アクセルを踏んでスピードをあげる
普段は開けない車の窓を開けると
夕凪の匂いがふわりと香った
あぁ、なんて心地よい
名前は過去に置いてきた
積み上げてきたものは全部
トランクの ....
もう
勘違いで傷つきたくないから
実体のある
あなたの接触を
私はただ
待っているのです
充分過ぎる時間がありました
桜は毎年咲いています
年を重ねてもきれいに
....
何も浮かばない
雲も
どこかへ流されたようで
わたしは
ひとり影をおくる
ことばを
知らないから
と屈託なくわらう
君のあいさつは不器用なほど
まぶしい
出会った海辺を
....
笑わせたい 人が いて
目の前で 笑顔が 見れて
自分も 笑えて
そんな 日々が
毎日だったなら
眉間の 皺も
消えて しまうでしょうに
刻み込む その前に
気付けることも ....
「二月」
貪欲がこの街の草を食み
鳩は広場の雪に足跡を付ける
紺碧には忘却のゴンドラ
「三月」
悲しみを折り畳んで春の子守唄
緩やかなカーブを横切って
風 ....
この川を もすこし下ったところにあるのが 静物園
果物や骸骨が 額に収まっている花のように静かな生き物の館
ガラス張りの館の角は どこも ゆるやかに丸く
おたまじゃくしの卵のように静謐
....
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多くの季節を生きて
わたしは幾度も春を迎えてきた
そして 毎年
いろんな桜と出会っている
真新しい制服に身を包み
新たな出会いに心躍ら ....
ポテトチップスを聞いていた8回目の桜吹雪は舞った
クレパスは全部パステルで涙で混ぜて描いてみたんだけれど
黒い硝子の靴がどうしても欲しいと叫び散らしてるばかりで
うんざりした太陽は苦笑いをして ....
コトバは音声と意味を結びつけるしくみの総体である
コトバの本質は意味を伝達する道具
それはぼくの頭の中の愛という概念を体の生理的機能にしたがい
aiという2音素の物理的波動に変換してきみの鼓 ....
わたしは、「お母さん」になりたかったと気付いた。でも全然違う。手の届かないもの。その気になればいくらか真似は出来るだろう。でもそれにもいまは疲れ果てている。わたしには時間が必要だ。
....
大きな街の
大きな駅の
大きなロータリーで
人 独り独りのたましいが
何事もなかったかのようにのたれ死んでいる
昨日まで
そこには花が咲いていて
春でもないのに咲いていて
....
満開の桜並木は異空間の美しさ
何故、永遠にこの時が続かないのだろう
散るから美しい
誰もが言う言葉
この桜色の空間の中では
無意味に聞こえる
墓参りをする人の横では
花見を楽 ....
空が俄かに かき曇り
夥しい白波の下で
大口を開けている 黒い うねりに
咀嚼されていた 北への道程で
私が見たものは
岩礁というより 貴女でした
幼い日 貴女の名を 保護 ....
背中が、腕が、 逞しい
なんて 言われると
男っぷりを 上げたな!! って
自分を 褒めたく なりながら
ハッとする
嗚呼 アタシ 女だったや
でもね 強く 生きる その為に
....
おしつけがましい
きぼうが
わたしのみらいを
とかしていく
せまいへやでいいの
あたたかいひのひかりを
すこしだけください
そうしたら
それだけでいきていけるの
あめのひの
....
おきあがり こぶしだと 思ってたんだ
起き上がり 小法師 だったんだねぇ
子奉仕でも 胞子でも なかったんだ
拳 とか 辛夷とか 思い浮かべて
握る握力の強さを 感じながら
転んで痛 ....
病院のベッドに三日間泊まった
聖なる牢獄に三日間も居たんだぜ
すごいことさ
可愛い看護師さんは小首を傾げて言った
何処に居たってあなたの生きる不安は同じでしょ
そう彼女はとても魅力的でセ ....
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春、春、春、桜吹雪
ひらりと花びら
僕の掌に 舞い落ちた
そっと 握りしめて
指の隙間に閉じ込める
―― 縛ることが愛だ ....
自己保身を 考えてしまうと
動けなく なって しまうから
行動しようと 思った 気持ちは
偽善だったのか と
ハッとする 瞬間
でも 気持ちは 本物だよって
自分を 自分で 慰め ....
あの人はどうしているのでしょうとふと強く思いませんかまるで野鼠のようだねとうすら寒く手を差し延べて状況はすっかり変わってしまい僕は初夏の河川敷にいる陽なたに群れている椋鳥たちを眺める辛いだろうか寂しい ....
四月 灰色の午後
湿った雪が舞っている
人生で何度目のことだろう
心は鉛の錨となり
失望の海に深く下ろされてい ....
うたわないでください
桜花爛漫と咲き誇る花々を
うたわないでください
眺めるだけで良いのです
もっと強く
もっと高く
飛べる翼をください
君に出会って
私は生きる上で最も大切な ....
そんな名前のアーティストがいたなぁ と
返信しようとして 気付く
ポケット と ビスケット
その コラボレーションで
思い出す
とても 元気の良い 女性ヴォイスには
励まされる ....
光る虹を追ってぼくは飛び出した
確かにそこに虹はあったけれど
ぼくにはもうぼくがない
丹精米たから
美しいのでは無く
泣きながら 味わうから
塩っ辛くなる
舐めた舌が 何枚あっても
構わないよ
一番上ダケ
丁寧に 剥がすから
ペイントされたのは
今日の ....
北風と紡いだ一月の空
背中越しから僕の肩を叩くと
うつ向いていた体内の蛹が割れて
一匹の蝶々が飛んでいった
海を渡り
消えていく
夏の蜜のある処へ
風の吹聴
空の怒号
言葉にならぬコトバが
聞こえる
自然の擬人
宇宙の無尽
大なるものの前に
人は小さい
青天の霹靂
雷雨は決行
荒れる世界へ
力を向ける
....
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いつの間にか
遠くまで来てしまったと
振り返ってみたら
――そこは知らない街だった
懐かしい駄菓子屋さんがあった
買ったばかりのお ....
あなたの細いその指が
鍵盤に触れる時
弾きだされる旋律
わたしの躯を包む
この胸に愛が充ちてきたら
心の琴線が震えだす
ねぇ愛してるといって……
こんなに想っていても
掴め ....
黒い真珠の美弥さんは
思いやり善意何気なく
エジプトの王女の風情
霊の修練されたる人と
(阪神大震災の前に途絶えた連絡)
恋人でも恋うように
7歳の光子ちゃんと
14歳の淳子さ ....
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