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それが大きいのかちいさいのかわたしには分からない
数だということだけ わかる
くらやみを射抜くような空ろないたみがビルを覆っているので
ひとびとはたえまなく降ってくる
切りそろえられた三角 ....
雨のあいまに草がのびていく
つみとってもつみとってものびていく
春は毒だ
帰る場所もないのに咲いてしまう
言葉がおちてる ぷつぷつにきられて
台所 タイルの水色
削りかけの鉛筆がむなしい
言葉はたびたび
うらぎるようなふるまいをする
季節や 温度もそうだし
寝起きの兎だってそうだ
手 ....
手は 夜をすみずみまでたたいて きえた
大事なものと そんなに大事じゃないもの、
をくらべて
でも そんなに変わらなかった
あなたの抱擁のまえで
人生など
あってないようなものだった
 ....
さいしょは辞書を食べるのがいいとおもったの
すべてがなにかということと
言葉の味と、紙のにおい

うそだよ、とか、そんなものないよ
とか
それか、
ほんとうにすべては正しいのだ とい ....
ミサイルが飛んで落ちてまた昇るまでのあいだ、
くだらない冗談をひとつずつ言いあって
河原の小石をうめるようにしていた
川釣りのおじさんが面倒くさそうに餌を投げてくれる
もしかしたら彼もみか ....
いろんな花をつみながらあるいてきたね
あかるい花もくらい花も、つぼみも種も
ふりかえることもできないくらいいつもすべては近くにあって
コップはいつも割れそうに満ちていた
みちていた
そう ....
ダンスはここから遠い場所でつくられた
彩色された記憶 プラスチックの
開かれない窓、錠のない鍵
閉ざされながら きみょうにあかるい
箱のなかの部屋

物語を
つくる というよりも 願 ....
二月のかげで
数が つめたい息を吐いている
冷凍されたトラックに
デコレーションケーキが詰められる

生きていなくてはいけないとぼんやり思う
その反対がわで
死んでいるべきだ が
 ....
またくよくよと絵の具を捏ねては黒くしているあなた
飛べないばかりか落ちていくこともできなくなったあなた
海だとか空だとか持ちだして悲しんでいる
いいよ いくらでも
このあいだふたりで行った ....
夜をむかえるのと
朝をむかえるのは
どうちがうだろう

うえになるのと
したになるのでは
愛するのと
愛されるのでは
生きてくというのと
死んでくというのは

どうちがうだろ ....
手際よくまるめられた種
忘れてしまう いくつもの名前
ヒニカケラレタ薬罐みたく
だんだん焦げて死ぬ

焼却炉 幼いころ 怖かったものの多くは
いまでもわたしを守ってくれる
暖房の効 ....
かんがえてみる
あなたの肉にうまった
あなたの背骨のこと
となりにいながら
月面のように遠い
わたしたちの午後

手を握る
頷き わらいあう
影をみつけて
光を逃がす
吸わな ....
あるのはわかっている
けれどみることができない
ちょうどすりガラスを挟んでいるように
いつかもこんなふうだった、と
ふりむいてみたところにもすりガラスがあって

なめらかなさびしさのな ....
ミサイルは
花のうえをとんで
どっかいった

あぶないから
線の内がわをあるこう
くるまが、ほらこわいよ
というと
花がはじめて
こわい
といった

ミサイルも
 ....
わたしは三角の底辺へ横たわって
(つまりそれはわたしに嘘をつくということですが)
遅くなってしまった理由について
(あるいはその意味について)
考えようとしている

(なぜなら)
扉 ....
朝にはりついた夜はかわいて
とかげみたいにちいさく息をしていた
バターひとかけら食べさせてやる
もうおそいのだ、 外は朝で
朝がきたからにはまた夜まで待たなければならないし
夜がきてしま ....
氷を抱いて熱へとびこむ
飛び込み台にかえるが落ちている
踏んでしまうのとゆう声が聞こえる
踏んでしまう、でもたぶん
さむい朝
ベッドのうえで
あなたは眠っているのではなかった
あしたにも雪が降りそうな朝

