夜が、
  たえまなく改行を続けているあいだ
  いくつかのケーキがゴミ箱に捨てられ
  何匹もの犬が鳴きながら焼き殺され
  きみの体に秘められた、すべての
  愛らしい軟骨は ....
眠い、 と 呟いた
起き掛けた肢体を ゆっくりと
置きかけた

でも 平気
ちゃんと 静かに 留まって いるから

ゆるやかに
できるだけ
はみださないで

呪文のように 唱えて ....
土の匂いがした
草の匂いがした
木の匂いがした
日陰ばかり歩いていたら
人間も虫になった


鳴くこともできず
飛ぶこともできず
交尾の仕方もわからず
それでも人間は
虫になれた ....
{画像=120820013040.jpg}


風の音がとまった
日の光が強く押え付けてくる
ガラス窓のこちら側は醒めた水の中だ
連れ立った女学生が口をパクパク動かしている
子供を連れた ....
夜よ ご機嫌麗しゅう
少し話していきません
ぬるい時間をちびりちびり
ロッキングチェアで揺られるような
取りとめのない浮世のことを

露出狂の政治家たちが
脂っこいことばを吐き出してはそ ....
声を大きくして泣く頃はもう過ぎて

しとしとと降る雨のように涙はいつしか零すようになり

とめどなく響く雷鳴に

心はどんどん堕とされていき

私の笑みは消えゆく



その頃 ....
橋を渡る自転車の少女
汗が光り、髪がへばりつく
夏の盛り、川のきらめき
誰を、憎み、誰に、傷つき、誰を、愛する
あなたのいる世界を愛せよ、そこにいる僕も愛せよ──僕は待っている
写真の中のあ ....
押しだされる
水はつめたい

書物は
ため息のようにぶ厚い
きみのまぶたは
蝶の羽のようなかすかな運動をつづけている

空気は遠くなりすぎた
青はためらい
黄色は純情
うす紫 ....
山へ帰りながらふといつものうたが
歌えないことに気づいた

村の畑で菜をついばんでは涼しい枝でやすみ
仲間たちとじょうだんを言い合ったり
洟垂れ小僧たちを少々おどかしてきをはらしたり

 ....
僕にだけ見えない非常口 僕らは暑い夏の夜
安い酒をあおっては
語らいつづけたものだった

僕はといえば
汗をかき
粘液質の肉体感覚に
いらだったりもしたものだ

君はといえば
汗もかかず
すっきり笑 ....
K美ちゃんちの固定資産は
市の自然保護区域にかかっていて
売り飛ばせないし耕作もできない
いきおいほったらかしの奥地には
雑草と野生T麻が生え
Tリカブトが生え
K生労働省承認の薬草園状態 ....
(天使なので)わたしのこよみは残念ながら、あなたのものとはちがいます。同じ季節を生きていると勘違いしてやわらかいにんげんのようなテクスチャのぬくもりに唇をはわせていたと思っていたなら、あなたは本当にお .... 螺旋階段の多重羽化を司る夏の淡蒼球が瞬いている
けれど詩は半透明の憂愁で虚ろに化粧して
液状の街へ出かけたまま戻らない
きっと機械仕掛けの虹のダンスに見とれているのだ
だから私は見あきた窓を裏 ....
{引用=




:::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::: ....
ああどうして
あなたは、貴方は
赤の他人の私の前で
私が見ていた数秒後で
その黒と黄色の不可侵圏を
飛び越えて、乗り越えて
サーチライトに照らされながら
何を思って、どんな心で
大勢の ....
忘れ物に気がついて
もと来た道を引き返す

立ち塞がる湿気
項垂れた街路樹
焦げた揚羽蝶
嫌々巻き戻される遊歩道

本当は忘れたままで
良かったのかもしれない

纏いつく濁っ ....
憧れは青空高く浮かぶ雲の上
いつも そこから見上げれば
勇猛が空彼方に群立つ

届かなければ届かないほど
人は触手を伸ばしたがる
子供だって大人だって

雲に乗っかれる憧れの姿は
み ....
みて
水曜日が
からからに
干上がっている

じょうずに染まってみても
ここには誰もこない
ババババリバリ
爆竹ならす
はじけて散る
散り散りなって
どこへ

煙る、夜空の上に曇る

たぶん史実はほどほどに、くり返す
わたしもどこかでくり返している
軟い心臓の奥にある ....
暑い日が続いている
逃げ水がゆらゆらとして近づけない
今年のお盆を迎えた

