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眠る前に
くちびるの形だけで
あなたのなまえ
を呟いてみたら
ほろほろと
星が生まれてく

夜は
思ったよりも深くて
あしたの方向で
あなたのなまえの星が揺れてる
不器用にしか進 ....
さよなら

気泡みたいなことばを
無造作に夕暮れに飛ばしてみると
橙にすっと溶けていったのは
声が震えていたせいかもしれなかった

車輪の音、渇いた
ペダルを思い切り踏みしめて
陽炎 ....
あの
見慣れた朝は
履き違えた
靴それだけで
不器用に
ほつれてった

夏が終わる日

あなたに
手を伸ばして
どうしたって
届かないのは
陽炎に
よく似た
寂しげな
 ....
鼻先に突き出してやると
給食の匂いに
ひょいと頭だけを出す
小さくあくびをして
そこでは伸びも出来ないだろう
机の中の猫

小学生の夏、4年目の
算数の教科書を探そうと思ったら
手を ....
五時限目の
けだるい
プールサイド
微熱の
水飛沫と
君の呼吸が
うまく
混ざったら
わたし泳いでも
いいよ

反射していく夏
十七歳のまま
立ち止まって
しまえたら
ど ....
フラットしたまま
夕暮れていく
音楽室からは
いつも
音のない
演奏会

放課後に
わたしたちは
どうしようも
ないほどに
透明で
同時に
不器用な
温度で
つま弾いてい ....
たまに
思い出す
ふと
きみのゆびさきの
深爪のやさしさ

買い物帰りの
坂道や線路沿い
二番目の
小さな交差点
そんな場所に
沸き立つ
やさしさ

ひらがなを
好むきみ ....
一夜目に
魚は水底で静かに息を潜めてる
女は甘い溜息を波紋の隙に流してる

二夜目に
月の裏側から覗く女の憂い顔
空虚に穴の開いた瞳と痩せ細った指先と嘆きと嗚咽

とうに音をなくしてき ....
夜を走る
列車から覗く風景は
何もかも止まっているようで
少しばかり
眠ってしまっても
あしたには
間にあいそうだったから

夜を走る
光の羅列は
枕元を通り過ぎて
ずっと知らな ....
夜が
明けないうちに
こっそりと
地平から
覗いてみたよ
旅立ちの日


君の食べられる野菜
食べられない野菜
を知ってたのに
僕との距離を
知らない

やがて
そんな ....
くぐる
くぐもる
声にもならない

ずっと夢見ていたら今朝
魚になってしまっていた一番の引き潮

うろこがくすぐったい
尾びれが不慣れで痛い
肺呼吸が懐かしい
それよりも
水平の ....
夜が
更けていくと
ほつほつと
灯る
微熱の痛み

37.2度の
隙間から
零れる昨日
裏返る
あした
だから
つまり
なにもないのさ

首筋に
うっすらと汗
瞼の裏 ....
夜中
水道から
ぱたぱたとなみだ
海になんか辿りつかないのに
机の上で
しまい忘れたサラダが
哀しい彩りで居場所をなくしてる
きれいに一人分だけ残して
あたたかみをなくしたイスが
部 ....
午後から雨

そうだね
草丈より少しばかり高いだけだよ
寝転んで空を覗けば
透き通ってくどこまでもずっと
背中がくすぐった痛いね
午後から雨だね
蟻が不器用な列を作って
ゆっくりと夏 ....
シマウマの
背中のたてがみは
かっこいいね
乾いた大地で
凛とした立ち姿
整然と並ぶ縞模様は
ガゼルたちの土煙にも
動じない強さ
地平線の奥に
夕日
道路沿いに
閉園後の動物園で ....
たとえば
水銀の
体温計の
危うさだよ
それは

