彼方からの気流にのって 届いたそれを
あのひとは
夏だと言った
わたしにとって
わたしの知らない、どこか
遠い場所で あのひとが
笑ったり、泣いたり、しているということは
あ ....
ベランダに出れば灰色の空が明るく色付く
何処から現れた一匹の鴉に餌をあげる
近所では餌をあげるな
と、注意を受けた
そのために誰も起きていない時間を選んだ
まだ、電車も走ってな ....
アイスキャンディーで
当たりが出て欲しいけれど
恥ずかしくって
お店で交換なんてできないな
携帯電話で写真を撮って
思い出にしてしまおう
ああ
夢のない
大人になってし ....
僕の部屋から見える窓の景色は
一回も同じ景色になったことはない
いつも変わり続ける
そう僕の心のように
ある時は朝日がさんさんと照りつける
爽やかな景色が拡がる
ま ....
殺風景な商店街を抜けて
五分ぐらい歩くと謙遜な{ルビ都会=ビル}が其処に在る
僕を手の届かない高い所から見下ろす
その度に少しだけ背伸びをして届こうと頑張った
お昼ご飯は外で五百円以内で済 ....
午後の陽射しがビルに反射して
僕の全身をくまなく照らす
焼け付くアスファルトの上を上手に歩く
日陰だけを探して帰る小学生
公園ではブランコが哀しく揺れている
作りぱなっしの砂の ....
?.
(じーっとお空を見上げている
僕の屹立)
寝過ごして
宿酔で
テラスにでて
サボテンと一緒に
太陽をあびて
歯
磨いていたら
人前で裸になることは
特 ....
ずっと遠くの方を、
水平線が見たかったのに
空との区切りがよくわからない
から
少しだけ背中を丸めた
薄い水色のワンピースから
覗く白い腕が
夏には似合わない
から
ただ黙っ ....
美しいターニャご自慢のおへそ
モンテヴェルディーの宗教音楽のようだ
禁欲的であり
パンクロックのようでもある
敢えて言うと
退廃的というよりは
健康的だ
忘れられない
20 ....
暗いモリの中で僕は
ひとりで迷子になってた
どこに行くのかわからない
いったどこに向かう?
教えてよ神様
何で僕だけこんな目に遭うの?
分からないまま歩く
足 ....
思い出は
あの貝殻の中に
封じておきました
想い出は
あの海の下に
沈めておきました
車窓から覗いた景色は
にじむようにゆれていた
雨粒に濡れる蜘蛛の巣
行き交う車のワイパーは
静かに動いている
食べ残しのとうもろこしを卓に見
私は夏の訪れにについて
思いを巡らす
齢を重ねても
全く同じ夏は来ない
ただその ....
窓に
張りついた夏、
グラスの中で氷が
音もなく溶けていく午後
少し薄まったアイスコーヒー
にミルクを少し加える
ゆっくりと拡散していく、
ゆっくりと沈殿していく、
夏。
あの頃 ....
青々しく若葉が{ルビ萌=もゆ}る
初夏の凛とした姿に眩暈を覚えて
倒れこむ様に入った
喫茶店
働いている人は全部で二人
十代半ばと二十代半ば
珈琲は飲めないから紅茶を頼む ....
ブルーチップの青いリスは
目を離すと、すぐに増殖して
ガマ口をはみ出してしまうから
台紙にきちんと貼りつけなければいけなかった
母は台紙をもらってくれると約束をしたのに
永遠と立ち話をやめや ....
わっしっし うっしっし
三拍子のリズム、灰色の空、優雅に
ワルツのステップ踏んで
雷様のお通りだい
のっしっし うっしっし
梅雨空を掻き回し
大地に吠えろ
ゴロゴロゴロガ ....
パズルあるいは心象風景
つつじヶ丘 SSRI 調布
レスリン 団地 コントミン
野川
世田谷 デパス 下北沢
トランキライザー 代田 成城 鬱病
ハルシオン 仙川 ....
ねぇ 葵さん
どうして、日常はコラージュなの?
誰かと誰かを一部だけ繋いで
今日を生きていくの・・・
それでも、良いの?
僕ら大きなジグゾーパズル
一人でも欠けたら絵は ....
?.
ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ
あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
失敗と挫折の繰り返し
カセットテープにやきこんだ
子どもの頃の無邪気な声は
もう聞けなくなっていた
ライトアップされてる
季節はずれのクリスマスツリーは
むなしく光 ....
灰色の空から零れ落ちる
一つ二つと数えられないほどに
アスファルトの上
ビニール傘の上
少し冷めた珈琲を一口
苦味が口の中から浸透して
全身に伝う
角砂糖を二つ入れると ....
どこまでも続くこのみち駆け抜けて旗をかかげて名を刻もう
秋桜のにあう あなたなのに
秋のそらより 夏のそら
あんなに 機嫌がよかったのに
とつぜん あめがふったり かみなりなったり
くるくるまわる ぐるぐるかわる
でも そ ....
初夏の暑さが永い眠りから目を醒まし
地上暮らしの人々を焦がす
赤や黄色のピーマンが八百屋に並び
肉屋さんでは安く国産牛が売られている
こんやはかれーにしよう
と、母は娘 ....
誰もいない放課後の学校で
光り輝く廊下の先の
太陽が差し込む窓から
僕は身を乗り出して
野球部の練習風景を
ぼんやり見てるだけ
汗水流してただボールに
向かっ ....
材料
200mlくらいの牛乳と100gのポッテリバター
間をとって150gの小麦粉と
砂糖は80g 控えめでいいんじゃない
苺 かわいいだけじゃだめね
卵は2個 どっちかっつーとMがいい
....
むせかえる 肌の匂いで 妄想す
うなぎより 冷麺よりも かきごおり(苺)
いい年の 君のうなじに あせもでき
束の間の 癒しの時間 雨宿り
花細工 萎びてもなお 花細工
....
海を見たことがなかった
見え隠れする光
あれがそうだ、と無骨な指で示された海は
たいして青くなかった、が
軽トラックが、ギシギシとカーブを曲がるたび
輝きを探して、車窓にしがみついた
....
午前三時を時計の針は少し過ぎる
雨の音が雨戸を叩き
一人身の僕を起こす
「遅刻しないように」と余計なお世話してくれます
目覚めは少し不快だけど心地良さも在る
六時に遅刻寸前で起きるのとは ....
掘り起こす時が来たわ
足の裏で確かめて
指の腹で確かめて
なぞるような舌先で
油性の部屋を突っきって進め
ババロアの肌に噛みつけ
噛み砕け青い味
強くて固い蜂蜜だなんて
い ....
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