白い仔
森の猫

息も凍る 寒い夕
その仔は

少し積もった 雪の上に
ちょっこり乗って
ふるえていた

雪よりもグレーがかっている
もう
鳴くチカラさえなえている

そっと
手につつんだ

ぶるぶると
ふるえがつたわってくる

ブルーとグレーの瞳
幸運のオッド・アイ

  どこからきたの?
  おちびちゃん

ミィの声も出ない

かわりに
あたしにすり寄ってくる

コートの
胸元に入れる

あたしは
迷わず部屋に行き

あったかい
タオルでぬれた
小さな仔を
ふいてあげる

ペロペロ
なめている

さらに
乾くと

その仔は
純白の産毛を
あらわした

なんてキレイなんだろう・・・

ゆき?雪の精?

  ゆきちゃん

そう名づけて
4年がたった

今日も
雪が降っている

ゆきちゃんは
ブルーと金の瞳になり

リビングのエアコンの下で
長くふわふわの
しっぽを
まるめて

まどろんでいる

幸運の仔
白い雪の猫


自由詩 白い仔 Copyright 森の猫 2011-02-06 23:42:04
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