月がみえなかった

ぼくは淋しかった

だれか助けてくれ

夜空にはほんとは

星がたくさんいる

新幹線で夜をゆく

月がみえなかった


宇宙はなんのためにあるのか

にんげんのためでないような
 ....
白ワインのグラスに 逆さまに
10月の雨に濡れた ムフタール通りが
もの憂げな 縮れ毛のきみの 髪の色と
愛した少年の 産毛の耀きが 悲しく重なる


こちらの世界に 繋ぎ止める すべ ....
前は子供なんてぜんぜん好きじゃなかったけど最近は他人の子供見てかわいいって思うのね、だって未来の塊みたいでしょ。

そんなふうに力説する人とランチを食べた

生物がなぜ子孫を残すようにプログラ ....
くちいっぱいにヒマワリの種頬張ってハムスターになる 学校帰りの女の子がふたり
ひとりはピンクのパール系ランドセル
ひとりは水色でステッチが入っている
驚くほど洒落たかわいい服を着て
(これは昭和の感覚 たぶん)
さえずりは巣の中の雲雀の卵のあ ....
ぼくは生きてゆく

ひとの向こうにあるもののために

それがいちばん永続的に

賢明なのだと思う


ぼくが地球なら

浴びる光を待っている

ぼくの個性は

跳ね返す光 ....
「どん底にあって
何か空白を
埋めるものが
欲しかった」

(KOHKOKU/2009/April/Vol.378/9頁)

夢みていた
こと、に、
手を伸ばして
目標にしてきた
 ....
絶滅危惧種のような気分のときは
おもわず星を探している

頭の中が明瞭に区分けされないまま
時計の針は行ったり来たり

姿の見えない人々は
あちこちでちいさな吐息をもらす

拡散する ....
ドラッグストアの棚に並んだ
石鹸の類い
これでもない
あれでもない
おそらくどこにもないのだろう

探している香りは
高電圧のくしゃみのように
蒸発してしまって
世界のどこにも、ない ....
走るスニーカーの音、砂利がこすれる、膨張収縮膨張収縮くりかえす肺、夜の街
走り抜ける車道、電灯を避ける影、目がくらむハイビーム
からから充血する目から、ずんとひりつく鼻の奥から、発信されるメッセー ....
家の近くにある
大きな池がある広い公園
手漕ぎボート乗り場がある

気持ちを新しく切り替えたい時
独りで公園内を散策する

子供も大人も楽しめるような公園

手漕ぎボートに乗って
 ....
なんだかむしゃくしゃしてしまって

ごめんね
そんな風にするつもりは
全くなかったんだよ

僕のハサミが
丁度君の心臓の裏に刺さったから
スイッチが入ったと思ったんだよね
扉を開 ....
わたしが何かを語るとき
あなたは何かを問うだろう
闇はふたつに離れ
それは風に運ばれ
光の雨を照らしだす
やがて氷河は乾き
海が聳え立つ
地に埋けるもの、
、その多くが応えに導 ....
黒板の上の小さな間違いを
ひとつひとつ指さすのはもうやめたの

文字通り吹けば飛ぶような文字
送り仮名ひとつで糾弾しては不憫だわ
誤字は誤字なりに一所懸命お生きと

気づいてしまったらも ....
ひとりぼっちになるのがこわ
だから
なんかつくって
まぎらわす ぜ
逢いたいという気持ちは
雨風に擦りきれ
いつの間にかぼろになった
継ぎもあてられないほどに
擦りきれたこの気持ちを
もうこれきり
引き裂いて
わたしは 織ろう
愛しいや あこが ....
淡彩の日常
点描の細かな作業で生きて行く

萌黄色から浅葱色に
いのちを明滅させる蛍

人や物
言葉にぶつかりながら生きる
自分とも

いつでも陰影を想うのです
単純で複雑そうに ....
たどり着いた秋は
なかば過ぎてゆき
振り返れば軌跡が
じぐざぐとみえた
買わなかった白旗を悔やんではいなくて
その代わりに買った鞄を
抱え込んでなみだしてみる

(泣いているわたしを好 ....
百合の蕾 ペリカンの嘴にしか見えなかった
百合の姿は馨りだけで 十分 部屋の壁を越えて漂ってくる
魔性の女にも見える 謝罪は本質を見抜いた時にする

今は葬儀で頂いた貴女を花瓶に挿すくらい ....
ヒール脱げない恋と寝ている 動くものなら
食べてしまうその本能を
罪ではないと
あなたがいう

あわただしい
交尾のあと
わたしが捕まえるより早く
どうか逃げおおせてください

大きな腹を抱え
一晩かかって ....
 うしろ向きな熱を持った心が
乾き風に吹かれていったりきたりしている
向かい風に抗っては
涙とともに迷いの森に来ている

 し を そっと ひらいて
 し に じっと くるまれたい

 ....
海底が隆起し水位が下がって
エベレスト界隈が空中に生えた頃
ナマズは汽水に放り込まれて
激烈な減圧に体を硬くしていた

それから雨が際限なく降り
雷鳴をも呑むほどの洪水が引いた頃
ナマズ ....
とぼとぼと夕暮れの道をゆく

寄る辺ないこころの音をきく


いずれにしても無事に

かき集める不安

かき集める希望

かき集める落胆

かき集める安堵

気分はどう? ....
昇天したくなるような
空一枚 鉤裂きにして


「おまえもおんなじ
       襤褸だねえ


握りしめた石ころ落とす 
脆弱な意思の皮袋


かけはぎなんかいらない
ミシ ....
普く再び出会えることを 光栄に想う 空を見上げ
陽だまりの隅に主人公だらけの透明の雪の空気の生き物の気配

季語を埋め尽くし 散りばめ 
躊躇いのない誉 四季うとうと静かに弾んで 胸を掴む
 ....
馬謖を斬った涙で紅茶を煎れてさしあげよう 【青が崩壊する。】題名は あまさらさんです。


こんこんと 混沌
どくどくと 清濁入り乱れ
大地と空が 激昂する
相容れない物どうしが交信しようとして
雨戸を叩く

夜の闇に
 ....
奏でることを
忘れているだけのあさの時間に
点滅する信号機のしたで
歩道を飛び越えてゆくの

行き詰まることを
全く知らない幼子のように
楽譜のうえを歩いては
並んだ音符を ....
隅田川より低い千住の街を
駆けていく幼い日のぼくの
こころの隙間に
川風がはいりこむ

湿気を含んだ重い風は
低い街並みをよぎり
川辺から離れた神社に
ぼくを連れていく

友だちは ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
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