ため息
小川麻由美

ため息よ
消え去ってくれないか
私を煩わせるものたちの
絶好の餌となり
増幅させてしまうではないか
煩わされるなんてまっぴらだ
早々に立ち入り禁止区域から
立ち退いてくれ

私の体は鉛となり
ベッドに食い込んでいく
それ以上沈み込む
恐怖から逃れるために
無理やりベッドから逃げ出す
深呼吸を繰り返す
過呼吸にならないように
細心の注意を払う

あざのようになった煩わしさは
見るたびに形を変えている
数も増えたようだ
ぞっとした私は
そのあざが見えないように
目をそむける
だが再度ため息の
ループに入り込む


自由詩 ため息 Copyright 小川麻由美 2010-06-07 05:53:41
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