“恋心なんて、とうに忘れた”

なんて
強がらないでください
恋って
いいものですよ

人を好きになる
それは
自分を好きになることに繋がっていくから

忘れないでくださ ....
どうだっていいの

あなたの唇のかたちだとか
声のトーンだとか
くしゃみの仕方だとか

どうだっていいって
思わせてよ
綺麗なうなじが
しゅるりしゅるくねり
沸き立ち逃げまどう

頬紅柔らか梅の花
火照り提灯浮かぶ輪郭
なんて夜風が心地良い

あぁ長襦袢
春のさめざめ醒めぬ宵

あぁ長襦袢
そろ ....
はずかしいことや
はしたないことを
たくさんしてきて
じゃあ今からなにか新しいことを

思ったときに
なんだかひどく
疲れてしまったなと
思った

スカトロジーは愛と同義だ
 ....
苦痛の茨が
絡まりあって
庭園の門にはびこる

旅の途中で足を休める
三月の雨雲たち
深い地の底の熾火を届ける
生垣の椿の花びら

屋敷の番犬が
黒い身体をしならせて
砂利道を巡 ....
{画像=120318231559.jpg}


人は87年間考えて、
考えて考えて、
考えて生きていくと、
いったい何に成るのだろう。

心に硬い硬い殻を纏った
岩石にでもなるのだろ ....
 春の採点

平日
ちっとも忙しくない日
じっと座っていると
時が頭上を通り越して行く
一世紀ぐらいのストライドじゃないかと
それほど風圧を受ける
目の前の原で四歳の私が
一心不乱に ....
自ら意図してじゃないの
前世の因果かしら
武道に縁があるようなのよね

父から剣道の手ほどき
刃を垂直に落として
むぎゅっとばかり、つかを絞る
小指の力が肝心でね

弓を引いた年月も ....
曇り空
天駆ける白馬の足跡が
頭上を覆う 掛布団の裏に刻まれていく

世界はまだ 眠っている
憎しみや 苛立ちの悪夢に
苦しげな 寝返りをうちながら
それは白い眠り 長い冬の終わり

 ....
僕たちはDNAの命じるままに歴史を漂流し拡散してきた

朝露に濡れた森の匂いに

木漏れ日の暖かさに

まっすぐ空に突き刺さるメタセコイアの高みに
想いを託してきた


僕 ....
今年もこの日がやってきた
例年と同じ農園のビニールハウス前に
イチゴ狩りに魅せられた老若男女二十数名
斜に構えたり 無言を装ったり
だが皆が高揚を隠し切れずにいるのだ

農園の主人は愛想笑 ....
幼いころ
のっ原をかけまわっていたあたしの

いつもそばにあったその草花が
いぬふぐり、で
あると知ったのは
高校生のときだった

かわいらしいひびきに
その名をおぼえた
 ....
  籠の中で眠っていた
  バナナの果皮を捲ると
  ぎっしりと雪がつまっていた



  溶けてゆこうとするそれを
  あなたは指の腹を使って
  精一杯に踏み固めた

 ....
山を歩いていると
深い緑に浸り
濃密な孤独感と解放感を
吸い込み吐き出す

誰もいない山道に
誰かの視線があるかと思うと
綺麗な赤いまえかけをした
苔だらけのお地蔵さんが
ところどこ ....
森林公園のなかに
それはそれは
長いすべりだいがあった

ゆるい
傾斜のそれは
すべると
ローラーが
カラカラと音をたてて
人をすべらせていく

ゆっくりと
ゆっくりと

 ....
やさしい言葉で裏切られるくらいなら
容赦ない言葉で殴り倒されたい
強くなれない
それは醜いから

弱くなりたい
それは儚いから

生きているのは
鈍感さの証し
感じやすい奴らは
みんなもう 逝ってしまった
鳥は鳴く
誰も聞いていなくても

鳥は鳴く
木々の梢から
光あふれる 林冠の隙間から

まぶたの裏側に赤く滲む
陽光の温もり
鼻をくすぐる 芝草の匂い
シャツの下で身じろぐ 数匹の ....
冷蔵庫の中に
悲しい思い出をしまう
それを新鮮なまま
また手に取って 眺めるために
指先で掬って 口に運ぶために