斜陽が眩しすぎるかのように
家族というものから目を逸らしていた時期がある
自らの病や
家族を形成する人々の ....
わかっていた
それはどこにもあって
どこにもないことを

わかっていた
それはすぐ隣にあって
とても遠くにいることを

わかっていた
わかっていた
わかっていたのに

どう ....
まるごとわたし、なつごもり
こんな季節なので
あなたと顔を合わすのもおっくう

真っ盛りに教室漬け
教科書ノート参考書の順で
男子と女子が、かたちもなく
見えない上下運動をくりかえす ....
真夜中に
ひとりで開く小説は
難しさを持ち合わせない
さみしさの入り口、
でした



なりふりかまわず
一途にさまよえたのは
誰にもやさしい夏の日で、

つめたい雨のひと ....
突き刺さる言葉の雨は乾かない。 過去は あたたかい渦の中
からっぽのまま 行き先は闇の中
流れていく
動き回る
もがいている

雲が来たり留まったり
生きていれば
生きていれば
風が吹いたり道が見えたり

「わ ....
何かを失うということは
あまりにも日常的なこと
そしてそれが二度と戻らないことも

人が自ら行おうとする
生活に必須なこと以外の多くは
これらの穴埋めや消失感の緩和のため

それが ....
となりのまちから
ひとえき切符を買うより
ぶらぶら歩いて行こうと思ったのが
何かの間違い

閑静な住宅街を歩いていると
だんだん道が狭くなってゆき
家も密集してくる

もとの道を戻ろ ....
あなたの発見を

ぼくは言葉にできる


そうやってふたりは積み重ねてきたんだ

ぼくに言葉にしてもらえなかった発見は

これからふたりで暮らす何十年のうちに

一つ一つかならず ....
ベンチに四人家族が
あの夏を集めて
薄い木立の向こう
ジェットコースターの嬌声が上がる
奇妙な家族は動かない
リストラを告げられなかった父親は
濃紺のコートを着
行き交う家族づれのさざめ ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15765)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
たえまなく改行を続けているあいだ- 草野春心自由詩812-8-20
嘘だけは_吐かないで- 藤鈴呼自由詩4*12-8-20
虫の季節- yo-yo自由詩712-8-20
マクドナルドから見える夏- beebee自由詩25*12-8-20
夜よ_ご機嫌麗しゅう- ただのみ ...自由詩13*12-8-19
しとしとと泣く- 桜 歩美自由詩4*12-8-19
自転車- 黒髪自由詩2*12-8-19
するどい時計- はるな自由詩912-8-18
うたをわすれたカラス- 梅昆布茶自由詩612-8-18
僕にだけ見えない非常口- 北大路京 ...自由詩9*12-8-18
夏の夜- シホ.N自由詩3*12-8-18
山びこ- salco自由詩2*12-8-18
マスカット- 佐伯黒子自由詩3*12-8-17
静かな絶叫- 塔野夏子自由詩3*12-8-17
時雨の時- 月乃助自由詩14*12-8-17
最後の目撃者- なきり自由詩512-8-16
残暑- nonya自由詩21*12-8-16
憧れは雲の上- subaru★自由詩20*12-8-15
からから- はるな自由詩712-8-15
きえ_なつ- 唐草フウ自由詩9*12-8-15
家族でありたくて- かんな自由詩9*12-8-15
- きみのて ...自由詩2*12-8-15
さまよい- りこ自由詩16*12-8-15
ミスト・ブルー- 千波 一 ...自由詩4*12-8-14
消えない雨- きみのて ...自由詩1*12-8-14
花は枯れても- 加藤自由詩112-8-14
遭難者の筆- ただのみ ...自由詩13*12-8-14
ブロック塀- 灰泥軽茶自由詩6*12-8-14
あなたの発見- 吉岡ペペ ...自由詩912-8-14
ゆうえんち- salco自由詩7*12-8-13

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