けだるさの
端っこで
かすかに
午後の授業

先生
砂時計が
ぜんぶ
落ちたら
眠ります

少し
似ている
前髪 ....
ずっと
遠くに
行ってしまった
くじらの
足音

どこに
ずっと
北の方に

どうせなら
満天の夜が
いいね
少しずつ
舵をとりながら

長い旅だね
くじら
しっぽ ....
おっこちた
うちゅうのてがみ

昨日の夜は
ずいぶんと
きれいな
星空

それよりも
もっと
ずっと前
おかあさん
うちゅうろけっとで
ぼくは行った

おっこちた
うち ....
隣の席のゆういち君と
昨日から廃屋係をすることになったことに
泣いていたら「弱虫」だと怒られた
だって私は女の子なのだ

毎日友だちとお喋りしながら帰った
スクールバスにもさよならしなけれ ....
花かんむり
シロツメクサの匂い

透明色
ソーダ水の水面の波紋

むせ返る夏を
不器用に泳いで
よろめいた夕暮れ時に涙

びーだま、の

陽炎のアスファルトで
かなしい音を立 ....
{引用=木の芽を幾つ数えた頃に
木の芽を幾つ摘んだ日に

想い晴れないこの空で
幾度の晩を越したのか

ひとつ小さな結びの手
時には木漏れ日うたたね木

姿変われど弓張り月の
野原 ....
{引用=しん
と張りつめた空気の隙間から小さく 雪ふるる}

 氷点下の朝
 白樺の並木道
 枝の間から差し込むあたたかさ
 昨日の凍てつきなんて
 思い出すことなく
 鳥たちのさえず ....
まためぐる季節に
埋もれてくしろいまち
夜が来るたびに
暗がりの向こうから
沈黙を引き連れて降る白

霜焼けの幼い手のひら
目が眩むような世界に
迷い込んでしまわないよう伸ばす手
誰 ....
君の寝ている隙に
本を開いてしまったよ
手のひらと同じくらいの大きさの
くたびれた表紙
真ん中より後に挟まれた栞
海の色をしている
波の音が聞こえそうで
耳を澄ませば
君の静かな寝息
 ....
うたたね ひつじたち
はる の あったかさ

ひるさがりに
まくらのしたから うまれて

ばんごはんのじかんに
また かえってくる

みどりのにおいの かぜに のって
ふうけいを  ....
昨日のこと。
夕暮れる空をくじらは泳いで
大きなくじらのそばには
半分ほどの大きさのくじらがいます。
小さなくじらは泳ぐのが苦手なので
大きなくじらよりも先に
尾が橙色に染まってしまいます ....
私のノートには白い文字で
フラットに似た記号ばかり並んでる

決して声に出してはいけない約束が
一番目に載ってたはずなのに
白すぎるせいで見えない

知らないで言葉にしてしまうと
「ん ....
目が覚めると
必ず何か足りないものがある気がして
一呼吸置いてから窓を開ける
抜け落ちてしまったような
最初からなかったような
秋の始まりに吹く風が
季節に置いてけぼりにされた風鈴を鳴らし ....
{引用=夜、眠る前には忘れることなく
絵本を開く少女
はお話の最後を一度も見たことないまま
眠りにつく、早く明日が来ればいいのに、と。

空の色によく似たワンピース
がお気に入りの少女
 ....
ずっと遠くの方を、
水平線が見たかったのに
空との区切りがよくわからない
から

少しだけ背中を丸めた
薄い水色のワンピースから
覗く白い腕が
夏には似合わない
から

ただ黙っ ....
ペポパンプさんの夕凪ここあさんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
わたしとあなたのせかいがつながればいいのに- 夕凪ここ ...自由詩808-9-25
夏追い- 夕凪ここ ...自由詩1807-9-23
Tシャツ- 夕凪ここ ...自由詩607-9-5
あいのねこ- 夕凪ここ ...自由詩1307-7-27
プールサイド- 夕凪ここ ...自由詩707-7-21
メロディッシモ- 夕凪ここ ...自由詩1707-7-20
かなしみをもたない- 夕凪ここ ...自由詩1207-7-19
入水のち- 夕凪ここ ...自由詩607-6-3
夜は走る- 夕凪ここ ...自由詩1307-5-24
あたらしいあさ- 夕凪ここ ...自由詩707-5-3
誰も本当の私を知らない- 夕凪ここ ...自由詩207-4-30
微熱- 夕凪ここ ...自由詩707-4-18
アスパラガス- 夕凪ここ ...自由詩1907-4-11
クローバー- 夕凪ここ ...自由詩1007-3-26
サバンナ- 夕凪ここ ...自由詩707-3-18
まひるのつき- 夕凪ここ ...自由詩1707-3-17
くじらの足音- 夕凪ここ ...自由詩1107-3-15
うちゅうからのてがみ- 夕凪ここ ...自由詩1307-3-14
がらくた屋敷の中で- 夕凪ここ ...自由詩9*07-3-7
微炭酸の夢- 夕凪ここ ...自由詩11*07-3-5
待ち惚け- 夕凪ここ ...自由詩9*07-3-1
ひとかけらのお話たち- 夕凪ここ ...自由詩9*06-12-16
芽吹く- 夕凪ここ ...自由詩8*06-12-14
さかなのみるゆめ。- 夕凪ここ ...自由詩11*06-10-31
うたたねのうた- 夕凪ここ ...自由詩8*06-10-27
くじらのいるそら- 夕凪ここ ...自由詩10*06-10-9
音楽- 夕凪ここ ...自由詩11*06-9-8
ひとたびの眠り- 夕凪ここ ...自由詩8*06-9-5
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夕凪ぐ、から。- 夕凪ここ ...自由詩9*06-7-10

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