{ルビ深閑=しんかん}とした井戸の底で
今夜も私は、{ルビ蹲=うずくま}る。
遥か頭上の丸い出口の雨空に
嵐はごうごう、吹き荒れて
木の葉がはらはら、鳴っている
遥か ....
130416
フェイスブックでもみんな書き込みをするようになりました
ネット解禁で【ジバン(地盤)、カンバン(看板)、カバン(鞄)】のフォントも工 ....
耳の奥の
遥か彼方から
青い空が
聞こえてきます
それが
歌でした
鳥は少しの記憶
むかしあったのに
触ろうとすると
水にも
よく溶けました
雲がぼんやりと
....
桜の散り枯れた花びらが道端を汚していた
街道はツツジの赤や白に埋められて
木々は煙りのような新緑を纏い始めていた
移りゆくいのちの景色よ
あなたは無常ではない
私がい ....
打電
僕は打電する
手紙を書くのはめんどうだから
ごめんね 僕は打電する
未来の僕へ
君に手紙を書くのは結構めんどうくさいんだ
覚えているかい
....
零れ落ちる花弁を無碍に季節の風が運んでゆく
ちょっと絡めただけの指先が愛しくて
君の名前をそっと呼んで見る
僕は花盗人君の唇を奪うろくでなしさ
君にあずけたこころはいつか返して ....
青空の埋め立て地に粗大ゴミの山
私はクレーンを操作して
はさみでゴミをよりわけ
何かの電線に絡まりながら
つややかに光り生えている
赤いリンゴをもぎとり吊り上げる
そのリンゴは生きてい ....
夜には涙を流し
昼には歯を食いしばり
そんな 見苦しい表情を
想い出の中に焼き付けてきた
大勢の自分達
心の物置に積み上げた
記憶のフィルムに踊りだ ....
流れている
あの冷たい鋭さも
巻き上げるすこし生ぬるい風に
変化という言葉の意味を知らされる
数多の言葉をもちながら
いちばん汚い形容詞を選んで
残る、取り残されたような感覚に
停滞 ....
私はあなたを愛さない
私はあなたを愛さない
あなたは雨土に包まれない
あなたを信じない
私の世界には眩いくらいの星空と
晴天朗らか山々がある
あなたの効 ....
ドローフォーで突く
失恋って
誰かと共有する必要が
あるのかな?
一人飲み
布団かぶって寝るので十分
明日は
誰もそんなことがあったなんて知らない
そんな顔で
リセットしたいね
体育の授業でできなかった
隣に座る女の子が休み時間に
ぼくを誘ってくれた
ふたりで校庭をはしって
鉄棒につかまり
練習を始めた
雨の降らない日は
休み時間のたびに
ふたりで鉄棒をす ....
品屁一覧(おならのいろいろ)
[疑問屁] 高音。尻上がり。愛嬌あり。
[接続屁] 短音。連続性がある。スタッカートほどではない。
[間投屁] 低音一発。直腸のおくびめく。
[感動屁] 最大 ....
花がちってしまう
僕の手は届かない
見ているだけで辛い
生命のメッセージが剥ぎ取られてしまう
僕はそれを止めたいけれど
力なく歩くこともできないのさ
普通の幸せ平凡な幸せ
そんな ....
空飛ぶ円盤が池に落ちた
脱出した宇宙人は池に溺れた
溺れた宇宙人は池の鯉が食べた
その頃、僕は恋に落ちて
恋に溺れていた
今思えば、身勝手な恋だった
鯉が溺れなかったのが
唯 ....
僕には愛がない
遠い昔華やかで儚いおとぎの国に心を一部落としてきたから
涙や汗と一緒に
またある部分は時の大風が吹き飛ばした
大事な物を落としてしまった
毎日が僕の心を洗っていく
心の ....
そらがきちんと黒くなるのを待ち
肌をみがいて 髪をととのえ
それからすかすかの入れものを二十一個ならべる
そしていつもの手順できれいに切り分けた黒を
(それは上等の羊羹みたいにしっかりと重 ....
うわ滑りせぬよう
地に足つけて
踏み出せば
見渡すものは
主観の世界
彩り
カタチ
音
ひかり
発語はいつも
見えない
暗喩
から回りせぬよう
地 ....
今夢の中を彷徨っている
仕事を終えた君を迎えに行き
リゾートホテルに向かう
ドキドキワクワクが止まらない
砂浜が目の前にあり
耳を澄ませば波音がホテル内に響く
時間の流れが早く ....
はしる かぜ
まどう くも
かわく かなしみ
うたう さんだる
なでる ひかり
わらう このは
すける わだか ....
むなさわぎむささび
さっきしずかにとおりすぎた
わさびかみしめさわがしい
ずっとよいんはつづいていて
わびさびおかしななびげいと
のうりをよぎるむしのしらせ
むなさ ....
木の皮に こもった熱が
少しづつ 雪を溶かし
陽射しが 波紋のように
幹の根元を まるくあゆむ
溶けた雪は水となり 土にしみ込む
しみこめない水は 雪の下をたぱたぱ流れ
水の膜 ....
木漏れ日が気持ち良い
緑が光りを浴びて生き生きしている
鳥の声も嬉しそうだ
人の声がする
嬉しそうな声だ
ちらりほらり木々の間から
鮮やかな着物を着た女性たちがこち ....
あなたにはこれからも
たくさんたくさん良いことがある
たくさんたくさん温かいことがある
その夜大好きなカレーうどんを食べたあなたは
孫たちに惜しまれながら逝くだろう
どれだけ離れていても
....
君から赤を絞り出そう
絵の具のチューブみたいに
滴り落ちるほどの血を吸った
むくむくの ナプキンのように
つまらないんだろ?
一体 何が楽しくて
そんな風に 自分を苦しめ ....
あなたがどこか遠く知らないところから
「あなた」と呼びかけるたび
なんにも知らない鏡みたいに
よろこびを反射させて光っていました
あなたがどこか遠くから
わたしでないだれ ....
晴れた日
鎖骨に落ちる影の正しさよ
いかようにも描かれる放物線をめぐって
大人たちは議論するけれども
ボンネットにかくれて性交する少年少女
瞬間を味わっておいで
うま ....
ひとが名前ではなく
番号で呼ばれたとき
そのひとの生は無意味になったと
いうことであり
そのひとはもうこの世に
存在していないことと同じなんだ
{引用=「草枕旅ゆく君を愛(うつく)しみ副(たぐ)ひてぞ来し志賀(しか)の浜辺を」(万葉集 巻四566)}
或る女は旅に連れ添い
まだ若い馬にまたがりシカの浜辺へ
青々としたうつくしみの心でもっ ....
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