耳を澄ます
君の声が聞きたくて
優しい眠りから覚めたくて
大きなあくびした
君の潤んだ目を見てたら
不意にかみしめた
二人だけの幸せ
朝色のコーヒーには
ミルクを何杯入れるの? ....
もやもやとココロうずき。
タバコやめたいなと吸いながら熟考す。
現状を変えるとは自分が変わることか。
空の青さに訳なんてないのに。
もやもやとココロうずき ....
あなた、セロリの透明なきりくちに
恋をしたことはあって?
栗いろの瞳
かきあげる仕草
車椅子の少女は
細すぎる膝を斜めにそろえて
やさしい朝のふりつもる ....
あの頃は、人と一色単にされるのを嫌がってたじゃん。
最近の若者はって言う大人に、疑問を持ってたじゃん。
なのに、どうしちゃったの?
昨日の夜、君は電話でこう言った、
「おまえって何キャラ? ....
お月さん
震えていなさる
今宵の風はあんまりじゃ
空が空っぽになってござる
塵ひとつ とんと見当たらぬ
裸で ぽつんと
一人でいなさる
地上に降りて来れたら ....
落ちてく 落ちてく
紅葉
落ちてく
堕ちてく 堕ちてく
あんたに
堕ちてく
すき スキ 好き
あいしてる アイシテル 愛してる
....
寒い空気が時を包むようになった
帰る途中に嫌でも見る 茶色くなった秋桜
真赤な枯葉の間にうなだれた
みすぼらしいその花を
私はじっと見つめてた
はら はら はら はら ....
秋の空から声が聞こえてくる
そろそろ交代だね
気が早いね
もう少しいるよ
今年もがんばったね
まあね
白く塗るのがもったいないね
今年はがんばれたよ
....
現実逃避する僕の影の中を這いずる
暗いくらいスネークなど形だけすらなかった
わかっているハズだったのに
体が火照るだけの感情を
押さえきれず心は砕け散った
エン ....
母さん あの青い鳥 緑の小鳥は一体何を探して飛ぶの?
……それは坊や 鳥はあの青い空の そのまた下の青い空の中
仕舞い込まれた宝物を毎日かいさぐって飛んでいるのよ
母さ ....
少年ピエロがやってきて
今日もステージが始まるよ
ひとりぼっちは さようなら
空間を共有するんだ
ジャグリングにパントマイム
火とかも噴いちゃってさ
客もそこそこ集まっちゃってさ
....
空の青さが遠くなる
秋の朝
それは同時に
山の芸術が近くなる
空の光が白くなる
秋の昼
それは同時に
山の葉が輝く
空の光が赤くなる
秋の夕暮れ
それは同時に
山が休むあ ....
今
私が学校に向かおうとする時
私と同じような誰かが
学校から帰ってくる
一人ぼっちで泣いている
仲良しの友達と遊んでいる
口げんかしている
夕ご飯を食べてテレビを観ている
飢えに ....
ある日
少年の中に
戦争が充満する
少年の中に
潮騒が充満する
少年の中に
愛情が充満する
少年の中に
故郷が充満する
ある日
少年の中に
憎悪が充満 ....
目の前に広がっているこの海を
神秘的という言葉で片付ける
向こう側の世界なんて
想像する事しかできないから
こちら側では
とても小さな世界があって
誰が望んでいなくても
救いようもな ....
駅前の寂れた広場
少年がギター片手に
この世の終わりを歌っている
死んだ魚の目をしている
完全だろうが不完全だろうが
事態はすでに起こっていて
動いていて生まれては無くなっていて
....
僕の恋人は、すっごく優しいんだ。
でね、彼女とはまるで夫婦なんだよ。
だって
僕がお腹空いたら、ご飯をくれるし。
でも、彼女が寂しそうにしてたら、僕が慰めてあげるんだ。
僕が ....
両手のひらに
こっそり書いた「冷」の文字
僕は忘れん坊だから
冷え性対策の頁を見てたから
布団からはみだした足先が
とっても冷たかったから
今日は帰りに
ちょっと入りづらいあの店で
....
ぶんっ
  
風がさそう夜は
目が潰れるほどに 
 眩しく 暗い
銀に輝く夜が
ぶんっ
  
視線をすい ....
君の寝ている隙に
本を開いてしまったよ
手のひらと同じくらいの大きさの
くたびれた表紙
真ん中より後に挟まれた栞
海の色をしている
波の音が聞こえそうで
耳を澄ませば
君の静かな寝息
....
こんなおかしな話があるもんか
あなたはいつもそうやって
だからわたし
あなたの偽物ショッピング
この腕だぁれ?
本物みたい
この声なぁに?
本物みたい
睫毛だってね
....
シャッターの閉まった古本屋を横目で見る
薄汚れた窓ガラス越しに部屋を見る
手持ち無沙汰の棚が何かを語りかけてくるようで
僕は静かに瞼を閉じた
名前もない野良猫が目の前を横切った
首には小 ....
覚えている?
遠い遠いあの昔
あなたもわたしも 一人残らず
(胸を張っても良いわ) 皆裸のビーナスだった
つんと澄ましたそよ風とお気に召すまま たむろして
竹やぶの中を心は解け 駆けて行った ....
ラジオをつけると
聞いたことのある曲が流れていて
愛とか希望とか自由とか
そういったことを叫んでいた
壁に掛けてある絵は
何の絵であるのか解らなかった
右下の隅に小さな文字で
ユリネ ....
うたたね ひつじたち
はる の あったかさ
ひるさがりに
まくらのしたから うまれて
ばんごはんのじかんに
また かえってくる
みどりのにおいの かぜに のって
ふうけいを ....
高速道路の横で
光ネオンに包まれうたた寝している
行き交う車をかすりながら
ゆっくりと歩き出す
飛び立つ鶴の群
湖には立ち止まるほど遠くにじむ
髑髏のパ ....
ある夜のことだった。
僕の家に、闇色のコートを着たあの{ルビ娘=こ}が来たのは。
彼女の歳は、僕とあまり変わらないような気がした。
僕はホットココアを渡すと、彼女の手に握らせた。
「あ ....
遠くで犬が吠えている
冷たい雨が降り続く中で傘も差さずに
僕は何処に向かう訳でもなく歩く
季節外れの桜は花弁の代わりに葉を落とす
認めずに生きようとする自分の愚かさに気づく ....
このアパートに住み着いている猫の話では
世界はすでに終わってしまったらしい
猫は目を細めて悲しそうにしているが
世界がいつ始まったのかまでは教えてくれなかった
仕方がないさ、と猫は言う
....
電車に揺られて
ちゃんと見えない景色
この電車は
終点に着けば
もう一度
同じ線路を走る
あの駅で
降りるはずだったけど
もう
次の駅を降りる気もしないや
昨日は
もうやって ....
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