口笛が苦手だった
草笛はもっとダメだった
シロツメクサの冠も
首飾りも夢で終わった

風がみてたそんな時代
いまは遠くわたしが望む
たぶん背丈は六歳の頃
レンゲソウが頷いていた

 ....
LEDがかなしい
白熱球がなつかしい
かつては手許の60Wが
わたしの世界の太陽だった

壊れて久しいエスプレッソマシン
夜にはしらふで眠らなくっちゃ
憧れていたジッポーは
あまりに手 ....
風ってどんなだったか
無風のなかでわからない
こんな日々はいつまで
たずね宛て先不明のままで

前略、あなたへ
…草々、ごめんなさい
もらったもの活かせない
ごめんなさいごめんなさい
 ....
白いアスファルトの上を
やわらかい風が渡り
ときおり小鳥の影がすべる
小川の水がきらきらと光る
草が光を透かしながら揺れ
はだかのどろの木も白く芽吹き
細い枝々が一心に空に手をのばす
私 ....
五月の雪の木曜日
あの子はステージで裸になった

次の日には祝いにまつわる詩を書いて
大絶賛を受けたあと欄干から足をすべらせて死んだ

ま新しい五月晴れの朝に
いつもより少しだけ多く ....
新緑
けやきの葉は太陽の陽をとらえきれず あたりを染める
ゆっくりと濃くなり
また 薄く変わって

芽吹きの痛みは 遠い記憶

君よ
新緑の明日を 君の森を走って行け

踏み出した ....
かちかちと歯を鳴らす音で目が覚める

なにか美味しいものを食べていた

食べても食べても太らない

溢れる色の塊

輪郭はおぼろげだが

齧ると硬くて脆いその不思議な感覚が

 ....
完全な(完璧な)現実がどれほど人を蝕むのかを測る方法を知り得たなら
「この漫然とした日々から解放されるんじゃないか」って思ったんだ

未熟な(不全な)理想がどれほど人を蝕むのかを測る方法を知り得 ....
なにも 間違えじゃあなかった
自転車とは 自分で ころぶから自転車
自転車の練習をして みごとに こけたのは わざと だよ
わざと 痛い目にあってみただけさ
新しく自転車を買って その ....
  嘘を百回繰り返してみても
  それは本当にはならない

  醜い自分を
  美しい言葉で飾ったところで
  鏡に映る本質は変わらない

  皮膚の下に埋まった弾丸を
  取り出して ....
目玉焼きの黄身が箸から崩れ落ち
食卓からも外れて床に落ち
砕け散った
バラバラのきみを
拾い集めては捨て
床の汚れを拭い取る
そして再び橋に向い
目玉の白目だけを食べ終わると
味気ない ....
後悔しない生きかたを選んで後悔している ぼくはまだそれを途中だと思い

あなたはそれを

途中ではなく逡巡と受け取っていた

自然にまかせることができなかった


ぼくは不要だった

死を想ったら

もうなじんでい ....
切れ切れの
ビブラートが
君の内側に吹く
風の形を囁いた

痛みのような
ブレスが
君の内側を巡る
水の温度を呟いた

耳ではなく
皮膚の下の
毛細血管の先端で
僕はそれ ....
娘の担任の先生から突然メールが届く
件名は娘の名前
かすかな心臓の高鳴りを覚えながら
本文を開ける
文字が目に飛び込んでくる
“She had an accident!”
アクシデント!? ....
ほのかに開いた日に
重ね続く事を信じた

風は草をゆらゆらさせて流れ
リズムと色をはずませた

目にも耳にも残らないものが大切だったと思った
笑っても 泣いても同じような
ぽっかり空い ....
小六修学旅行京都八坂神社
昔ながらの雰囲気のある
土産物屋に無造作に掲げられる
最中の二文字
ひらひら軒下にゆれる
人気のなさが胸を打ちはじめる

さいちゅうって
なんのさいちゅう
 ....
いつでも買いたいけど
フッカフカの少し甘くてオレンジの混ざった焼き立てパン
そうはいかない貧乏生活

いつでも同じ服を着て
雨でも雪でも頑張って仕事してる でもグチは言わない
笑い話で励ま ....
立夏が来るのかと 区切りの日付をめくり皐月
決まってバッハのチェロが馴染む 晴れ
何度目の演奏を聴くのだろう 皐月の一月

