地獄の楽隊は
明くる日の未明
無邪気なさり気なさを装ってやって来る
とてつもない東方からの呼び声……
膨大な大気を蹴散らして
砂漠の部族の進撃をも妨げる勢いで
そしてついには死者の眠りをも ....
火を食べる川
その川のようになりたい
なりたければ仰向ける空へ返す仕草を
かみしめたまま忘れないこと
石の尖りを解かれた頃には
流れの起伏をたどっていることだろう
いつかは溢れ、落ち着くと ....
あと九作品だ、が目の前を通過する。
あと九作品なんだよ、よ。到達まで。
今まで侮っていた。
こんなに長い道のりだったなんて、思わなかった。
この前初めて気付いて
やっちまったなー。
後悔し ....
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JRのラッシュ通勤
人の波に揺られながら
戸口にもたれて本を読む
隣のプライオリティシート
若い女性からのシグナル
初老の ....
黄ばんだ細い幹の先
辛うじて育む古の緑
枯れ切らない生が
美しい朝を
美しい夜を
何度も
心待ちにしている
如何わしいことばかりの森の奥で
白いワンピースの裾が揺れていた
小 ....
今日は落日は見なかったな
見なかったな。小雨に覆われて
道行くケンタロウも見なかったな
ケンタロウの紐に引っ張られていくおじいさんも
やっぱり見なかったな
観察という行為が
とても少なくな ....
神社はパワースポット
全ての気が 集結する場所だから
全ての気が 終結する場でも
有るのかも 知れない
大きな杉の木に 寄り添い
今じゃあ 誰もが
雄ですか 雌ですか なんて
空を見 ....
腑抜けた愛から
腐臭が漂う
いつから
始まったのか
あおぞら
蘇る思い出さえ
あおに染まって
崩壊はもう
目の前にある
奴ももう
もうろくしはじめているので
僕のことを
認められやしないのだ
奴もそろそろ
ろうそくの残りの火も気になるので
僕の顔さえ
まともに見てやしないのだ
奴らと僕らとのあい ....
この青い青い青
温かいてのひら
笑いかける
泣きたい時はそっとお泣き
笑いたい時は空に向かって笑い
いつもいつも見てるよ
ひとりぼっちだって思い詰めた日は
少しくらい浸ってもいい
また ....
「竜巻」
君はハイヒールを投げ出すように脱いで
僕のキャンバスの中で
踊りに明け暮れる
遥か彼方に竜巻が描かれているだろう
あれは
君に惑わされた僕の渦
「波紋 ....
ずっと先の未来でも
一緒に旅をしましょう
手はもう繋がないかもしれない
同じ場所で立ち止まり
伸びをして
のんびり歩きましょう
珈琲も飲みましょう
味のある照明の店で
....
その人には顔がなかった
ゆっくりと動く喉仏
見なくても分かる 嗤っている
高い位置から嗤っている
私の苦手な目をして
私の苦手な言葉を紡いでいる
その人には顔がなかった
....
あのとき電話でなんで謝ったん
もう8年も前の事
わたし何も覚えてへん
なんとなしに言うたん
特に意味はないん
でも考えしま ....
暗く恐ろしい海に
僕の酸素が
消えていくのが見えた
目を光らせて
出口を探しても
見つからないんだ
いつまで此処にいればいい?
どれだけ此処にいればいい?
光はいつ見えるの ....
致命傷
バラバラに散らばった
透明な欠片たち
振り返らないキミの背中が
歪んで見えるよ
臆病な僕は
ただ立ち尽くすばかり
時がキミを過去にしていくこと
今から怖れている ....
本当の名前を言えないジレンマ
本当の母国を語れないモドカシサ
近くても まだ果てしない この「くに」
本当の祖国(クニ)を悟られた瞬間
本当の祖国(クニ)を見透かされた瞬間
法という名の ....
陽射しに微睡む君
まるで猫の様だとからかうと
小さな猫のぬいぐるみを僕に押し付けた
最近お気に入りのそれは
先日僕が気まぐれにあげたもの
眠り猫はいつも気持ちが良さそうで
日に日に ....
開け放たれた 窓を 飛び出せば
どれみふあ空のかなたどちらさまでしょうか
わすれがたみということの
わずかないたみを もつものです
聞きかじりのリアリティに
意義をとなえる あたしと
....
二次元の向こうから
ひたひたと
伝わってくるものを
感じる
4月のはじめ
毎月更新される
華やかな写真の中より
客船と共に
モノクロの横顔と
長身のスーツ姿が
一致 ....
生き方に迷うのではなく
生きることに
さ迷ってしまうことが、しばしばあって
花を見ても
散ることばかりを思い浮かべ
悲しんでしまう、そんな自らのおもいを、もてあまして
誰で ....
金は底をついて財布が泣いています
スーパーの惣菜半額セールに参加することは当然の事なんです
電気ガス水道を使えるのは
ありがたいと思わないといけないんです
東電は暫く原則的に停電しないと言 ....
ぬるめの
無色透明の
温泉は
肌をもちっと
つるつるに
してくれる
湯に入っては
地酒飲み
浜を歩いては
湯に入り
湯治の旅は
ゆったりと
?
無言の哀しみを垂らすカオス
木霊する虚数の戯れ
無限と背中合わせになって
月が次第に傾く
頂点で迎える明日は
まだ迷いながらも十二単を纏いはじめる
?
今昔のとき
....
ねぇDr.
教えてよ
水晶体に描かれた景色
でたらめな人の群れ
電気信号に変換して
サーチ始めるtrigger
その消し去り方を
鼓膜を震わせた振動
空気の波
神 ....
風は、なかった。
僕の背中を押してくれる、風は、なかった。
俯く。
春が、足元に。
僕は、やっと、立ち止まることが、できた。
お日さまいろの、花。
溜め息さえ、つくことが、できない。
僕 ....
「お花見がしたい」
君がそう言ったから、街へ出たんだ。
四月も半ばなのに風が冷たくて、
いつも薄着の君は、
淡い色のストールを身体に巻きつけて、
細い肩を何度か擦った。
かつか ....
白く降り止まぬ豪雪に立ちつくし
枝は のしかかる重みにバリリと折れ
春の澄み切った青空の下
まるたんぼうになって
根はネズミにかじられ
もう売り物を実らせない
切り倒され処分される ....
貴方の言葉に
みたされている
冷静で
熱い
表の顔とは
ちがう
甘くて
切なくて
さみしい
言葉たちに
あたしの
脳は
刺激され
言の葉を
生みだす
....
こころの場所を探してみましたが
結局、わかりませんでした
たましいも
いのちも
しも
どこにあるのか
いまだにわからないでいます
さっき電線にとまっていた
たくさんの鳥 ....
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