七人のこびとは元は八人で現在一人行方不明で
豆の木が大空高く伸びたけどただ伸びただけ雲乗れねぇし
あなただけ映していたいいつまでも私は鏡あなたの鏡
白鳥になったとはいえ醜さは変わ ....
いくつもの
肥え太った想いが
出口に殺到して
立ち往生している
よこしまで
メタボリックな想いが
喉の奥でせめぎ合って
脂汗をかいている
バイパスを回り込んだ
耳障りの良 ....
通う眼差しに灯せない夜はない
瞑り日 損なわれた約束は
名を変えて ほどけつづける
折り返しみつめた指の先も
ひとつひとよ のばして重ねる
掌のまま さしだしても
届かないものに でも ....
お爺さんが訪ねてきた
孫に会いに私を訪ねてきた
しかしお爺ちゃんっ子だった
私の祖父はもうだいぶ前に死んでいる
今自分がどこに住んでいるかも伝えないなんて
随分ひどい話だなぁと
当 ....
愛しさをこじらせた朝
うらぎるように街は香り
なにも
知らないようなふりを
続けるほかになかった
押しだまる人びとのかげに
花水木がしらじらと開いている
野良猫が生垣から顔を出して
じっとこっちを見ている
/かけとび
あやとび/
/ステップとび
去年はできなくて癇癪を起していた
ふふふ、まあ頑張れよコワッパ と思った ....
ぼくたちはことばの国のたびびと
遥かな源流から
ひとひらの花びらが流れてきてそれは
あらたななまえを与えられて言葉となる
ぼくたちは森を抜け荒れ野を辿り
大地から漏れ出た溶岩流に閉じ込め ....
与えて 与えて
心の一部を 差し出す
与えて 与えて
失いながら それ以上に得る
与えた分だけ
別れは深まる
失望に沈む
それでもまた 与え続けて
そういう生き方
あなたの特上の幸せを想う
そんな試験を毎日二万回する
ため息や胸痛がさいきん
一回だけになったんだよ
そしてちょっぴり悔しそうに
微笑めるようになったんだ
あな ....
ぬるい春の夜
アスファルトの上に
花が降っている
葬儀屋の看板が
ほんの少し口角をあげる
目に見えぬ桃色の貝が
ひそかに息を吸い ....
頑張りすぎないでいいよ
もうじゅうぶん頑張ってるから
休みながら出来ないことは飛ばしていこう
そうしてゆっくり歩いていこうよ
子供の時間は今しかないよ
楽しいことだけたく ....
大惨事が起こるその瞬間
世界は目を閉じる
そして
後からくる絶叫の前に
世界は耳を閉ざす
やがて
時間という距離を経て
世界はそれを歴史と呼び
記念碑を建て記念日を定める
見もし ....
水々の声をきいたことがある
うめきに似た
くるしげな
声にならない
声になるまえのだれかの
花々の声をきいたことがある
....
こんな日がくることを
いつから知っていたのだろう
告げねばならない
それがわたしの役目 ....
たんすの中で服達が
牛や熊みたいに押し合っている
それぞれに獣毛をマネた人型の
ウールや化繊の上着達
ラム革合革
色とりどりの
似合いもしないスカート達
無用に増えるコート達
毎年足り ....
気配りも目配りもして落花かな
春装のプラネタリウム高いびき
仔猫飼う育って欲しい健やかに
猫を抱く女装少年芽吹くなり
姉の歳こえてしまって石鹸玉
ナミダよりサクラが ....
ねえ、マトリョーシカ
この世の何処を探したって
貴方ほど馬鹿げた男はいないわ
根っから明るい人間なんて
そんなの、沢山居るほうがおかしいのに
誰かみたいにと躍起になって
自分らしさを台 ....
世界に興味がありません。
私の思うようになってくれない世界には興味がありません。
人に興味がありません。
私を可愛がってくれない人には興味がありません。
見返りだとか、お返しだ ....
季節の変わり目に窓の外を眺めている。
外は雨 外出
細い両目から差し込む光の筋だけではイメージの光量が足りない。
そのため、頭蓋骨の内側を照らすプラネタリュームは暗く星の光は毛穴ほどの大きさ ....
不器用な今日の夕陽が
きみの頬を無防備に照らしてる
絵に映える出来事もなく
通り一遍の言葉ばかりで、また
僕たちはサヨナラを示そうとしてる
駅へと寄せる賑やか ....
モナコ辺りのシンデレラ
リモで手を振るみんなのディーヴァ
バーゲン漁りをせずに済む
女が幸運なのかは知らない
尻の軽い女だって?
ここには沢山いるからねぇ
パリスヒルトンのバカづらも
ノ ....
里にくだると
花の咲く共同湯がある
音をなす早瀬の
そのほとりで 今は、椿がさきほこり
三ぶ咲きの桜たちが
うらやましそうに 見おろしている
昼間から入りにくるの ....
愛という甘美な束縛に身をゆだねることで
ひとはみずからくるしみを選ぶのかもしれない
虚ろな自由よりは五感を満たす快楽が
存在の証となることを
本能的に知っているのかもしれない
国が侵 ....
今日はなに話そうか
そうだねえ
知ってる人は知ってるだろうけど
変なことがある
ビッグバンのとき
なんて気軽に使う言葉
ちっともわかちゃいないけど
そのとき極小のところに
極大 ....
「愛してる」
簡単じゃないはずなのに
誰もが街なかでささやきあっている
君だけを
このひろい世界を
※
勘違いしてしまうのかな
束縛されたく無いはずなのに
相手 ....
彼女を少しと呼ぼう
細い、細い煙草を吸っていた
私が知るそれより一回りも細い煙草
少しはそれに相応しい指を持っていた
私たちはジンとコーラと煙草があればどこでも幸福だった
いたずらに ....
街全体がさみどりの煙のなかにあるようだった。
煙が目にしみる。
街道に木々がつらなっている。
そこには生まれたばかりの新緑が散らばっている。
この柔らかな色彩。
時間がま ....
ぐずぐずな ちへいが
のぞめるおかのうえにたつて
まちからやつてくる
うつうつとしたひとのれつと
あれのに おりてゆく
ぐつぐつしたひとたちを
みおくる
ぐずぐずぐつぐつ
ぐずぐ ....
休日には光の姿態に花を挿し
寝そべる背中に猫でも乗せて
二三冊の本にマスタードをたっぷり塗って
後ろ向きに釣り糸でも垂らしてみようか
古い音楽ばかりが飛行船となる場所で
とりとめのな ....
わたしは日々報道されている
あなたの目や耳の中で
再生可能なものとして
記憶されていく
ご飯の食べ方が汚いですか
歩き方がおかしいですか
そこにうつるわたしによって
わたしが形成される
....
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