立夏が来るのかと チェロが口笛を吹き始める 楽譜通りに
私は畳の部 ....
横腹を
何かが
うごめいている

首筋を
何かが
這いまわっている



得体のしれない
何かが
巣食うからだ

得もいわれぬ
何かに
魅せられるこころ

 ....
ポケットから取り出した 
懐中時計が、暖かい。 

妻の贈りものの蓋を開け 
秒針の刻む、時を視る。  

僕は今、在りし日の詩人の書斎で椅子に座り 
木目の机上をスタンドの灯が照らして ....
空が悲しみで一杯に満たされたから

抱きしめたくて仕方がない

腕をおもいっきりのばして

太陽が光を届く限り

私の腕はそらを抱きしめる

悲しみが空を一面埋め尽くすので
 ....
最近姫が西洋音楽をはじめた
ヴィオロンとかいうキーキー言う楽器だ
まわりは大変迷惑千万昼寝もままならんし爺は疲れ気味だ

琴かせいぜい三味線ぐらいでいいと思うのだが
姫の西洋かぶれは止まらん ....
あなたが棄てたのは
 金の人生ですか?
 銀の人生ですか?
 それとも
 ありふれた人生ですか?


なんて
聞かれたとしても


 うるせー、
 なんも捨ててへんわい
 阪 ....
黒板にくりかえし
書いては消されるチョークの文字を
私たちは書き写した

文字は
やがて白い粉となり
先生の足元に降り落ちた

粉となる前に
書きとめなければならなかった
この手に ....
黄色の帽子をかぶった一年生が
朝の登校の集団に 交じっている

今時はピンクのランドセルもあり
小さな背中一杯に背負い込んでいて
初々しさに 車を運転しながら
自然と微笑み 見ようとしたが ....
どうしても海が見たくてしかたない時は
海の すぐ傍にまで行くか
それとも
あえて離れた場所に立つ
たとえば山を削った住宅地のはずれの公園
ゆるい長い坂の上から
遠く見る海は
白い岬をした ....
鮮やかな緑の波を揺るがして
強い風が吹き抜けて行く

その風にあおられるように
忘れていた何かが目覚めようとしている

あなたと出会ったのはこんな緑の季節でした
お互いに愛し合いながら傷 ....
テディを抱きしめて
もうすぐ午前二時
二人、と思って泣く
そして、ごめんと謝る

テディはテディで
テディだけれど
かけがえのない君に
わたしは約束をしなくては

君は居る、と信じると

もう一度謝る ....
香りに促されてあるく
森の中のふわりとした陽射しに
ゆったりと眠り込むように君の傍ら


まつげが少しじゃまなくらい長くて
見つめることのできる時間は
照れくささと半分こするとちょう ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ことのしだい第二楽章- もっぷ自由詩613-5-5
みんな夜空の遠いとこ- もっぷ自由詩813-5-5
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新緑- ぎへいじ自由詩21*13-5-5
かちかち咀嚼- 灰泥軽茶自由詩5*13-5-4
現実逃避のために有休を使い果たした男- 徘徊メガ ...自由詩1*13-5-4
【始】転んだ日__- るるりら自由詩22*13-5-4
ナイフと、弾丸と- まーつん自由詩6*13-5-4
朝食- ただのみ ...自由詩20+*13-5-4
後悔しない生きかたを選んで後悔している- 北大路京 ...自由詩913-5-4
途中- 吉岡ペペ ...自由詩713-5-4
- nonya自由詩15*13-5-4
八重の優しさ- 夏美かを ...自由詩35*13-5-4
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まさかの最中- 灰泥軽茶自由詩6*13-5-3
頑張る- マリエ自由詩713-5-3
DEAREST_BACH- 朝焼彩茜 ...自由詩513-5-3
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詩人の書斎_- 服部 剛自由詩8*13-5-3
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爺と姫の物語パート3- 梅昆布茶自由詩413-5-3
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花の傘_雨道に- 砂木自由詩13*13-5-2
遠くから見る- Lucy自由詩16*13-5-2
ざわめく- 未有花自由詩12*13-5-2
午前二時- もっぷ携帯写真+ ...313-5-1
告げた- かんな自由詩3*13-5-1

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