腫れていた喉に
苦い珈琲を――流す。

少し、楽になったようだ。
時には苦いものも悪くない。  
穏やかな日々を
カップに入れて朝を飲み干す
苦みや甘みを口にふくむ
めぐるという
気づかない音色に耳をそばだてる
あれから

かわらないものを撫でる
空を切りわける風に
 ....
うさぎは
ときおりたちどまり
ふりかえる
そこに菜の花がうすくゆれていた
まるで
なにかのじゅそみたいで
なにかのしゅくふくみたいで

ながい耳は
遠い音をつかまえるため
生きるこ ....
桃始笑
ももはじめてさく


コートを脱いだら
沈黙していた鎖骨が
独り語りを始める

ポケットから出た
あてどない指先が
止まり木を探している

音符を思い出した
爪先 ....
風呂上がり
コップに氷を入れた

君が好きなアイスクリーム
目に入ってしまう


あれからどれくらい
時間たった?
君が居なくなってから

ほんとに別に何もなかったんだけど
い ....
             160310

スミレは紫と決まっています
三色スミレは三色だから
ピンクのは無いのではと
わたくしは瞬間的に思ったのです
スミレも現在では品種改良の結果
ピン ....
ミサイルが飛んで落ちてまた昇るまでのあいだ、
くだらない冗談をひとつずつ言いあって
河原の小石をうめるようにしていた
川釣りのおじさんが面倒くさそうに餌を投げてくれる
もしかしたら彼もみか ....
道路はとっても長く続いている
まるで一つの生き物みたいだ
うねりながら竜が背中を提供している
道路の上を吹く風は天に吹いている風とあまり変わらないのだろうと思う
さあ太陽さんもっとあっためてく ....
しっかりもので 気丈な 母親は
父に 訴えるときにだけ 皮肉を使った
良く届くように 何とか届くようにと

あれはまるで深海の生き物の行動みたいだった
まるで光の届かないところで 疑いを思い ....
空っぽの硝子の鳥籠に
早春の光が淡く虹色に差す

そうすると
わたしはうすい水色の服を着たくなる

――籠の外では生きられない
  華奢ないきものだったはずなのに

  でも囀りは  ....
土手の手つかずの雪が老いて
カラスがなにやら啄んでいる

穏やかな冷気に衣服の戸惑い

惜しめば儚く望めば遠く声は
なにも残さないただ揺らした

言葉が追う死者を追うように

セー ....
長閑な雰囲気を好む

潮騒が聞こえているのに

何となく静か
きらきらと
ひかるピンクのすみれの
しあわせを願うきみのまなざし
誰にでもあって誰にでもないもの
さがしてさがして
たどり着く束になったひかり
すべてから
とき放たれたような ....

街はすみずみまで霧に覆われていた
平等に満ちている粒は
白いサプリメント

普段は透明が満ちていて
遠くまで見渡せた
海に点在する小さな島や
船が描いてゆく波のような道までも

 ....
いろんな花をつみながらあるいてきたね
あかるい花もくらい花も、つぼみも種も
ふりかえることもできないくらいいつもすべては近くにあって
コップはいつも割れそうに満ちていた
みちていた
そう ....
喉のおくに、
何かがからみつく。
潰れた声がでる。
声は声ではなく、
毛を生やして、
毛孔から這い出てくる。
たくさんの、
得たいの知れない、
毛玉が這い出てきて、
私をとりかこむ。 ....
 私はカルピスのいちごオーレの底にたまった沈殿物。
五百ミリリットル入っていても果汁は一パーセントにも満たない。
濃いピンクのふりをしても、先生たちは私のことを講堂に響く大きな声で、赤点、ギリギリ ....
直ドラで右股関節を捻挫した

ダフった衝撃がそこに集中してしまったのだ

向きをかえただけで襲ってくる激痛で

寝ることと座っていることが辛くて仕方なかった

立っているときがいちばん ....
君よ、童心のまま
舞踏せよ
日々の動作の只中に
あの炎を垣間見るまで  
昔MACARONIがあった
MACARONIを知らないものはいなかったけど
お腹に収めるものとして知っていはいた
食べたことはなかったみんな
存在として歴史に残っていた