人の経験の総ては
無意識の内に求めたものだと
語る言葉があった
恐 ....
「太陽に向かって手を伸ばした」









立ち尽くしてる


長い間




胸の奥に埋まってて


時々痛い



 ....
{画像=120317205808.jpg}

野に集えよ
きんぽうげ

小さき
いつつの
花弁ゆらし
 ....
かしこい子はすばらしいと
うたうおとなたちの心理を
わたしはすりつぶして粉に
したところにたまごを入れ
ホットケーキを作りました。
とても、あまそうな山です
つぶしてみたってなにも、
仕 ....
心のある場所をさがす
頭じゃなさそう
顔じゃなさそう
体でもなさそう
でも体の外にもいない

どこだろ
頭の上かな
みえないから わからない
言葉にもいない

どこなの どこなの ....
雑種の黒い犬を飼っていた
足と耳のさきっぽが白い犬
散歩もご飯の世話もブラッシングもわたしがしてた

学校から帰ると
尻尾をふってぴょんぴょん飛びついてきて
ハッハ言いながらどこまでもつい ....
静けさが残り
(何故か見上げれば
見下ろしている)
さまよいながら求めるもの

宇宙を識るのとおなじくらい 「
人間を知るのはむずかしい 」

(意味に手をあわせ
ただ) ....
登校中の女の子と男の子が
道路を横切ろうとしている
飛び出しに供えて ブレーキに足をかける
春の陽射しの中 防寒着の子達は
車道の前に立ち止まり
急に 女の子がしゃがみこんだ

その手に ....
  空の蒼い日
  乾いた独房に
  ひとふさの春が投げこまれる
  赤錆びた格子窓の向うから
  透明な一枚の手によって



  そこには誰も居ないので
  やがて、壁の ....
びいどろの中に
浮かぶ泡
気泡があるのは
不良品なのか
値下げの札がつけてあった

かなしい音が
とこしえに

びいどろに
刻まれた
唐草文様

ふるさとの野辺に咲く
名も ....
僕は病んでる自分を疎ましく思ったり

でもいとおしくもある


診察券にはだいぶ慣れてきたし

人間て病んでて当たり前なのかも知れない


検査着に着替えて腹部CTをとる

さ ....
研いだペン先 手首を切り裂き
赤い言葉が流れ出す

真夜中のキッチン
冷たい蛍光灯
君の目は
糸を引く赤い流れを
舐めるように追いかける

冷や汗

白い寝巻のワンピース
今年 ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
恋心を取り戻せ- ジュリエ ...自由詩712-3-19
indifference.- れもん自由詩5*12-3-19
宵の花長襦袢- 灰泥軽茶自由詩5*12-3-19
かなり長いシュート- はるな自由詩612-3-19
雲の下の日時計- まーつん自由詩512-3-18
岩石のような人- beebee自由詩27*12-3-18
ニジンスキー日和- salco自由詩9*12-3-18
武道女子- 木原東子自由詩18*12-3-18
開宴の前に- まーつん自由詩312-3-18
DNAの息子- 梅昆布茶自由詩10+12-3-18
イチゴ狩り- ただのみ ...自由詩9*12-3-18
いぬふぐりに会いたい- 森の猫自由詩19*12-3-18
ベランダ- 草野春心自由詩6*12-3-18
苔地蔵- 灰泥軽茶自由詩5*12-3-18
長いすべりだい- そらの珊 ...自由詩11*12-3-18
やさしさって何よ- れもん自由詩412-3-18
ある見方- まーつん自由詩5*12-3-18
- まーつん自由詩2*12-3-17
冷蔵庫- まーつん自由詩5*12-3-17
合わせ鏡- 自由詩4*12-3-17
きんぽうげ- そらの珊 ...自由詩10*12-3-17
ホットケーキ- 佐伯黒子自由詩6+12-3-17
はいっ- 砂木自由詩11*12-3-17
ちろ- ふるる自由詩10*12-3-17
理(ことわり)- アラガイ ...自由詩10*12-3-17
春の熱- 砂木自由詩17*12-3-17
独房の春- 草野春心自由詩9*12-3-17
とこしえ- そらの珊 ...自由詩12*12-3-17
診察室- 梅昆布茶自由詩2312-3-17
赤い言葉- まーつん自由詩6*12-3-16

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