高校一年生
川上凌



ただぼんやり笑って生きています
心から笑うことのないまま
ねこ、かぶって生きています

本音も言わない日々は少し息苦しい

言いたいこと言わないのが
大人だよって
我慢するのが大人だよって
だれかが言いました

可笑しいな

だったらわたしは
ちびちゃんと言われたあの頃のままでいい

しかしもう 大人になれば自由だと憧れていた
あの頃とは違うのです
しがらみも 足枷あしかせ
ずいぶん増えました

可笑しいな

自由を手にいれた気がするたびに
荷物はどんどん重くなる
大人だってそうでしょう

子供扱いするくせに『もう大人なんだから』って
矛盾する大人のことば

可笑しいな

高校一年生 大人がおもっているほど
コドモじゃないし新鮮フレッシュでもない

西洋の人はその昔
子どもは小さな大人だと思ってたほどだから

高校一年生 そんなに子供じゃないのです



自由詩 高校一年生 Copyright 川上凌 2013-04-12 00:09:18
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