私の気持ち知ってるんでしょ?
それなら早く
早く言ってよ
私の目を見て
好き
って言ってよ
ほかの男から私を隔離してよ
私の気持ち
....
ゆっくりと赤ん坊に返る
その人をわたしは知っている
夫の祖父だ
わたしを、「大きな女だ」と言った、祖父だ
いつも戦争の話をする、祖父だ
布団の上でお絵かきをしていた、祖父だ
初めて ....
あなたは
この道を
ふたりで歩こうと
言ってたのに
嘘つき
でも
嘘つきは私
そんな日がくるなんて
信じてないのに
微笑んで
頷いたのだから
ここが好き
机と本棚の少しの隙間
すっぽりはまって
ほっくりゆったり
ここが好き
縁側に干した布団の上
ぽかぽか陽気に
閉じたまぶたで
視界はオレンジ
ここが ....
ただ星が瞬くだけ
それだけなのに
ほろろん ほろろん
君が泣いているかのよう
僕も瞬くよ
ほろろん ほろろん
雷雨に押し流され
夏が終わる
爪先に染み込む雨水が
一層惨めな気持ちにさせる
選べない選択肢は
捨ててしまいたい衝動に駆られ
捨てきれなくて
また抱き ....
恥をしのんで撃ったんだ
晴れろ
空
明日、青い鳥が
素敵な未来が待っていると告げても
私は、信じない
だってキミには羽があるから
気が変わったら
どこかへ飛んでいってしまうでしょう?
だからといっ ....
赤い靴を履いて
待っているの
もちろん
異人さんを
水面は
揺らめいている
でも
その下は
沈殿して
何かが蠢いている
今にも出てきそうに
だから
誰か助けてくれないかな
異人さんじゃなくてもい ....
白い僕
黒い僕
混じって 融けて
灰になる
蒼の世界に
ひらひらと
広がり舞う
きらきら
太陽を隠す 僕は
綺麗ですか?
君へ手紙を書く
タマムシから君へ
君は人で、わたしは虫だから
君にとってわたしは虫以上でも以下でもない
けれどわたしのからだは虫とは思えないほどきれいだって
君は知ってしまったから、わた ....
初めて会う人の顔の真ん中に
或いは胸の真ん中に
おへその辺りに
とにかくその人の中心線に
隙間がないかどうか
確かめる
それは
ある時はボーリングの球くらいの大きさだったり
ある時は米 ....
月が綺麗な筈なのに
どう考えても
街燈の方がまばゆくて
少し
ちょっぴり
悲しかった
生きる意味について
考える事ができる
食べ物がないのなら
飲む水がないのなら
意味など考えないだろうに
明日生きることだけを
考えるだろうに
自分の中の本能に忠実に生きるだろ ....
私の想いは熱い
それはまるで
リアトリスの花のよう
この気持ちに
偽りはない
ただあなただけを想う
この淡い花に誓って
いつまでも ....
私はこの世を儚らむ
浮かれ女
女がひとり
このしがない世の中で
暮らしていくには
軽やかに唄でも
歌わなきゃやっていけないさ
私は ....
私はよく狂人だと言われます
なぜそう呼ばれるのでしょうか
私が愚かだから?
私が夢見がちだから?
だから皆狂人だと言うのでしょうか
でも私には解りませ ....
あたしはウサギを追い駆ける
可愛い服の替わりに
制服のスカートの裾なびかせて
お人形の靴の替わりに
汚れたローファーで地面を蹴って
金髪なびかせる替わりに
肩までの黒髪なびかせて
....
あいするそのひとは
いのちあるひと
あいするそのひとは
ひかりあるひと
あいするそのひとは
うたのある ....
ぼくは君に愛を
誓うよ
永遠よりも
深く甘い愛を
心から君を愛している
真実の心を
君に届けたい
君はそっと微笑んで
ぼく ....
私が神さまに
感謝するとしたなら
それは貴女に出逢えたこと
貴女を知る前の私は
ちっぽけな存在
貴女はまるで太陽
私をいつまでも照らしてくれる ....
黄色い薔薇は
不幸せの色
幸薄く虚ろげで
儚い
白い薔薇は
悲しみの色
思いが深すぎて色さえも
染まらない
赤い薔薇は
....
赤いおべべを着た赤児はどこにおる
わたしのかわいい乳呑み児は
寒かろうと夜な夜な編んだ赤いおべべを着せた
わたしのかわいい乳呑み児よ
冬の山の嵐に耐え切れず
....
月に想いを寄せる
少女の涙は
悲しみの理由
夜風の優しさに心が痛む
昔子守唄代わりに聞いた
夜伽噺を懐かしみながら
この世を憂う切なさ ....
この国にゃ神はおらんでよ
旅に出とる
神渡しじゃ
神渡しじゃ
どこの国の神もおらんでよ
この月はどこもかしこも
からっぽさ
みんな勇ん ....
地球を飼いたい
掌に乗るくらいの
小さな小さな地球があったら
わたしはそれを飼って
今度こそ
大事に大事に育てたい
毎日、綺麗な水をあげて
毎日、空気の綺麗なところで散歩をさせて
熱が ....
あなたはわたしを
ひなぎくのようだという
なぜだろう
わたしはそんなに
無邪気だろうか
人はわたしを
ひなぎくのようだという
どうし ....
私はマリオネット
自由のないマリオネット
細い 細い
糸に繋がれて
ご主人様の言いなりに
人々を笑わすために
創り出された幻の命
心 ....
私のお気に入りの
青い目の人形は
夜も眠らない
私の枕元にそっと佇み
赤い唇を僅かに上げて
見つめている
暗闇に映える青い目
夜の ....
霧雨が
降り続いて
やわらかな
ミルクいろに
包まれる
忘れてしまおう
どうせ幻なら
あのことも
このことも
あのひとのことさえ
きっと
幻だったのだから
みんなみんな
忘れてしまって
....
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