壁を見つめて壁に書いた
 壁に眼で書いているから
 誰も気が付かないだろう

 もうこの壁ともお別れだ
 明日は別の壁の前に居る
 じっと壁を見つめた日々

 壁の前に机を置いている ....
世界の色を知らない君に
僕が色を教えてあげる

瞳は閉じたままでいい
苦しいことは何もない
ただし 耳は澄ませていて
僕らの音に色を見つけて

空の青さも 木々の緑も
炎の ....
飼い犬に似てきた                      140321

本末転倒のお話しなんですが・・・、と
怖ず怖ずと切り出した男の眼が今にも飛び出しそうにけいれんするように震えている
そんなに怖い眼に会 ....
月が満ちた午前零時
引力は拮抗する

三角関数が
どうして重要なのかを
知りたくないですか?

月のひかりは
海底までとどかないから

微弱な引力の波動を
感じているしかない
 ....
夫と息子がいる浴室に行くと
かつおぶしの匂いがした
親子で前世はかつおぶしか
鰹として泳ぎまくり
死んだ後はかつおぶしになって
お味噌汁になったのか
死後も価値があるなんて
かつおぶしは ....
押しても引いても現実は容易には動かない
しかし個々の事象は絶え間なく瞬時の変化をとげてゆく
成長とは産声をあげた瞬間からの死へのあゆみ

明日はわからない
でも希望はそのやわらかな隙間に生ま ....
呆けた{ルビ斑=まだら}の歌声に
後ろから捕えられ
目隠し外せば 春は
    娘姿の老婆
千代紙から蝶
切り抜いては 
    ふうっと 吹いて

この肥大した冬には 
心の資産全 ....
川伝いに伸びる
でこぼこ道の向こうから
菜の花がきれいね、と
懐かしい人が
光をまとってやってくる
どこかで硝子製の呼び鈴に似た
澄んだ鳥の声が響く

あなた、
ずいぶんともう
大 ....
クロレッツを二粒
鼻腔を流線形が疾走する
春よ来いの大合唱
彼女は鼻腔に猫を飼っている

空には翼を持った豚
犬と羊が阿呆面で見上げる
五輪は四輪より速い
すべては風の前の塵に同じ ....
わたい、もやしはきらいや。

病室のベッドのうえで
母がぽつりと言う

六十年も付き合ってきて
母の好き嫌いをひとつも知らなかった
そんな息子だ

お父ちゃんがな、腹切ったときに出て ....
みなみの国で生まれたような顔して
じつはとてもさみしい名前だ
だから呼ばない
必要としない

カウチって良い響きね

そうかもしれない
もう大人だから
寒いときは毛布を買おう
 ....
梅が桜のように散っていた

よこで木蓮が上等な

きみどり色を解いていた

タワーマンションには住めないけれど

虫のでないところぐらいなら住めるかな


くりかえすことに意味があるのではない

くり ....
物語を消費するために
私たちは生きている
今日も悲しい話をありがとう
困難を乗り越えた話
本当にどうもありがとう
感動してる
だから明日もがんばれる
がんばれると思う
明日 ....
コートの下からにょきっと生えた

細長い煉瓦の色をした

煙突を背負った男は

大きな麦藁帽子を被っているので影のようだ

軍手にした鉤状の蔓で

雑木林をほじくりながら何かを探し ....
【五色の指】

靴下を履かせた
五本の指に それぞれに 五色の靴下

おやゆび        りっぱ
ひとささんゆび     させないよお
なかゆび        めだたないよ
くすり ....
直線と曲線が折り重なり春がきました。そこは麒麟なんじゃない、キリンなんじゃない、きりんなんじゃない、夜のそこはまだ冷えるから

冷えたそこから声がする
長い長いきりんの首のそこから
聞いたこと ....
               140318

のろまなびるまなどという呟きが聞こえるので思考を中断、先へ進む
遂行するのはノルマ
のろまな奴では達成できないからその後ろには懲罰が手ぐすねを引い ....
********
真珠秘話
********

海に照り返された日射しだけが 剥離し球体になって昇っている
あれは、太陽なのか。
美しい白銀の オパールに私を変える
変色しつ ....
春が降り注ぐ
固くこわばった雪山に
冬の汚れをこびりつかせ

