足りないものがまだ多い波の彼方で揺らぐ愛情
幸せの涙は全て真珠色潮騒響く砂浜の恋
休みの日あなたを想い熱くなる平日の日は恋 ....
僕は雨を待っていた
長い間砂漠となっていた心の中で
僕は 『欲しい』と口にしなかった
涙だけを糧に過ごした
黒いインクにそれを混ぜて
別の夢を紙上に起こした
別の夢想を組み立て 陳列した
....
私は私を
引き受けてくれ
だなんて言えない
丸ごと飲み込んでくれ
だなんて望めない
みんなが自分
で 手一杯だ
ありのまま
って なにさ?
ありのまま
が 私にとって
....
今までありがとう
その
強靭な精神力
その
強靭な肉体に
そして
垣間見える
とても脆弱なこころ
あたしは
そこに惹かれてた
いつも
自分自身を守り抜こうとする
強い意思に
でも
あた ....
昨夜の雨でまだ湿っているアスファルトは
打って変わった今朝の強い日差しを吸い込み
ジーンズに包まれた足元からじわじわとあたためる
今朝は目玉焼きを二つ作った
フライパンを火にかけて卵を ....
僕のしがない手を
君への花向けだと思って受け取ってくれ
僕の干からびた足は
君への愛着だと思ってくれ
僕の垢だらけの耳は
君への差し入れだと思ってくれ
僕の乾いた眼球は
....
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