立夏
ちゃむ

風の無い穏やかな夜

仕舞い忘れた鯉のぼりが
だらしなく天を仰いでいる

それでいて
雲はせわしなく月を見え隠れさせて

不安定な上空には入道雲

たしかに今日から夏ですが
少し早すぎはしませんか

そんな想いを制するように
遠雷が響く

鯉は滝を登ると龍になる

鯉のぼりとは
そういう思いの表れでしたよね

少し風が吹いてきた夜

仕舞い忘れた鯉のぼりが
月の光を受けて・・・龍

にでもなるのだろうか

そんなことは無いのだろうけど
季節は確実に
梅雨前線を引き連れて

立夏


自由詩 立夏 Copyright ちゃむ 2012-05-05 23:57:21
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