パラメータを細かく動かし続ける
もう3日も寝ていない このトマトの異変のために
「私なら、君が話すのを異常だなんて思わないが」
またトマト10810が話し始める
突然変異の原因を突き止める ....
泡粒の数だけ思い出があり
からからからと音がする
競走はいつでもいちばん最後
ひとあし遅れて着いた小さな菓子屋で
真っ先に選ぶのは瓶入りのラムネ
にじみだす汗を乱暴にぬぐい
....
わたしの中は
内臓とか
血とか
脂肪とかじゃなくて
海 が広がってるんだと思う
わたしの泣き虫のレベルは
ランクをつけるならAAAだ
本を読んでは泣き
曲を聞い ....
確率変動が起こるのであれば
それわそれわ滑稽なことですね
楽に死ねると思わない方がいい
死ぬことに楽など通用しない
安楽死を望んでもそれは不可能
何故なら安らかに楽しく死 ....
選挙カーはすれ違う僕を威嚇するかのように
年増うぐいすの声をぶつけてきたので
思わず
避けてしまった
遠ざかるにつれて
ドップラー効果の適用で
声が低く転調されていった
「 ....
夏の夜が好きだ
蜂蜜色の月が
ぼんやりと闇色の綿菓子に浮かぶ
制服に入り込む夜風は
チョコとバニラの匂いがする
ねっとりと絡みついて
わたしの皮膚に吹きかけた
甘いフルーツの ....
夕方の
涼しい時間に
畑に行って
枝豆を採る
ぷちぷちと
ひとりぼっちで
やっていると
夏の空気は
本当は
どの湧き水よりも
澄んでいるんじゃないかって
それを独り占めし ....
人を見る目がない目で
僕は毎日誰かの顔をみている
のうが無いといわれた脳みそが
鼻くそをほじくる僕を支配している
手に職をと言われて
いまだに手つかずのまま
両腕が仕方なくぶらさが ....
我が思うのは
迷宮の地獄の解読図のもとめかた
今日は誰を明日は誰を
そう考えて毎日を過ごす
理由はどうあれシッポをふんじゃったのは罪深き貴方
時は視ていた
その踊る ....
あんなに耳障りだった蝉の声も
虫眼鏡で集めたみたいな痛い陽射しも
まるで色あせ始めた遠い物語
なだらかな坂道を自転車でおりると
向かい風がほんのわずかの後れ毛を揺らす
時折小石が顔を ....
まろやかに
とろっ と
吐く 息
昨日から
風の香りが
変わった
もう
空も色褪せて
し残したことが
たくさんある気がしてるぼくと
したりないことが
たくさんあるきみと
明日はみえない
季節だけ ....
夕暮れの風が民家の風鈴を鳴らし、
茜色のまなざしで今日をねぎらうように、わたしの頬を撫でてくれる。
その涼しさに、ほっとして深く息を吐く。
庭先には、萎れた朝顔が脱ぎ捨てた服のように垂れ下がり、 ....
3分間で出来上がるカップ麺はあるけれど
3分間で出来上がる世界など存在はしないだろつ
もしそんなものが存在していたら
もうインスタントワールドは
たちまち売れてみんなが神になる ....
もうすぐ秋だよ
そういう風の香りがする
もっと僕を
欲しがってよ
長い夜の
秋がくる前にね
もっと僕を
日差し浴び
ぐんと伸びやか私のこころ
海がみたいね
言われて来たよ
海山サーフィンなんでもござれ
ズボン裾
まくり上げて
ひとり遊ぶ
そんなあなたを
しゃがんで眺む
駆けてくる
逆光だからか ....
家の押し入れにしまってあった誇り被ったギターを
みつけだしてそこから僕の人生は決まった
一人もくもくとそのあまり音がよくない安物ギターを
朝から晩まで引き続けていた
将来はビッ ....
温もりと
甘い言葉で
相手を酔わせる
夜になれは
魔法使いになれる
黄昏に、思い出すのはただ一人
遠くを見ては 繰り返す
あのときも
あのときも
私はあなたが好きでした
照れて視線をそらすほど
愛おしく思っていました
こう ....
届かないと思っていた扉の取っ手は
いつの間にか腰の位置になっていた
背が伸びて視野が広がる
遮っていたものに追いつき追い越し
世界の大きさに少しずつゆびが触れる
もうすっかり ....
うつくしいものは、あなたの涙
うつくしいものは、あなたのくちびる
うつくしいものを知らずに、あなたは
地上を這い回る、あなたは
哀れでいとおしく
人はたくさくんの月や星や太陽を贈る
....
白い部屋の
白い窓辺のあなたに
向日葵を届けたい
朔の闇夜の月を
輝かせるほど
明るい向日葵を贈りたい
七色の虹が
黄色であふれるほど
たくさんたくさん贈りたい
あなた ....
八月の砂浜歩くカップルの背後に見える偽物の夏
薔薇にある刺より痛い失恋の痛みに歪む若者の顔
あなたは
今頃
アパートの一階、
小さな庭のある部屋で
寝転んで
テレビでも見てるんだろう
わたしは
届かない窓に
小さく手を差し伸べて
それでも足りなくて
こころのなかで
あなたの名前を呼 ....
夢を見て
夢で見て
それ以上に
何が
これが僕らのリアル
透き通った現実
{引用=地上では
夏を散らす風
恋しくて水面をみあげた
なぜかしら
感じたことのないものを
わたしは知ってる
水面には
ひかりの乱舞
銀が背に降り積もり
手のひらの ....
暗闇が
夜景さえもが
怖くなったとき
いつでも
ぼくのところに
おいでよ
ぼくの腕は
いつでも
きみのものなんだよ
やっぱり
きみに
戻ってしまう
狂おしいほどの恋慕も
雨に閉ざされて
花も涙する
こんな夕方には
緑葉生い茂る森の奥
君を抱きしめる
最初で最後の交わり
なだらかな曲線を描いた
背中が微かに痙攣し
時折流し目で見つめる
君の瞳が切なくて
僕はまもなく他界
....
朝の子が
帰っていく
いちにちの
つとめを終えて
ピンクのグラデーション
さよなら
また
明日
あえるね
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