すべてのおすすめ
契約社員の給料は安い
だからアルバイトも必用になる
午前四時前 朝刊配達に出かけると
山のふもとの住宅地
時折いろいろ見かけるが
エゾシカを見たのは初めてだ
角ある雄と雌のつがい
街 ....
夏の雲は膨らんだ自我
眩暈 土砂降り 稲光
遥か上には秋の雲たなびく
天使の翼のように
美しき日に坂道を上り また下り
廃屋の漆喰は剥がれ落ち
背の高い草が住む
暗がりに ....
国々は歴史というエスカレーターに乗って
ゆっくり 未来へ向かって登って行く
いつまでも いつまでも
赦すことのできない憎い後ろ姿が見える
煩わしい声に ふと 振り返ると
遠い過去から ....
まるで舞台セットのよう
蛍光灯の光が融け込んで
透き通った 小さな庭園で
水草ゆれて
ふわりと
紅金色の着物も褪せた
年増女が二人
よもやま話 ....
秋とは肩を寄せ合い歩きたい
約束なしで出会っては
流れの渦に留まり続ける
紅葉とイチョウの落ち葉のように
ゆっくりと語り合いたいものだ
何一つ声に出すこともなく
....
万物が一つの花ならば
誰が愛でてくれようか
蕾のままに枯れて逝く
誰が涙を流すのだろう
....
いつも猫ばかり見ている
静謐な佇まいに時を忘れ
衝動のまま自らを由とする様に息をのみ
猫という美しい獣に憧れ続けている
わたしは悲しい犬
どれほど否定しようとも
....
ロマンチストはどの時代にもいる
ここにも一人
彼はインチキ古物商と素人骨董愛好家の一人二役だ
誰もが経験するようなありふれた出来事を
時を超えて微笑みかける
運命という名工の作として ....
山ぶどうに覆われた丘陵地沿いに車を止め
アキアカネの静止
止みきらない雨
昼から夕へ傾むいてゆく
キリギリスたちの単調なコーラスに
ヒヨドリの絞り出すような歌声が響いていた
この辺りの ....
夜よ ご機嫌麗しゅう
少し話していきません
ぬるい時間をちびりちびり
ロッキングチェアで揺られるような
取りとめのない浮世のことを
露出狂の政治家たちが
脂っこいことばを吐き出してはそ ....
何かを失うということは
あまりにも日常的なこと
そしてそれが二度と戻らないことも
人が自ら行おうとする
生活に必須なこと以外の多くは
これらの穴埋めや消失感の緩和のため
それが ....
垂直な光のピンで留められて
横たわる朝は散乱した昨夜の屍だった
まだ誰もいないスーパーの駐車場で
ぬるい風が砂埃を吹き上げている
一匹の小さな蛾が
逆らいながら飛んで行く
....
何かを言おうとしたまま
羽蟻に覆われて行く 月
寝苦しい夜の何処からか
微かに 悪寒が流れ
顔を隠した二人の忘却が
そっと 水浴びをする
乳房のように膨らんだ闇
白い 流 ....
暗闇
日は陰り片隅に小さく蹲り
音は次第に存在を増す
そして閉ざされた門の中で響き渡る
かくれんぼの鬼のように
孤独に数えられる
何が見える(ざわざわと)何も(ごうごうと)
見 ....
小さな子供のやわらかな髪を
指でやさしく梳かすように
風は愛撫する
幼いころから見慣れている
名も知らぬ野の草花を
市営住宅が建ち並ぶ
隙間の小さな芝生の上
心地良さげに ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて
物思いに耽る蛙と
草むらに潜む
文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて
何を読みたいわけでもなく
....
幼い心をこじ開けて
あなたは痛みを植えて行った
悶え苦しむ年月
綺麗な嘘で幾重にも
痛みを包んで行った
いま この心に抱いているのは
ぞっとするほど美しい
....
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る
あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
ギュッ と 搾り出した
いのち そのものが
ここにある100
パーセントの
ジュース
貴重
高価
とてもじゃ ....
石で打たれるような
犬に追い立てられるような悲しさに
居ても立ってもいられなく
ただただ早く帰りたかった
日没に向ってひたすら走り続けた
貝のように固く握りしめている
決して手放し ....
窓を開け放ち
空気を入れかえる
朝の訪れを遮ってだらりと垂れ下がる
色褪せた思想を派手に揺らし
この胸を蝕み患わせている
積もりに積もった誇りや死っけを吹き飛ばし
....
