パパが死んだ朝

 私は友達と映画に行きました

 王子さまとお姫さまが

 恋をするロマンチックなお話

 胸をときめかせて

 映像に魅入られて

 パパのこと忘れて ....
珍しくもない空

ただの夕方





セーターを突き抜ける秋風



それが

あたしを揺らがせた


綺麗だと思ってしまった



頭上に掲げた携帯

切り取ってしまった


笑えるくらい

あた ....
 叫べ!

 怒れ!

 腹の奥底に隠し持っている

 その塊を

 今こそ弾き出せ


 嘘もたてまえもかわいさも

 剥ぎ取って

 己に生きよ


 何を ....
 かわいそうなかわいそうな

 つばめ

 苦しくても悲しくても

 飛ばなければいけない


 空は遥かに広く

 未来を彩るその色は

 淀んでいる


 海は ....
 ぽつぽつと木の葉に落ちる雨の雫よ

 誰が泣いているのか


 天神か

 窓辺に寄り添う乙女か


 そんなにわたしが憎いのか

 そんなにわたしが許せぬのか


 ....
 てんてんてんまり  てんてまり

 一つに父死んで  二つで母死んで

 三つで兄死んで  四つに姉が死ぬ

 五つに弟死んで  六つで妹死んで

 七つで赤ん坊死んで  八つに ....
 今を生きている青年よ

 羽ばたくがよい


 その大きな翼でもって

 夢に向かって真直ぐに


 私はただ見守ることしか

 できないけれど


 それでも願う ....
 遠い  遠い

 ギリシャのイカロス

 蝋で作った重たい翼

 太陽の熱で溶けて

 あわれ  イカロス

 まっさかさま


 昔  昔

 ギリシャのイカロス ....
 秋の夜長

 月の野原

 さやさやと風に

 揺れるすすき


 鈴虫の声が

 哀愁を誘う

 星の煌きで

 野原いっぱいの

 すすきが踊り出す

 ....
 あいつはかぶれちまったのさ

 「西洋」という名の偽りに


 自分の意志を持たず

 ただアメリカの傘の下に

 雨を凌いで丸くなって


 その姿が滑稽であるなんて
 ....
{引用=既に知っていることをまた
振り返って
つまらないことと思い直す
夢は夢
胸に灯された光は
なんだったのか}

キンモクセイの季節と人は云う
小道の角を曲がる時感じた匂いを
記 ....
なぜかラッキョが無性に食べたくなって
ラッキョ探しの旅にでた

町を捨てよ、うちに隠ろう
そんな兆しに敢えて逆らってみようと
チャリで走る四谷四丁目交差点
ふと見上げれば鷲ならぬ天使の舞い ....
ここまで 好きになるなんて

思ってもみなかった

あたしらくらいの年齢によくある

《恋に恋してる》

状態だろうと

たかをくくってた


だけど ちゃうかったね

 ....
どこか信じてた
どこか疑ってた


でも


なにもかも
おしまい




どこまでも信じてた
再起を願ってた


でも


繋いだ手は
 ....
(影のない犬って知ってる?
(え、知らない、何それ?
(ほら、見てごらん


そう言って指さしたのは
真っ暗な空を
黒いことをより強調させるように
輝くひとつの星
その上に
オリオ ....
朝食を済ませ 僕は 食器を片付ける間もなく
ランドセルを背負って 行ってきます
行ってきます!

今日鮭が死んだ
稲だいぶ前に刈り取られた
大豆はぐちゃぐちゃ
豆腐は風呂上がり

そ ....
 遠い遠い昔

 私は鳥になりたかった

 広大な草原を

 海原を

 大きな翼でもって

 眺めていたかった


 ゆっくりと  ゆっくりと

 ゆらり  ゆらり ....
 街が眠りについたらゆこう

 銀の小舟で夜の街を

 抜け出そう


 赤い花びらも

 青い花びらも

 いらない


 冒険しにゆこう

 ただ夢を求めて
 ....
ぼくは今の時代に

 生まれ堕ちた

 現代っ子


 哀しくなるから

 ニュースは見ない

 辛くなるからクラスメートが

 いじめられているのも無視するんだ

 ....
旬が過ぎたということなんだろうか
ついに
私にもカビが生えた

このまま眠り続けたら
私はカビに覆いつくされるんだろう
何色のカビ
真っ黒いカビ
みどり色のカビ
綿毛みたいなカビ
 ....
愛の重みなんて
まだ分からない

それでもただ
君を守りたい
闇の中に棲んでいた

私にとって

貴方は 

唯一見ることの出来る

光だった



死ぬことが幸福

そう信じてた私


生きることは痛み

そう思ってた私
 ....
正しいのかと問い続けて
二十一回目の秋を見た
中途半端な悲しみを捻り出して食べてみる
それは嘘になって
よこしまな水は皮膚の裏まで暗く染め抜く

あゝ追憶よ、汚さぬように汚してしまわぬよう ....
僕は弱いんだ。




そう言って助けを求める強さがあれば
きっともっと楽になれるのに



私は弱いの。

そういって泣き崩れられる君のほうが
きっとどんなに強いことか
 ....
私の頬についた
大きな大きな
キスマーク

冬の花火を
震えながら見ていた
屋上のベンチ

恥ずかしがり屋の貴方が
私につけた
俺専用って印


あざか怪我かと間違うくらいの ....
    (わたしは秋
     枯れゆく落ち葉のしたで
     春の夢を待ち焦がれている)



北国の夏はぬるい
日焼けした肌
汗臭いTシャツ
サングラス
海と空がひと ....
いけない いけない
悪いクセ

いつのまにか気付かずにまた

ほうらまわりを見てごらん
誰も居ない


心に鍵がかかってる

空気穴さえ見当たらない


ほうらまわりを見て ....
君はいつも高みを目指して
私はそれに応えられず

空の路にはぞろぞろと
人の行列、先頭は君

次の星を目指すのだ
眠りについたこの星をすてて
豊かな緑を目指して歩く

空の路には人 ....
秋風が部屋に入ってくる

ひらひらと

ちょっぴり寒い秋の風

でも
なんだか落ち着くんだ

春のように

包み込んでくれそうな
風じゃ無いけど

でも落ち着くんだ

 ....
伸びきった髪を
バリカンで刈るような作業
稲刈り後の田んぼは
すっきりとしていて
その清々しさが
秋の空気を絹のようにする


***


新米は少し水を少なくして炊く
十代の ....
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