君になにかしてやりたいと思うが
今の君には
痛いだけ。
だから
そっと見守ることにするよ
祈りが光となって
大空に響きわたればと思う
やがて君の心に
光がさしこみますように
きっかけはくだらないことだった。
私が楽しみにしていた
高級バニラアイスクリームを食べてしまったのだ。
私「何であのアイス食べたん?!」
彼「えっ?うまそうやったし」
私「そんなんが答え ....
たとえその花が
どんなに綺麗であったとしても
どんなにあなたが好きであったとしても
だれもが知っている
だれもが持っている
どこにでもある花では
だれもあなたらしさが見出せない
人は ....
目はこころの窓っていうけど
窓からみる眺めはいつもと一緒
あたしの気分次第で色を変える
太陽が燦々と降り注いでいても
なんか白々しい感じがして
底抜けの青空のせいで
自分までからっぽに ....
誰かが死ぬ事は慣れていたつもりでいた
どうせ、自分には関係ないと幼い愛に溺れた
君から微かに香る
フェロモン交じりの喘ぎ声
強いアルコールを胃に一気に流し込む様な
熱さが胸を締 ....
夏の僕らに
色をつけるなら、たぶん
それは透けてゆく、ライトブルー
てのひらに載せた水を打ち上げると
はじける あなたの 歓喜、にも似た
飛沫が 止められない光を集めて
虹を降 ....
君の心は黄緑色なので
僕のようなオレンジ色の心とは
似合わない
もともと黄色は同じだったのに
どこでどうしたのか
君は緑と
僕は赤と
混ざっていった
もう黄色をいくら混ぜたとしても ....
冬
白い風が吹く
冷たいがゆえに
人は温もりを感じ
人に温もりを伝える
春
緑の風が吹く
新しいがゆえに
人は命の尊さを感じ
人に命の尊さを伝える
夏
青い風が吹く
活 ....
あの日
君が来てから
僕はこの街が好きになった
どこよりも好きになった
君がいるからだよ
今は
モノが壊れ修理に出せば
直されるのではなく
取り替えられる
しかも悪い部分だけが
取り替えられるのではなく
まとまり全体ごと
抜き取られてしまう
使える部分の方が多いというのに
....
喫茶店の中は
小さなロッジを思わせた
ランプの橙色の明かりは
それでもやはり薄暗くて
カウンター席の後ろでは
まだしまわれていないストーブ
季節に似合わなくても
この店には似合ってい ....
多くの詩が生まれ
同時に多くの詩が消えてゆく
誰にも読まれず
誰にも語られず
誰の心の中にもない詩は
もはや生きていない
生きている詩は
誰かに読まれ
誰かに語られ
誰かの心の中 ....
北の大地では薄荷味の風に
モンスター化した凍りついた樹々
海の向こうではこの時期
湯気を上げているはずの換気口が黙りこくり
狂った季節がピンクの花を咲かしている
バラバラの季節を ....
ここに書かれていることを読んでいる
これが君の現在
そして
ここに書かれていることを認識している
これが君の過去
ここに書かれていることは
まだ何もない
ここに書かれていることは
....
東京と東京のあいだは
やはり
びっしり東京だった
銀色のパチンコ玉で{ルビ犇=ひしめ}いていて
覗き込めば
ひとつ、ひとつ
{ルビ歪=ゆが}んだ顔を映す
冷たい光の反射に
じっと身 ....
農家のおばあさんが
小さな乳母車に載せているのは
自分の畑で育てた花だった
生まれながらにして背が低かった
歳をとり腰も曲がってしまった
それでも車いっぱいに花を積み込んで
今日も花を ....
ちっちゃいころ
わたしのおへやはピアノでいっぱい
わたしのすわるばしょなどなくて
ピアノばっかりおおきなおかお
ひきたいうたなどひとつもないのに
なのにいまは
わたしのこころはピア ....
冬の雨が上がって
しっとりと潤った空気に
小さな蕾が目覚め始める
春と呼ぶにはあまりに早く
陽射が弱々しく届いて
蕾の外側だけがほんのり白く染まる
冷酷な北風には
他愛もない出来 ....
悩みのない生き方は
悩まないことに悩む生き方で
その悩みはきっと
その人を弱くさせてゆく
常に満たされない現実が
次の課題と向かわせ
今日の努力が生まれ
たとえ失敗しても今度こそと
....
もふもふ もふもふ もふもふ
ふわふわ ふわふわ ふわふわ
ころころ ころころ ころころ
ねぇ〜 シロ〜
今日は何して遊ぼっか?
雨に打たれた紙が
ぼくをじっと見つめていた
何の紙なのかは
わからないけれど
何かを言いたい気持ちが
そこにはあった
雨に打たれた紙を
ぼくはそっと見守った
何のためなのかは
わ ....
君の中の炎は
常に形が定まらず
消えることなくむしろ
どんどん燃え盛り
竜巻となって
全身を駆け巡る
その炎はいずれ
君の中の情熱を燃やし
そこから生み出される蒸気によって
君は ....
あたしのスカートの
端っこを切ったのは あなたでしょう?
羽をばたばたさせて 空に浮かぶ
髪が伸びたので あたしは飛べるようになった
まっさらな夜を
あなたの匂いをたよりに飛んで
....
春を誘う様な陽射しを集め
自然の暖かさを肌で感じる
それは君の温もりに似ていた
珈琲の苦さが口の中一杯に広がり
小さな角砂糖を一つ落とす
真っ白なそれは黒に染まり
形がなく ....
あなたはためすように
月を詠むのです
椿の花が落ちる夜に
闇から色を分かてるのか
ためすように
あなたは月を詠むのです
くれなゐは
いつぞの契り
くれなゐは
今わにみ ....
そこに
ひめられたもの を
ちから
と よぶ
だいちの ち
わたしの ち
ちえの ち
ち に ひめられたもの
ち から
うまれでるもの
....
水が流れる
水車が回る
水が回る
僕は僕の血液で回る
風が吹く
風車が回る
風が回る
僕は僕の呼吸で回る
陽が昇る
地球が回る
陽が回る
僕は僕の意志で回る
星が輝 ....
好きなことは好ましいけれど
好きなことをしているだけでは
時間が進んでゆくだけで
自分は進んでゆかない
楽しいことは楽だけど
楽しいことだけをしているだけでは
身体が進んでゆくだけで
....
人は
他人の幸せはよく見えて
自分の幸せはよく見えない
もしかしたら
他人よりもずっと幸せなのかもしれない
だから
自分が愛する人を
自分よりも幸せにすることが
自分を幸せにするこ ....
えのぐのあじがする
と、遠ざけられた皿には
白いドレッシングのかかった
シーザーサラダが
盛られたかたちのままだ
野菜も食べないと大きくなれません
と云われて
娘はふくれている
....
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