君の家への下り坂を
夜の空気をひきつれて
自転車はひた走っていく
白いコートの女性は
電話越しに笑う
コツコツと地を叩く靴は
打楽器のよう
二人の少年は
マウンテンバイクに乗っ ....
夜風が寝る前に君に教えてあげよう
僕が昼寝していた時のこと
公園の芝生にやんわり擦られながら
木陰がそっと忍んできて
日射しを追い払ってくれたみたいで
すっかり夢心地に浸ってしまって
何故 ....
さびしんぼの
あたしに
なつかしい人から
メッセージが
届いた
突然だった
うれしかった
あったかかった
元気にしているのだろうか
忙しいのだろうか
今はもう
わ ....
ぼろぼろとまとまった消しゴムのかす
米びつの中で生まれた虫のようだ
彼は米びつの中で生まれた
積雪6センチほどの米の中に
何を間違えたのか産み落とされ
目が覚めると目がくらむような白、白 ....
流れてく 雲がはだかの 枝にからみ その綿菓子を 鳥がついばむ
時間が止まってしまえばいいと
何度願ったものか
二度と取り戻せない
春があり
秋があり
mid night
叶わない願いが
あたしを救う夜
今日も明日も
こうして ....
長い間
ふくらんだ 開花寸前の
蕾だったあたしは
Nの言霊で
開花した
言霊は身体をまとい
脳の奥まで
浸透して
いった
そして
音・・・
Nの声
声は直に ....
君の指はとても冷たい
その冷たさはつららのよう
君の白い息は夜に溶けていく
君の指はとても冷たい
すべてのものから遠ざかっていくよう
君の細い髪は夜風と遊ぶ
僕は君の手を握る
て ....
月の裏側には
闇ウサギがいるんだよ
絶対誰にも見えないんだ
これは月の秘密
僕の心の裏側には
いったい何がいるでしょう
これは僕の秘密
秘密がある方が ....
何処にでも
在る
言葉の塵
散らかしては
掃除する
片隅に追いやっては
在った事さえ
忘れてしまっている
でも
ひとつ
忘れられない
捨てられない
指輪に嵌めて
ひとつだけ
あなたからの ....
海の味を覚えている
アサリよ アサリよ
お前が居た海の味をこの舌は知っている
私は明日 おまえを食べるだろう
そのために舌で味を見ながら
砂を吐かせるための塩水を作る
おまえはそん ....
そのとき僕は飛んでいたんだ
とおく に いけた
もはや翼は食いちぎられ
澱んだ泥水の中でもがいている
あのとき
とおく に いっていたなら
穏やかな ....
フランスパンを食べ終えた
皿にできたパンくずの水玉模様
コーヒーを飲みながら見つめている
隣りの席に座っているカップル
若く楽しげで
物憂げな私に
新鮮な印象を与えた
反対側の席 ....
寂しいね
寂しいね
人恋しくて
寂しいね
人か好きなんだ
人を信じたいんだ
寂しいね
でも
嬉しいね
これから人と沢山出会えるってことだから
この糸の先に繋がるのは、君?
それとも
貴方?
手繰り寄せても、見えないの
愛しのひと
教えて? かみさま。
私は魅せられていた
催事場へ行き
アウトレットに行き
古着屋にも行った
たくさんの服を見た
でも買ったのはわずか
使ったお金もわずか
それでも楽しかった
楽しかった分
閉店時 ....
しかめっ面しながら
白いノートを探した
理由もなくグルグルイライラしていた
パソコンを何度も何度もリロード
したりしながら
やることないかなと
そう願っていた
最近になってよ ....
どうか 殺してください
あたしを
延命など しないでください
静かに 死なせてください
チューブで つながないで
キレイなまま
死なせて ください
あたしを
あたしのま ....
犬が笑った
そんなことは思い込みかもしれない
それでも事実目に見える形でしか説明されない多くのものを投げ捨てるけど
不確かな現実はうやむやなまま流された
犬は僕を見ているのではないかも ....
そのペンを持つ手
電話をにぎる手
無意識に髪にふれる手
ギターのFコードを押さえる手
ピアノを弾く手
絵を描く手
手話を正確に表現する手
文庫本をめくる手
そして細 ....
雪が降り積もるように
月が満ちていくように
アナタのことばかり考えているよ
雪が融けていくように
月が欠けていくように
頼りないものだとしても
どうか忘れないでいて
....
冬の晴れた日だった
青空が眩しくて
君と並んで歩くだけで
ほら
もうドキドキしてる
学生で溢れるキャンパス
でも二人しかいないようで
僕は寒いのにコーラなんか飲んで
ドキド ....
ひとみを閉じていればいい
こころを閉じていればいい
電車が通過する前の
空気と地面の振動が ....
眼福眼福
駆け行く灰の雲のあとに青い空
濡れ葉に水滴
さえずる群雀のふくよかさ
眼福眼福
丘の上に立つ古い山桜
枯れ枝に積もる雪
佇む烏のただ黒き姿
眼福眼福
薄墨色の稜線よ ....
君と会うため
黒服を着た 男たちをさけて
繁華街をライブバーへ向かう
半年ぶりに会う君は
また ひと回り細くなっていた
バーへ入り君を目にして
ハグし合う
いつもと同じ
申 ....
風が泣いている 凍りつくような音をたてて泣いている
真冬と言う 洞窟の中で叫んでいる かのように
フロントガラスのバームクーヘン
スターターの理由など 間に合う筈がない諦め半分 必 ....
朝4時
寝ている人がいる
働いている人がいる
そして眠れなかった人がいる
眠れぬ夜を過ごし迎える朝
辛いものだ
疲れた体に意識だけ冴え渡り
うっかりすると魔物に捕らえられる
....
緩やかな坂を上って行くように
これまでを振り返る
いつの間にか
父や母の半分の歩幅で辿り着いてしまった
気がする
お前って・・と言われる
肩を並べて歩くことにしただけなのに ....
気分を変えたい時
無心に歯をみがく
極細毛の歯ブラシで
ていねいに
ていねいに
ゆっくり
ゆっくり
歯と歯ぐきの間は
極細毛の感触は
くすぐったいような
血がかよっ ....
詩を書くの初心者の私でも誰かに読んで欲しいと思うの
小さなノートに書いて読んでくれそうな人に渡すとね
興味がある人は目が変わるのがわかる
でも興味がない人には断られる
あたりまえだけど ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244