わしは実は ふたごだったと聞かされた日
そして わしのふたごの兄貴だった人は生後まもなく死んだのだと聞かされた日
ねぇちゃんと グリコを分けて食べるように わたされた
ねぇちゃんに 言うた
「 ....
こずえに黄緑がこおどりしている
それは
節季に生かされているからだ
けして「自力」ではない
「他力」の節季に促されているのだ
おらが「風」を肌に沁みこませ
「光」を眼底に取り込め ....
四角ばったあなたのなまえをみると
どきっとする
はじめてもらったてがみの文字も
やっぱり四角ばっていて
笑ってしまった
あなたの気性だとおもった
なのに
なかみはあったかくて ....
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ねぇ 深呼吸したら 風の色が変わったよ
眠っていた サナギが目覚め始めた
わたしを揺り動かす うねるような焦燥感
何か 新しいモノを求め ....
あなたが道で転んで 泣いていたとしても
その痛みは 誰にも分からない
大丈夫? と声を掛ける人がいたとしても
ホントのところ その痛みは本人にしか分からない
自分のモノサシで 他人の痛みは ....
早生品種 と言うものを
意識した 今シーズン
先ずは みかん
大分産は 緑色だけど
案外と甘くて 驚き
そして りんご
岩手産は 皮もテカテカ
ワセリンでも 塗って ....
サンタ(さん?)の存在とか
信じた思い出とか無いジブン
可哀想かな
─どちらが
赤子のまま 父親に抱っこされ
写っている私
胸には「○○をやめろ!」
と書かれたゼッケン
─だか ....
君は右手の人差し指を空に挿し
微笑みながら僕を睨む
一行の眼差し
二行目の僕は
圧倒されて黙り込んでしまった
覚えてないの
私のこと
怒りの女神は叫ぶ
私の名を思い出しなさ ....
ダーウィンはロンドン動物園の小さなジェニーがお気に入り
彼女は言葉を理解しおやつをおねだりし公爵夫人に自分の可愛いドレスを
見せびらかしたり本当に人間の子供のようだった
1832年にビーグル ....
目覚め
悪意が芽生える その刹那
化粧
七色の砂嵐は旅人の死を覆い隠す
時は
ナイフのように刻みまた削る 皺を 記憶を
残された心拍数を
図書館で
昼過ぎまで文字たち ....
風の無い穏やかな夜
仕舞い忘れた鯉のぼりが
だらしなく天を仰いでいる
それでいて
雲はせわしなく月を見え隠れさせて
不安定な上空には入道雲
たしかに今日から夏ですが
少し ....
どうしたら
あなたのこと
忘れられるのでしょうか
手の届かない人
その目 その声
ぬくもりに届かない人
虚構に恋したあなた
あなたと同じ気持ちのわたし
片思いでもいいの
....
人間も焼けば油が出るわねと腹まわりさする君のしこ名は
妻曰く健診は品質管理の第一歩
ラブレター誤字と誤解は付き物か
懲らしめに柱に吊るした藁人形なれてみればチョット可愛い
五 ....
北国に桜が咲いて幾日も経たず
昨日突風が吹いて花びらを散らして行った
今朝 桜は冷たい雨に濡れそぼち
うつむき滴る 運命を受け入れつつも
儚げな美しさを愛でる者が
その色香に誘われて ....
舌を出す 可愛い笑顔 誘われて
透明扉 ウィーン 開ければ
ヴァイオリンの 奏 響きて
甘い香りが 花 染める
ケーキの上に チョコレート
バラの形に バラの色
そんな人生 ....
過ぎさった苦しみを
時々 舌の先で転がして
ピリッと刺すような
痛みを味わう
血の味は嫌いじゃないんです
この痛みが
私の静脈を流れていく
悲しみが青い血管に滴る
....
クローン ウーロン クーロン杯
盃 抱え 飲み干せば
龍の 頭の 味がする
エキス 吸い上げ 九つの
カラス 跳ぶ刻 見上げれば
嗚呼 永劫の 幸せの
色に 染まりて 耀いて生 ....
ぼくたちはことばの国のたびびと
遥かな源流から
ひとひらの花びらが流れてきてそれは
あらたななまえを与えられて言葉となる
ぼくたちは森を抜け荒れ野を辿り
大地から漏れ出た溶岩流に閉じ込め ....
こころ ひたひたと水に浸かって
浮かんでこない
ぎりぎりの水深は
息をするだけで精一杯
酸欠の頭で見た人は
悲しさの中に喜びを求めているようで
こころ そっと沈んでいって
光の刺さな ....
大惨事が起こるその瞬間
世界は目を閉じる
そして
後からくる絶叫の前に
世界は耳を閉ざす
やがて
時間という距離を経て
世界はそれを歴史と呼び
記念碑を建て記念日を定める
見もし ....
おんなはおとこをつれてわたしのいえにやってきます
あるときはひげのひと
あるときはとしのひと
あるときはすごくやさしいおとこでした
おんなはわたしをくらいへやにとじこめます
それがさいん ....
無口な果実は震えた声でこう云う
「果てで殺して」
泥の味が地べたに横たわっている部屋の空気
ベッドに寝そべったあなたはこう云う
「憎くって仕方ないんだ」
生憎愛想のないわたしはもうち ....
あなたは私の白い首を優しくそれは優しく包み込む。
かあ弱い憎しみや恐怖で
碧く細い枝先のような血管が浮き出た両腕静かに伸ばしたと思えば僅かに怯えた力強さで絞めようとして
些か戸惑うのですその漆黒 ....
あしたもし 目が覚めなたなら
この腕がなくなっていたらいい
あなたばかりを覚える腕が
憎らしい
傷だらけのくせに
健康なの 愛を知っている腕は
白いだけのこの腕を
....
愛という甘美な束縛に身をゆだねることで
ひとはみずからくるしみを選ぶのかもしれない
虚ろな自由よりは五感を満たす快楽が
存在の証となることを
本能的に知っているのかもしれない
国が侵 ....
今日はなに話そうか
そうだねえ
知ってる人は知ってるだろうけど
変なことがある
ビッグバンのとき
なんて気軽に使う言葉
ちっともわかちゃいないけど
そのとき極小のところに
極大 ....
休日には光の姿態に花を挿し
寝そべる背中に猫でも乗せて
二三冊の本にマスタードをたっぷり塗って
後ろ向きに釣り糸でも垂らしてみようか
古い音楽ばかりが飛行船となる場所で
とりとめのな ....
あさひばり月の弓から放たれて飛び
川面より一筋のひかり朝靄を切る
遺伝子のテーマかかえて君を想うその先にあるのものはなに?
奪われしすべての愛に花を手向けん
回答をさがしてみよ ....
夜風 わたしの葉脈まで冷やすのかしら
目がさめちゃった午前二時半に キャロットは甘い月の形をしているわ
ぺしゃんこ わたしの心臓 野良猫の肉球みたいにふやけている
月明かりが
充満 ....
よわよわしいこの体温は
しずかに一瞬でいいよ
おもいだしてくれたらいいの
寄りかかる風に目をとじて
木々の葉のざわめきは
あの甘い時間がゆっくり
おとずれるようなそんな
胸騒ぎみたい ....
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