ハルジョオンの咲く原の
明るい緑の草陰で
誰かが声をあげ
泣いている
白い帽子の
白いブラウスの
よく光ったまひるのできごと
ここには道があって
歩いてる人もいれば
休んでる人もいる
なかには走って追い抜く人も
それぞれがそれぞれのやり方で
この道を進んでいる
もし共に進む相棒が見つかれば
こんな幸せな ....
今まで大切にしてたものや
欲しいものだけに
埋もれ、殻を創り
私は閉篭もって居た。
その殻は
とても不安定で
ちょっとしたことで
亀裂が入り、揺れる
亀裂が入る ....
何とか追いついたもので袖をふるなんてふとした呼吸がある落ちこみ隔て窪み凹み雨宿りする気なし縞模様の空は晴れている夜だ
君がわたる
私がある
前から踏んでいったステップが宙の階段を蹴着 ....
眠れない夜
蜘蛛の子達が蠢き出す
無数の血管に入り込み
チクチクと毒針を刺す
体は痙攣してハイになり
脳に届いた毒は
死の自動思考を始める
蜘蛛の子の毒は
精神を少しずつ殺 ....
おお!惨めな言葉よ
食い千切られた月の破片
ヘロデ王に捧げられたパウロの首
銀の皿の上で
罵られる美徳の使者よ
....
耳たぶがかさかさすると思ったら
どうやら蟻が一匹のぼってきてたらしい
上半身だけゆっくりと身体を起こす
よく伸びた夏草が足を覆いかけている
さっきまであおいろばかりだった空に
いつの ....
私はきみのことが好きだ
でも どうやらきみは
私のことを好きになることができない体質だったらしい
仕方がないので
私はきみを好きでいつづけることを
やめることにした
無理にきみに合 ....
紅葉
秋風に頬擦りされて
照れ隠しに
薄化粧
ゆさゆさ
つぶやいて
聞こえるかな
乙女な気持ち
プラスチックは
なんてドラマチックだと
どこかの髭を蓄えた
大学教授はほざいていた
靴紐がほどけないのは
それには鍵がついてあるから
スーパーミラクルソフトタッチは ....
ある日
少女は恋をした
知的で優しい学生さんに
彼女がいること知りながら
それでも少女は胸の奥
恋心がどんどん熱く
いけない恋
叶わぬ恋
だからこそ炎は燃え盛る
禁断 ....
例えば其れが レールだったなら
寄り添い過ぎると 事故を起こすから
たまに 歪むのを 許されると するならば
平行四辺形
ゆらゆら 揺れる手には グラス
なみなみに 注がれたるは
....
さめているあたたかさが
いいのかな
駅のベンチで
キス出来るくらい
顔近づいているのに
まるで意識無く話していたり
笑っていたり
はしゃいでいたり
ひとしきり
背中を丸めると ....
どんぐりの双葉はたくましい
芽を出しなさい世界樹
リスたちはみんな
頬ぶくろを持っている
そんなリスたちに運ばれて
埋められて
忘れられて
どこか幼稚園の片隅からでも
天の屋根 ....
そうやって忘れてしまうがいいさ
生きていて恥ずかしかったことなど
そうやって忘れてしまうがいいさ
生きていて辛かったことなど
そうやって忘れてしまうがいいさ
生きていて苦しかったことなど
....
日差しに焼けた肌が
深夜の電光に溶けている
胡瓜は
フルーツだろうか
という議論を
今し方
あの白い壁の向こうに聞いた
そうだ
もう
夕焼けのときめきが
透明な鴇色のレイヤーに ....
あいたくて
はやくあいたくて
きみのもとに
かけおりる
目力が 無くなって行く
見える世界は 変わらないのに
段々と 垂れ下がって 行くんだ
それでも 生きるんだ
活きてるんだと 言い聞かせる
ギラリとニラみを利かせたままで
日暮らし ....
人知れずサナトリウムで生活し自然と対話する癖がつく
好物のカレーを一晩眠らせる愛する人はカレーに煩い
置き去りに出来ない想い膨らんで空気の抜けた風船になる
野良猫と仲良しになり会話し ....
数か月を一緒に過ごした季節が、けさ帰ったようだ。
挨拶はできなかったが、夜中から荷造りをする音が聞こえていた。
せめて手紙でも置いて行けばいいものを。
寝転がったまま薄目を開けてみると、 ....
チクタクと 刻む鼓動に 震えるのは
一体 何?
深く 物事を 考えるのが 大好きだった
あの頃
酔っ払いの 戯言だって
耳と目を 一緒に閉じても
心まで 締め出すことは なかっ ....
顔が 歪んでゆく
彼女の表情を見て
自分の辛かったときを 思い出した
この傷は もう僕に
何も 語りかけては くれない
夢の中の 大切だった 貴方
今日は 貴方の情報を GE ....
テンポ、
テンポがわるいんだよ、ねぇ、あんた、聞いてる?
あんたが書いた詩 ちょっと声に出してよんでみなよ
いらいらすんだわ
淀んでる
....
彼から、連絡があった。
「今日の、25時半ね。」
手短な言葉のうしろには、幼子の鳴き声。
あたしは、浅岡りか・38歳。いわゆるアラフォー。
彼、29歳。妻子あり。
自宅から通勤するあ ....
額にうっすら汗をかき
小走りで丘を上った17時半
乱れた呼吸を整えると
空と海の間に太陽が落ちて
辺りは瞬間 紺色に染まった
凪いでいた風が
急に冷たい空気を運んでくる
....
ふんわり雲に抱かれたら
ぽかぽかあったかそうだけど
ほんとは凍てつく冷たさだ
騙されるな
氷つぶてを投げつけられるよ
やっぱり抱かれるなら
ふんわりおっぱいの女の子さ
晴れた ....
レモン色のチューリップが
それは雨天のせせらぎであって
顔は飛沫(しぶき)をはじいていたのです
あなたは最初の花ですか
植物図鑑のはじめですか
あなたは「赤」のはずなのに
あなたの夢み ....
ホタテの貝柱は
何故太いか知ってるかい
ホタテは死んだら貝柱を天に伸ばして
天空を支える役目があるんだよ
でもほとんどのホタテは
寿命が来る前に食べられちゃう
だから天空はその ....
未来から届いた手紙には
これ以上ないくらいの幸せが
書かれていた
けれど僕はそれは信じなかった
いや信じられなかった
こんなにも幸せに僕がなるはずがないと
手紙をバ ....
隣の家からの、聞きなれた風鈴の音
ドアをきしませる、
カーテンごしの風
水色と青を混ぜたような空があって
目をとじて、またあけたら
ちゃんと雲はすすんでいる
そこには15年ぶん
年をとった ....
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