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青く光る水槽に逆さまに泳ぐ魚
聞こえるのは酸素の音。
ずっと一人で魚を見ていた。
この水族館には人がいないから
あなたもいないから。
生きているモノもいないから。
なぜ私はここ ....
ビルが並ぶ世界に
酔ってしまった僕は
向日葵に魅せられ現実の世界に戻ってきた
首を垂れて
太陽を見ようとしない向日葵はどこか僕に似ていたんだ
そう
現実から逃げ続けている僕に
....
大勢の生物が暮らす
青い地球に
あまりにも僕は小さくて
何だか悲しかった
きっと
僕が息を殺しても
誰にも気付かれず
静かに目を閉じるんだろう
悪夢を見た長い夜も
正 ....
鮮やかな色を
失った僕に残ったのは
大きな影だった
伸びる影は尻尾みたいに
僕についてきて
いつの間にか形を失い
まるで流れ星みたいに
黒い彗星のように
夕日に向けて姿を消した ....
暗く恐ろしい海に
僕の酸素が
消えていくのが見えた
目を光らせて
出口を探しても
見つからないんだ
いつまで此処にいればいい?
どれだけ此処にいればいい?
光はいつ見えるの ....
僕は何も知らなくて
僕は何も覚えられない
そんな僕は
周りから捨てられ
見放されてしまった
僕は
力が欲しかった
物を覚えられる力
何かを知る力
そして手に入れた ....
人は
他人に与えた影響が
どれほどのものか
人は
知らない
空を見上げれば
自由に空を飛ぶ大人達が
遠くへ 遠くへと
姿を消していく
飛び方も
生き方も
僕は知らなさすぎて
飛び立つことはまだまだ先だと
辛いことを
たくさん乗 ....
朝露が滴る蜘蛛の巣に
不思議な世界が見えたような気がして
顔を覗かせると君が居た気がした
「会いたい」と声を出すと
美しい蜘蛛の巣が僕の声を
一文字一文字絡め捕り
現実の世界に言葉 ....
白い街に灰が積り
君の姿を見失ってしまった
壊れた棚の中にある
透明な器に君が映り
追いかけても追いかけても
君には追いつけない
息を切らせて顔をあげると
鏡に映った ....
冷たく大きな手を離すと
冷たい雪は溶け始め
温かい雨が降り出した
雪が溶けるとはしゃぐ君は
クルクルと回って
「もうすぐ春だね」と
残酷な言葉を吐き
「早く来るといいね」と
嘘の言 ....
真っ白な顔に
赤い唇
派手な衣装を身に纏い
彼は誰かに楽しんで欲しかった
彼は誰かに笑って欲しかった
彼はあの子の笑顔が見たかった
でもピエロは少しずつ
透明に
誰にも ....
1月31日
今から20年前に
母は泣きながら私を産みました
3600gの大きな私は
母を苦しめたそうです
父が家に帰った瞬間に
私は生まれたので
父は立ち会えなかったそう ....
白いヒーローは気まぐれ
ふらふらと
何処かへ出かけたと思うと
いつの間にか帰ってきている
白いヒーローはわがまま
もぐもぐと
ご飯をお腹いっぱい食べたかと思うと
「おかわ ....
空に浮かべるは白い息
冬の寒さは私の
感覚を
動きを
感情を
麻痺させる
降り続ける雪はあなたへの
道を
心を
塞いでしまう
降り続ける雪は ....
今日も誰かが僕を見た
「キレイだね」と心ない言葉を吐いて
誰かは街へと消えていく
僕はキレイじゃない
生きているだけだ
汚い空気を吸って
キレイな空気を吐いていく
僕は今 ....