金があれば と言うけれど
あったらあったで目先のものに使ってしまう
時間があれば と言うけれど
あったらあったで無駄な時間も増やしてしまう
もっと自由があれば とも言うが
自由の ....
日傘を差した女の影が
歩道の凹凸を滑って行く
踵を返す青い熱帯魚
フルートの鋭い閃光
アイスピックを ....
おれは殺風景
がらんどうで埃濛々
だから昼の檻に閉じ込められた
オオミズアオなんか見つけると
こんな錆びついた工具のような手をしながら
そっと 捕まえてみたくもなるものさ
....
頭の中で魚が跳ねた
ぴしゃんと深みへ姿を消した
黒い子猫が静かに見てた
風がぱらぱら捲っていった
時間は長くも短くもない
人の物差しはいい加減だ
....
トラブルが起きると
誰かが泥をかぶる
誰かが猫をかぶる
噂が流れる知ったかぶる
怒りにブルブル
やがてはブルー
シンプルなことだ
プールの中で眠る
プルト ....
夢から覚めると
午後は陽炎の中 寡黙に佇んでいた
翻る あなたの影だけが冷たい魚
見も知らぬ者同士 これが
いつかの夢ではないと言えるでしょうか
ひび割れた心象が決壊する時
....
ポポタンが笑っている
太陽みたいに開ききって
その中でアリが泳いでいる
お菓子の家で溺れそう
ぼくは憶えている
きみのやわらかな面差しを
すべり台へ走っ ....
赤い 熊出没注意の看板の右端上に
白い小さな張り紙で「最近」と補足されている
死ぬことより死に方が問題だ
熊に食われるのは天罰のようでどうもいけない
残された妻と子が葬儀の席で困ってしまうだろ ....
雨に濡れたアスファルトに
並木のみどりが映っている
言葉に餓えた人たちが
傘に隠れて哭いている
雨は涙に良く似ている
昼は処刑台に良く似てい ....
ペポパンプさんのただのみきやさんおすすめリスト
(62)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
もみじ悔いたし鐘は無し
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-10-25
美しき日に坂道を上り_また下り
-
ただのみ ...
自由詩
22*
12-10-4
エスカレーターを駆け下りようとする馬鹿なやつ
-
ただのみ ...
自由詩
15*
12-10-1
水中戯曲
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-9-27
秋の気持ち
-
ただのみ ...
自由詩
19*
12-9-23
____________夕日のように微笑んで________ ...
-
ただのみ ...
自由詩
26*
12-9-18
憂鬱の鎖
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-9-10
ろまんちすと
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-9-5
境目も変わり目もなく_ただ足音が響くだけ
-
ただのみ ...
自由詩
14*
12-8-22
夜よ_ご機嫌麗しゅう
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-8-19
遭難者の筆
-
ただのみ ...
自由詩
13*
12-8-14
僕が君を一匹のみすぼらしい蛾に譬えたなら
-
ただのみ ...
自由詩
24*
12-8-9
冷熱帯夜
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-8-5
裸の世界
-
ただのみ ...
自由詩
16*
12-7-27
夏のこどもたち
-
ただのみ ...
自由詩
24*
12-7-24
雨読物語
-
ただのみ ...
自由詩
34*
12-7-19
ある愛のかたち
-
ただのみ ...
自由詩
17*
12-7-14
希望の詩
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-7-9
お疲れさん
-
ただのみ ...
自由詩
10*
12-7-8
空っぽの手のひら
-
ただのみ ...
自由詩
21*
12-7-5
いつか世界の窓が開かれると
-
ただのみ ...
自由詩
15*
12-6-30
欲するものと必要なもの
-
ただのみ ...
自由詩
22*
12-6-25
白昼夢
-
ただのみ ...
自由詩
25+*
12-6-19
光が煙のように立ちこめていた
-
ただのみ ...
自由詩
17*
12-6-17
釣りには良い日だ
-
ただのみ ...
自由詩
20*
12-6-9
馬鹿王子と毒リンゴのパイ
-
ただのみ ...
自由詩
20+*
12-6-3
心の向こうで絵を描いているあなたへ
-
ただのみ ...
自由詩
36*
12-5-28
タンポポと選利矢
-
ただのみ ...
自由詩
12*
12-5-24
こごみの天ぷら
-
ただのみ ...
自由詩
22+*
12-5-20
映したものは
-
ただのみ ...
自由詩
18*
12-5-17
1
2
3
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