私のここは何処か ....
しびれるるられるしびられる今宵
えるあえるあえらるるきみの吐息
ながさるるられるさられれる背中
まるまれる稀にあたしはオワナイ
ながれれるられるさらわれる素足
いえられるいえるさよならの呼吸 ....
夕暮れの空は
少し甘めのコーディアル
濁り踏み荒らされた雪解けの道に
照り返し

闇雲な胸騒ぎも
無知な喧噪も
先鋭化した矛盾の
せっかくの露呈も

ほんのり澄んだ彩で
やさしく ....
【ゼロの華】(鈴木 海飛様 発案の御題です )


からたちの木は 棘だらけ
それでも夏には まるく緑陰つくります
嶮しい棘が獣に怖れを与えることを止めません
冬には 雪に伏せらながら
 ....
          160307

本堂の前には
村人全員ラインの
呼び出しで集合
全員参加がこの村のモットーだ
講師の先生が作務衣を着て
お釈迦様におしりを向けて
村人に檄を飛ばす
 ....
ひとりの私はひとりきり
自転車のうえ
川底の小石
草の根元
に這うありんこ
のことは今は見てない
夕食の献立どうしよう
冷蔵庫には
ナスがひとつピーマンが数個
お豆腐半丁
またカフ ....
在日コリアンの金さんは
日本語学校で覚えた
自分の名前を、漢字三文字
ゆっくり紙切れに書いて
少々照れつつ、こちらに見せた。

三十九年生きてきた、僕は
すっかり忘れていた。
自分に名 ....
マイケル・ジャクソンのデンジャラス・ワールド・ツアーを繰り返し見ている

舞台から飛び出すマイケル・ジャクソン

しばらく静止しているマイケル・ジャクソン

動かない

さっと顔の向き ....
どろうみから
 タって 
   ミせて
      あなたはあなたを
ミて
  イたり
     ニたり
        《シ》ナいから
        《シ》して《シ》舞う
カのふ ....
春になったら

ブツブツ唱えていた

春になったら
もう覚悟を決めるのだと
シクシク泣いていた

春になったら
あなたは風の中走り去って
私の呼ぶ声に
振り向きもし ....
元気とは愛するひとに心配をかけない合言葉のようなもの

春霞の朝の街道に生き物たちの匂いがする

うまくいかないことばかりだけど反省する暇なんてなかった

信じ込んでくちびるを噛んで胸をつ ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
珈琲の味- 服部 剛自由詩1+16-3-11
春を飼う- かんな自由詩2+*16-3-11
野うさぎとして生きていく- そらの珊 ...自由詩816-3-11
桃始笑- nonya自由詩17*16-3-10
sweet- 弓夜自由詩116-3-10
ピンク色の菫の花束- あおば自由詩4*16-3-10
ゆうやけ- はるな自由詩616-3-10
生き物の愛おしさ- 黒髪自由詩2*16-3-10
ジレンマ- 黒髪自由詩1*16-3-10
硝子の鳥籠- 塔野夏子自由詩7*16-3-9
春葬列- ただのみ ...自由詩19*16-3-9
静か- 夏川ゆう自由詩116-3-9
ピンク色の菫の花束- かんな自由詩4*16-3-9
白いサプリメント- そらの珊 ...自由詩1316-3-9
コップ- はるな自由詩516-3-9
孵化する声- あおい満 ...自由詩616-3-8
足並み- 為平 澪自由詩716-3-8
幸福- 吉岡ペペ ...自由詩716-3-8
- 服部 剛自由詩416-3-8
MACARONI- 日々野い ...自由詩216-3-8
しびれるる/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩1*16-3-7
ティータイム- Lucy自由詩14*16-3-7
ゼロの華- るるりら自由詩616-3-7
しびれるる- あおば自由詩1*16-3-7
吉川さんお久しぶり- ふるる自由詩5*16-3-6
名前___- 服部 剛自由詩216-3-6
彼岸- 吉岡ペペ ...自由詩216-3-6
どろうみ- ただのみ ...自由詩12*16-3-5
さよなら春風- 瑞海自由詩5*16-3-5
春霞の朝- 吉岡ペペ ...自由詩516-3-5

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