シャーベットに足を取られ
車が跳ね上げる泥水に
コートを汚され

春が降り注ぐ
微笑がこみあげる

春が降り注ぐ
 ....
ペイン

じぶんで
じぶんを
くるしめれば
くるしめるほど
いたみから
ちからがあふれだす

メタメタに
きずついて
つらく
かなしくて
それでいきる、のを、

もうやめ ....
三月の晴れ間に舞う
ひとひらの冬

勢いもなく
威厳もなく
すぐにもそれは解けて

どこから来たの、
どこへと行くの、
たずねるいとまも無く
お別れになる

けれど、
 ....
どこからか

たしかに

沈丁花の匂いがする

どこからか

たしかに


満月の夜のした

真昼の駐車場のむこう

失意にあらたな日常が

入り込んでくる


 ....
人と争った後は
自分の中から
大事なものが
抜け落ちて
取り戻すことが
出来ないような
後悔と
いうほどでもないけれど
薄ら寒い風が吹き抜け
埋められない
空洞

一緒にお茶し ....
やがて
頭で考えても 予想できない順番で
クロスワードパズルに穴が開くように
時が 埋められ
確実に 君が、この町を去る。
すべてを
祝福に変えるレッスンが、始まった。

 ....
不意にこころに訪れる黒い種

夜道で
声をかけられる
ぼくの横隔膜が振るえ
喉まであがってきた声がつぶれる

職場で
背後から近づいてきて
落ち度を探る視線の先が
サンダルを履いて ....
{引用=おっぱいの弾力が失せた女は信用できない
       … 夭折の男根主義者(ダンコニスト)
             セルゲイ・メンタイコスキー}
 ビッグ・ティッツ

海潮音の記号 ....
  夕がたの田舎道を
  きみの車で走っていたとき
  ステアリングをつかんだまま
  きみは溶けてなくなってしまった



  遠くには海がみえた
  少なくとも、海のような ....
傘折れたまま濡れっぱなしの煩悩 ありがとう
ごめんなさい
あいしています

ともうひとつを呟いて

にくしみや
せつなさや
あのひとを

まっしろたいらにしたら

じぶんもすきで
ぐっすりねれて
世界もや ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15765)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
壁・・・- tamami自由詩1514-3-22
シナスタジア- 愛心自由詩114-3-22
飼い犬に似てきた- 北大路京 ...自由詩914-3-22
ひまつぶし- あおば自由詩5*14-3-21
サンゴ- 藤原絵理 ...自由詩714-3-21
かつおぶし- 小原あき自由詩5*14-3-21
幻灯機- 梅昆布茶自由詩1014-3-21
春を装う死の詩- ただのみ ...自由詩20*14-3-21
きつねのよめいり- そらの珊 ...自由詩20*14-3-21
IP- nonya自由詩14*14-3-21
もやし炒め- たま自由詩31+*14-3-21
卒業式のあとで- 平井容子自由詩714-3-20
梅散るころに- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...214-3-20
物語- 小川 葉自由詩314-3-20
煙突男のはなし- 灰泥軽茶自由詩414-3-19
ひとあし_おさきに_三部作- るるりら自由詩13*14-3-19
きりん/リレー詩- こうだた ...自由詩5*14-3-18
義務とノルマ- あおば自由詩5*14-3-18
はちきれんばかりの_おもいのままに_三部作- るるりら自由詩9*14-3-18
春が降り注ぐ- Lucy自由詩17+*14-3-17
ペイン- はなもと ...自由詩314-3-17
ひとひらの冬- 千波 一 ...自由詩814-3-17
花の匂い- 吉岡ペペ ...自由詩814-3-17
人と争った後は- イナエ自由詩7*14-3-17
匿名の春に、卒業と_名付けよう。三部作- るるりら自由詩4*14-3-17
不安は詩の母である- 殿岡秀秋自由詩614-3-17
春のおっぱいフェスティバル参加謹呈・其弐- salco自由詩714-3-16
- 草野春心自由詩314-3-16
傘折れたまま濡れっぱなしの煩悩- 北大路京 ...自由詩614-3-16
ポノポノ- フユナ自由詩8*14-3-16

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