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その一本の桜の木は
古い民家の門扉の横にあって
左右に大きな枝を広げていた

ごつごつとして人を寄せ付けず
大地の力を漲らせ
雨風にそ ....
桜よ月よ

僕は孤独だ

桜よ月よ

おまえの前で

素直になれない僕だから

桜よ月よ

誰かと眺めないでくれ

感情は揺れ動きもしないのに

桜よ月よ

おまえの前だけ

僕は素直なのかも知れない ....
やわらいだ寒さに薄着で出かけたいあたたかいものをいれた水筒


日を束ね春と呼んではいるものの二度と同じ日は集まらない


だれ一人おなじ人間などいない一回きりの春も同じだ


 ....
壊れてしまったレコード
もしくは
石のように固いバームクーヘン化した父
その口からは
絶えず呪詛がこぼれる
隣に住まう
父の兄上との確執が
幼い頃から
絵巻物のようにまた綴られる
も ....
「お世辞」


お世辞を言うのは
下手ではない
お世辞を言われるのが
下手なのだ

流れ落ちるほど
ユルユルに頬を緩ませて
頭の上に八分音符を
乗せてりゃいいものを

野 ....
今日一日を 糧に 爽やかに

人生刹那と カウントしようと

人生長きと カウントしようと

その刹那の赴くままに ポピーがそよぐ風に 爽やかに

選択する余地に 感謝の阿吽の呼吸を  ....
死にたての顔は
愛する人にだけ
見せたいと思う
それは最後の贈り物

だから
病院ではなく
家がいい

生まれたての顔だって
昔は
家で見られたのに

ほかほかの湯気をたてた ....
長いこと
なにかを探しながら
生きてきたけれど
とりたてて
見つけたものは
何もないような
気がする

わたしは
よくばりだったのだろう

長かった夜が明ける
昏い空に
ひと ....
     四月  灰色の午後
    
     湿った雪が舞っている


    人生で何度目のことだろう
   
     心は鉛の錨となり

    失望の海に深く下ろされてい ....
わたしらしいとか
きみらしいとか
らしさなんて
知らない
正直わからない

まだまだ
きみを知りたいし
知ってほしい

そんな面白味の
ない事ばかりです。

ただただ
好き ....
鎖に繋いでくださいと
言わされている紺色の群れ

縛ってください
何も考えられないくらい
と言わされている
紺色の群れ

殴ってください
おしっこ飲ませてくださいと
言わされて
 ....
春が咲く
アリ ア ルウ
美しく香るときを待って
種を手のひらにくれたひとを駅まで
アリ ア ルウ と若さを数え
目で追う 見上げる ひかりたち
半月 日々にゆき交う道
…さくら
いち ....
私たちが
毎日利用していたO駅は
すっかり様変わりし
駅ビルが隣接
広々と立派になっていた
女子高時代の友らと
改札口で待ち合わせる

あの頃
ここには
伝言板があって
「00ち ....
桜が降ってくる
雪が降ってくるように

その時
人は
空を見上げずには
いられない
人は
命の終わりに
気づかないふりなど
出来はしないから

空から降ってくる
ひらひらと
 ....
ハミ出ています
「あら、何が」
ハミ出ているのです
「まあ、何かしら」
あなたのエクトプラズムが
あなたのかしこのダクトから
「何てこと!」
ハミ出ているのですよ
「どうしましょう!」 ....
なんでなの
想えば想うほど
君は離れていく気がして

私はいつも置き去りなの?
君をいちばんに愛していても
届いてないの?

信じたくても信じられない

君を想うほど
冷 ....
南へ向かう鳥達が
薄色の空に溶けて行った

きみは衣装棚から
厚い上着を出してきて
胸元に飾った小さな憧れを
そっと隠した

子犬が地層の匂いを嗅いでいる
鳥の化石に恋をしたんだ
 ....
曇天に溶ける花びら 頬 目じり

花冷えに持ち寄る肌にふる夜よ

うち側に空を描いた傘、卯月

ぶらんこを揺らしてもなお遠のいて
包丁の音
切られた胡瓜が並んで
汗ばむ肌に風そよぐ




*************************
実際は初夏にはまだ早い気もするのですが、初夏の気配を感じたので。
するすると滑る皮下にはとくとくと
詰まる水気の多い蜜の脈

悩むのを止める良くはならない違いなど
生まれた幹が違うのだから

寝た後に晴れる身なら良かったの
開いたまぶたに映る霧

 ....
音は空気を通過するだけで屈折する
光は水を通過するだけで屈折する
事実は脳髄を通過するだけで屈折する

視た
聴いた
嗅いだ
触った

経験という名の感覚の残滓は
時間を刻むことも ....
    摘まれるのならあなたの指先で摘まれたいとささやく、
    生まれたばかりの黄緑色の新芽は、ニンフの羽のよう
    にやわらかいけれど、たちまち老化する残酷な御伽話
    を内包して ....
私のついた嘘が
ひとり歩きして
本物と変わらない姿をして
私の前に現れる

そうしたらもうわからないじゃないか

嘘をついてすぐ嘘だよ
今の嘘だよと笑えるぐらいなら
いいのだけれど
 ....
{画像=120404231231.jpg }
やっとこ咲いた
桜の前で
人々は
デジカメやケータイの
シャッターを切るのに忙しい
かくして
ひとひらに宿る
いのちの姿は
小さなSDカ ....
くだらない差別に負けて雪雫

春分や そろそろビザが切れますね

春分やミャンマーの場所どこですか

春分や昼にも夜にも逃げられず

彼岸西風墓前で酒をちびちびと

遠足の弁当だけ ....
いかにも楽しそうに
エプロンをつけた
ふくよかなお母さんたちが
トランポリンで器用に
跳ねて宙返り
錐もみで
所狭しと回転している

その宙には
くるくる生地がまわりまわり
具材が ....
{画像=080320163452.jpg}


くそったれ と みそっかす


人生の不合理にコトバをあげよう

こんにちは Mr.鼻くそ野郎


そして人生の幸せに涙をあげよう ....
{引用=パラダイス通信}
{ルビ恵原=えばら}市{ルビ肋=あばら}町 字小原
{ルビ茨道=いばらみち}商店街にある
モヒカン鮨

通の客にヒモ各種取り揃え
内装はウエスタン
外道上等
 ....
いつも表情を崩さない
お利口な君のこと
そりゃあ嫌いじゃないけれど
中身をちょっと覗いてみたくて
  一刀両断! 
スパッとやらせていただきました

中ら出たのは意外や意外
小粋なドレ ....
ハロー、ハロー
そちらは元気ですか

私はといえば
ひりひりと喉に張り付く甘い痛みが
まだ 消えません


最後の一言を言わずに
ただたゆたっていたのは
まだどこかで通じ合っている ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
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