助手席に座って流れる景色を眺めていた
運転席では母が久しぶりの運転をしていて
トンネルをくぐると
そこには雪が積もっていた
途中から
空から雪が降り出して
こうでなければ冬でない
な ....
星を見つめれば
今までの自分が
とても弱く見えてしまうけど
それは自分の心が広くなったから
海を見つめれば
今までの自分が
とても狭く見えてしまうけど
それは自分の心が深くなったから ....
こぐまの尾、
ちかり、ちか、り
天空いっぱい夜は溢れて
地上で凍った吐息は
瞬く銀に吸い込まれる
星灯りの舗道に
靴音を響かせ
きみの声を思い出すと
辿る道程は冬の密度が融 ....
ひとひらひとひらと
空から雪が舞い落ちて
小さな小さなその粒は
一つ一つの言葉のよう
ゆらりゆらりと
空から風が吹き流れ
右へ左へ漂いながら
言葉と言葉をつなげ合う
ひとひらひ ....
今の季節に合わせて
色の神が
世界を白くする
僕も白くなってゆく
そして
今の風に合わせて
音の神が
世界を奏でる
僕も音になってゆく
その後は
今の心に合わせて
{ルビ ....
乾燥しがちなこの時期は
ハンドクリームは必需品なの
年末の大掃除に
家族団欒の為の炊事洗濯で
荒んでいくあたしの指先
心まで萎んでいく前に
栄養たっぷりのクリー ....
具合はどう?
と問い掛けられても
よくわからないのだ
何か喉の奥につかえているようでもあり
ただ疲れているだけのようでもあり
それでいて急に、胸のあたりが苦しくなったりする
こうして
....
隠すことはできても嘘はつけない
たとえばインターネット
自分ことは隠せても
相手から聞かれたら
嘘はつけない
うまく隠せても
嘘はいずれわかってしまう
隠すことはできても嘘はつけ ....
こどものころ
よく聞かれました
大きくなったらなんになりたい?
わたしはいつでも
お菓子屋さんと答えたけれど
ほんとうは
ちがうの
わたしは
大きくなっても
なんにもなり ....
髪の香りが永遠ならば
わたしはいつでも夜を待ちましょう。
ささやきの苦さがひとときならば
わたしは今でも夜になりましょう。
ルルリリ メルリ
いとおしいのは あな ....
こころを耕す
お日様をあびて
雨をよろこんで
実りを願うんじゃなくて
わたしは耕す
わたしを耕す
いいことばかりはなくていい
やさしさはほんのひとつぶでいい
実ったものは
み ....
穏やかなので
忘れているのでしょう
温もりは
触れなければ伝わらないことを
温かく大事に思うことは
こみ上げてくる愛しさとは
少し
少し
違うと気付いていますか
穏やかに幸 ....
心の中にある草原に
乾いた強い風が吹いているので
雨を降らせてみました
大きな虹が架かかりました
心の中にある森に
細くて尖った枝が軋んでいるので
葉を茂らせました
多くの鳥がさえず ....
北からの強い風が吹いていた
枯葉をまだ護っている木々にも
誰もいないベンチにも
そこに流れる時間さえ吹き飛ばし
風は強かった
明け方の夢に両の頬が濡れて
世界中で独りぼっちのような目覚 ....
あの小さな恋が終わって
零したのは少なからずの涙
残ったのは心地よい 何処かしら懐かしい 小さな切なさでした
けれど この大きな恋が終わって
零したのは数え切れない笑い
私がせっせと私の中で ....
涙を混ぜる、という行為には
冬の夜は長すぎる
ひつじが百匹を超えたら ふいに湧き出す
僕って何だろう、みたいな問いかけに、いつも
たまたまこの星に生まれて
たまたまこの国に来 ....
三月の暖かかくも切ない風
使い古し色褪せた制服が桜を覆い揺れる
今は未だ
一月の冷たくも優しい風
残された時を躊躇うことなく楽しんでいる
ぷかぷかと浮かんでいても
何れは陸 ....
君がいるから僕は存在する
誰もが羨望する
誰もが欲しがる君の姿
ショーウインドの特等席で
いつも輝いている
値札なんて不要だよね
君の価値はお金にはかえられないから
要はハートだってこと ....
風が走る
土が舞う
水が震える
枝が軋む
風は思うままに
その力を誇示するかのように
押す力が押す力を加速させ
どこまでも走り通す
風が飛ぶ
森が揺れる
岩がずれる
波が ....
職場にとても変わった人が入社してきた。
出張者の手配をする仕事。
ひたすらJRや飛行機の発券をする仕事。
そして彼女は
聞いてもないことをよく言ってくる。
「わたし、電車が大好きなん ....
いつも未完成だから
いつも明日がある
そしてそれは
いつとして同じではない
どれも未完成だから
どれも進化がある
そしてそれは
どれとして同じではない
どこも未完成だから
ど ....
まばたきの またたきの 恋 これは衝動
ほんとうはそんな音じゃないんだよ ほんとうはそんな簡単に言葉になんか
ぷ、つっ(――回線、断絶、、、)
それは、吐きだすたび ....
もともと人は
生きづらい中で
生きやすい生き方を
夢見てきた
その日を生きるのに
苦労して
やっとの思いで
夜の眠りに就くことができた
いや
明日が不安で眠ることを
許されない ....
Hip, hip, hurrahの掛け声と供に
大音量の蛍の光の歌に乗り
夜空に大輪の色を咲かせ
また、新しい年が幕を開けた
HippieでHotなきみにHit
Are you Ha ....
振り向かない力が
勇気となって
道のない前を
歩いてゆける
淋しくはない
振り向かない力が
翼となって
果てのない空を
飛んでゆける
悲しくはない
振り向かない力が
光と ....
少年は遠い空を眺めて
何を書きたいのか
何を描きたいのか
考えていた
空は高いまま
少年は青年になり
広い空を見渡して
何を書くべきなのか
何を描くべきなのか
決めていた
空は ....
何もかもが嫌になって
真っ白な自分がいる
けれども
そこから僕の夢が始まる
新しい僕の夢は
満たされていたときよりも
ずっとずっと
大きくなっている
何もかも失って
まっさら ....
僕は
人よりもできることが すくない
僕は
人よりもあたまの回転が おそい
僕は
人よりも当てはまることが すくない
僕は
人よりも決まったことしか でき ....
今よりも
もっと大きくなりたいと想ったけれど
すぐにはできないから
今からできる
小さいことを見つけようと想う
今はまだ
ぜんぜん小さな自分だから
いきなり大きなことはできない
ま ....
翼は光に向かって
青空の中を
風に吹かれながらも
ひたすらに
羽ばたき続ける
見下ろすその海は
光を受けた
波と魚の群れが
きらめき瞬いている
翼は光に向かって
どこまでも ....
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