雨音の創意は多分、
創痍に似た額装


明日以前を水平移動する
僕の為に



背中から
刺してくれ






部屋に
飴色を敷きつめ


古いレコードに
針をおとして
遠い記憶

あのひとが
言ってくれたコトバ

キミの存在価値は
ボクが認めるって

信じよう

覚えておこう


このそらの下に
あのひともいる


もう二度と
会えなくても
朝露に濡れた蜘蛛の巣が、日の力を借りて宝石の塊へと変わる瞬間。

光の粒は眩しそうにまばたいた。

ポロポロ零れ落ちないで。
優しく包むからどこかへ行かないで。

そっと触れてギュッとつ ....
ねずみ色のコンクリートが暗く染まる
何か落としものがあったような気がして
歩いて来た道を右から振り返ってみた
つうつうと機械的に落ちるさみだれ

庭に投げられっぱなしの花切り鋏は
いつから ....
日長の夕暮れ
優しい風が吹いている
すやすや

泊まり木の 揺れる
若葉は しっとり
シロツメの葉に ひしゃく星の

ぽつり
かんだかい悲鳴で目が覚める

でもそれはちがかった

醒めたのは覚醒の産声

もう後ろには下がることが

できなかった

今まですれ違った人達は

世界の何%だろうか

今 ....
「また話そう」

あなたの背中に虚しく響く。

またはあるのか。
その日は来るのか。


もう、来ない気がする。
大騒ぎしていた隣の部屋の大学生も
煙を撒き散らしていたスポーツカーも
凛と顔を上げていた向日葵も
みんなみんな、眠ってしまった

ベランダから両足を突き出して
ぶらぶらと泳がせて笑ってみる ....
無印で働いてるような彼氏がほしい

英語がもっとしゃべれるようになりたい


体の仕組みを詳しく知りたい


もっとスラッとしてたらいいのに


全部全部ないものねだり。足りない ....
深紅のイチョウが

月夜の湖に鮮やかな

色彩を描き出す

底の見えない水溜まりに

興味本意に足を突っ込む

そのまままっさかさまに

落ちていずれ反対側にたどり着く

 ....
おろしたての石けん。
あわあわでいい匂い。

整体に行くたびに湿布をぺたんと貼ってもらうけど、これがなかなかにして強烈で。

はがした後も大分スースーする。

お湯をかけたらね、もっとス ....
ただその一言を伝えたくて

果てしない道を越え

あなたに会いに行くよ
手を引かれ歩く。
懐かしい匂いのする君
その面影は記憶の水底
私が潜水夫になって強く握り返すと
つないだ手には水たまりができて
空の色を映す。


薄暗い緑の茂みの奥までくると
 ....
はじめて母親のお手伝いをした日
食卓には不格好なハンバーグが並んだ
焼きすぎてかさかさになったそれをかじり
父親はくしゃくしゃ頭を撫でてくれた

求めていないとは言わないけれど
ただ、とっ ....
その日
彼も私も
過去を引きずっていた。
彼は寂しさを紛らわす相手が欲しいと言った。

私は名乗り出た。
彼は驚いているだろうか。

心臓が暴れている!体中が熱くなっていく!震える手に ....
砂浜に続く小さな花に
潮風が囁けば


あの日の
僕らのはしゃぐ声が

遠く、

残響していて




ふいに、

よせる波が
すべてを打ち消した

 ....
夜桜がきらびやかに

うすい光のなかで

景色を染めていた

咲くから散るのか

散るから咲くのか

いずれにして儚い物は

うつくしかった

爪先立ちした兎は

背伸 ....
どんなにダメダメでも
ダメじゃないよ。大丈夫だよ。そんな日もあるよって言ってくれる。

ありがとう。そばにいてくれて良かった。大好きなんだな。
キミのあいさつは
風が頬をなでるみたいで

キミの哀しい歌は
心の奥で優しく響いて

キミの世界には
朝露のひとしずくにも光があふれてた

風がやんで
歌もやんで
静まり ....
すうっと堕ちていくような感覚と
鈍いしびれがあるという
それでいて苦痛ではないらしい

幼なじみのあの子も
隣の席の委員長も
さらにはわたしのママまで
患ったことがあるらしい

大人 ....
言葉の羅列に侵されてく
そんな瞬間の私

怯えるように痛みの先を舐めて
舌の先に灯った芳香に焦がれた
貴方の瞳が夜明け色なら
私の瞳は最果てを映してた

言わないで口を紡いでて
綺麗 ....
これからもきみが好き!
って叫ぶわたしに笑ったきみ
俺もずっと好き!
って嘘でも
信じてたんだよ
バカみたいに
ひたすら

きみを

あなただけを
愛しますと
天国のおじいちゃ ....
夏のにおいがした気がして
夜のカーテンを翻す

ヒタヒタ星が汗かいて
慌てたカエルがもがいている

梅雨はまだ来ないのに
あのコはかっぱを毎日着ている

彼はやじろべえ
あっちにぽ ....
                 

 {引用=つかめない キミの正体 月と知り 浅い夢に まどろむ夕暮れ
              
               
       ....
季節のしるしを見つけたくて
うろうろと瞳を泳がせ歩いていたら
夢とうつつの小さなすき間に
足をとられて転んでしまった

うつぶせで顔を伏せたまま
両手をありったけ広げてみる
土の匂いが身 ....
僕ら互いに理解できず

すりきった体は

紅く染まっていたよ

わからないから手を離す

分かりあいたいから手をつかむ

僕はどこにいる?

さぁどこだ

今いる過去の渦の ....
緑さえて

花もえて

光こたえる




音きえて

時たえて

心ふるえる






君にあえて

君にあえて
ふわり

ゆらり


傷ついた羽で



ふうわり

ゆうらり



悲しみに暮れる
手のひらで



ひととき、休んで





そして、
 ....
熱い生成りのロウで封をした
真っ黒の布をかけて見えなくして
夜みたいな部屋に投げ捨てていた
そんな忘れかけていたものが

ふとした、はずみで
なが、れる。

止める事なんて出来るはずも ....
砂浜を撫でる乾いた風が
肺から循環する
感傷の毒を洗い流し
ただ瞬間だけを咲かせる

吐く息はいつも
黄痰に鎖を繋がれ
夢の欠片も存在しない

一本の座標軸に
流され惑わされながら ....
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