縁日の知らせを笛太鼓が告げる
心底に響く懐かしいメロディー
思い出す思い出に花を咲かし
酒の肴にする
最近の子供は金魚掬いを知らないだろう
と、飲み屋の親父はそんなことを呟き
串揚 ....
思い出せない人
どうやって
思い出せない人
思い出せる?
思い出せない人
目を伏せたまま
思い出せない人
わたしに話した
つねって
振り回せば?
からっぽの体で ....
広大な夜空の万華鏡
瞬く間に移り変わる
世界の姿は明日と今日では何も変わらないけど
数百年単位や数千年の単位で少しだけ成長している
打ち寄せる波
浚われる砂
帰らない人
心の ....
黒色の雪がヒラヒラ舞い落ちる
それに合わせてリズムをとるぼく
ブランコにのりながら遠くまで飛ばした
靴は雲の中に突き刺さり落ちてこないよ
ぼんやり光っている電灯に夜蝶が ....
ちっぽけな わたし
だれも みていない
それでも わたし
ここに いるの
ないて いるの
わらって いるの
おもって いるの
いきて いるの
....
初夏の雫を集めた、里芋の
透明な葉脈の裏側で
夏風の子が
小さな産声をあげる
まだ、うまく飛べない
棚田の{ルビ畦=あぜ}に沿って
緩やかな曲線を描くと
早苗に浮かぶ蛙が
水かきを ....
光る
ざわめく
お前を
連れ出す
打たれる
二人で
稲妻
はぜる
当たるぜ
俺たち
そんな
ひどい
あたった
ためしが
ないのよ
宝くじ
....
誰かに理解してもらおうなんて思いたくない
そんな事を考えて数年が経つ
共に過した月日に傍に在るのは治らない病
例えば、「おやすみ」と言って欲しいと頼む
そしたら誰かは「おやすみ」と ....
たった一人を満足させるために
君は不自由な生活をする
寝不足と二日酔い
時間と比例して蓄積していく
両手一杯の雪の華
自分の手の温もりで
溶けて、さぁ...
哀しいけど生きている
....
今日も俺は外に憧れている
教室の外に確実に在る自由
犬の散歩をする老人
手の届かない高い所を飛ぶ鴉
クダラナイ授業と堅苦しい校則
僕を縛り付けるにはどちら一つで十分だろう
反抗 ....
薄暗い理科室には真っ黒な机が並んでいて
白衣の教師は訥々と…
橙の柔らかい光を放つ豆電球を見つめる
とても明るく
少女と目が合わぬように
見つめる
そして思い出す
暗い部屋にポツンと浮か ....
豊かなだけの想像力なんか俺はいらない
そう思いながら自転車専用の真っ赤な道を歩いていたら
後ろから
すけぼーで
いかついリーゼントのお姉さんが
ざっ
と通り過ぎた
首筋には漢字で ....
君のオルゴールは静かに音色を響かす
今まで聴いた事の在る音の中でも存在感が合った
君は決意に満ちた顔
迷いと運命を受け入れた様な顔
昨日の切ない横顔の面影はない
手紙を読んでくれたん ....
絵はがきみたいな花丸正しい夏休みには
入道雲と蝉の声と蒼い海の三点セット
空と大地をパッキリと分ける入道雲は
どこまでも大きくまっしろで
桃源郷までいける螺旋階段を隠す
蝉はサイレン ....
昨日のアルコールが抜けていなくて
頭痛と吐き気を催す目覚めになった
ポストに足を運び新聞を取りに行く
ひらり、と舞った
茶封筒
君の決意が其処に書かれていた
{引用=
昔から ....
僕は僕それいがいなんでもない
僕の鎖で絡まれた心は矛先は
常に君の方向を示している
君は僕のことなんか一つも知らないけど
僕は君のことならなんでも知ってるつもりだよ
偶然 ....
休みだからと昼間で寝むれる
と、夜更かしをした
そのために目覚めたら頭痛がして
さらに眠りに付いた
同窓会の予定が数週間前に届いていた
そんなことを思い出して手紙を探す
約束の日取りは ....
自分の信用の分だけ渡された仕事
自分で築いた
信用と言う建築物
一つの柱が壊れてたら他の柱に負荷がかかり
簡単に全てが壊れてしまうだろう
実体の無いものだからこそ
儚くて切なくて
ラ ....
昨日の予告通りの日程をこなす
文句を言わずに外回りをしている
「暑い」とも口にせずに
灰色の{ルビ地面=アスファルト}を歩いている
昼食はいつもと同じコンビニ弁当で390円
その重みを僕 ....
N・Kに
魚がいる
魚についばまれている
ちいさな
魚たちに
僕は部屋 ....
明日の花火大会の知らせがコンビニの壁に貼られていた
家からそれほど遠くないけど行く気がしない
それは単純に仕事の疲れなのかな?
社会人という存在だからなのだろうか・・・
数年前の大学時代
....
彼方からの気流にのって 届いたそれを
あのひとは
夏だと言った
わたしにとって
わたしの知らない、どこか
遠い場所で あのひとが
笑ったり、泣いたり、しているということは
あ ....
ベランダに出れば灰色の空が明るく色付く
何処から現れた一匹の鴉に餌をあげる
近所では餌をあげるな
と、注意を受けた
そのために誰も起きていない時間を選んだ
まだ、電車も走ってな ....
アイスキャンディーで
当たりが出て欲しいけれど
恥ずかしくって
お店で交換なんてできないな
携帯電話で写真を撮って
思い出にしてしまおう
ああ
夢のない
大人になってし ....
僕の部屋から見える窓の景色は
一回も同じ景色になったことはない
いつも変わり続ける
そう僕の心のように
ある時は朝日がさんさんと照りつける
爽やかな景色が拡がる
ま ....
殺風景な商店街を抜けて
五分ぐらい歩くと謙遜な{ルビ都会=ビル}が其処に在る
僕を手の届かない高い所から見下ろす
その度に少しだけ背伸びをして届こうと頑張った
お昼ご飯は外で五百円以内で済 ....
午後の陽射しがビルに反射して
僕の全身をくまなく照らす
焼け付くアスファルトの上を上手に歩く
日陰だけを探して帰る小学生
公園ではブランコが哀しく揺れている
作りぱなっしの砂の ....
?.
(じーっとお空を見上げている
僕の屹立)
寝過ごして
宿酔で
テラスにでて
サボテンと一緒に
太陽をあびて
歯
磨いていたら
人前で裸になることは
特 ....
ずっと遠くの方を、
水平線が見たかったのに
空との区切りがよくわからない
から
少しだけ背中を丸めた
薄い水色のワンピースから
覗く白い腕が
夏には似合わない
から
ただ黙っ ....
美しいターニャご自慢のおへそ
モンテヴェルディーの宗教音楽のようだ
禁欲的であり
パンクロックのようでもある
敢えて言うと
退廃的というよりは
健康的だ
忘れられない
20 ....
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