似たようなことが
いくつもあった
雨の日や 風の日に
なまぬるく繋いだ体のなかで
あなた ....
朽ちたソファに鳥が座って
判子をまっている
ねむたい もう
立っていられない
鳥たちを 待たせたまま
ぐらぐらする頭をはずして
眠ってしまう わたしは 眠ってしまう
判子は
抽斗の ....
ねむってたら
枯れた実になって転がってた
拾われて
じぶんもとうとう
あつい釜のなかへ と
身がまえていたら
偉いのがきて
それは数には入らないよ
と言う
ぬるく ちいさいての ....
わたしは
あなたが削りとられていくというのに
二酸化炭素のういた水をのんでわらっている

この海はどこにも
繋がらない海です

生活に名前を縫いつけましょう
自殺者百万人
 ....
はぐるまがわずかずつ深くかみ合いながら回っている
つぎの夜か そのつぎの夜か あるいはこのつぎの春には
がしりと組み合ってうごけなくなるだろう
そうしてすべてのはぐるまが動かなくなってようや ....
くまたちは
みえない檻をもうひとつかさねて
頑丈な家をつくった
だれも帰らない家をつくった

わたしはさびしかった
それでこんなに長い歌をかいたのだ
蒸発してゆげになったあなたを食べてた
むかし桜の木のしたで一人で蝶の交尾をみてた
まんかいのユキヤナギ

雨の日は息をとめてすわってみる
すこしでもたくさん思い出せるように
自分のなに ....
私が昔
吐いて捨てた言葉に
躓いて転ぶ今の私を
腐った道が笑っている

はじめから途方に暮れていて
今では
どう感じれば良いのかもわからないのだ
しじゅう痛みのなかにいて思うのもむつかしい夜には、すきま風でもありがたい
手を離せばかんたんに瓶は割れてしまうが
手を離すのはかんたんではないのだ
いつかした夜のようにからだを集めて、
で ....
もういいじゃん
バッグが空
よごれてきたけど
樽も空
ついさっき出荷されたのたちが
残していった空気をぜんぶ肺に詰めて
それで忘れないってことにできたらどんなに素敵だろう

なんど ....
夢のなかでわたしたちは詩を書いている
できるだけすくない言葉ですむように
皿がいち枚しかないから

間違ったことは言いたくなかった
でもただしいことも正しく思えなかった
あなたは始める ....
車輪のないバスがとまっている
低い木のしたに

たぶんそこにあなたはいる
破れかけのシートに心地よさそうにまるまって
外は
こんなになってしまったというのに
さびしい、という言葉も知 ....
殿上 童さんのはるなさんおすすめリスト(484)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
かみの長い男のひと- はるな自由詩916-3-28
つみとる- はるな自由詩916-3-26
手足- はるな自由詩416-3-24
抱擁- はるな自由詩716-3-20
辞書- はるな自由詩416-3-13
ゆうやけ- はるな自由詩616-3-10
コップ- はるな自由詩516-3-9
あかるい部屋、暗い部屋- はるな自由詩216-3-4
デコレーションケーキ- はるな自由詩316-2-27
かもめ- はるな自由詩616-2-26
ちがう- はるな自由詩516-2-25
尖る- はるな自由詩316-2-23
月面- はるな自由詩616-2-19
ガラス- はるな自由詩316-2-18
ミサイル- はるな自由詩716-2-8
三角- はるな自由詩216-2-8
バター- はるな自由詩916-1-17
氷を抱いて熱へとびこむ- はるな自由詩616-1-12
さむい朝- はるな自由詩315-12-21
ソファ- はるな自由詩315-12-16
- はるな自由詩315-12-14
二酸化炭素- はるな自由詩515-12-11
はぐるま- はるな自由詩315-12-11
長い歌- はるな自由詩215-12-11
のころ、- はるな自由詩215-12-9
▪︎- はるな自由詩315-12-7
すきま風- はるな自由詩315-12-4
裏地のないスカート- はるな自由詩715-11-30
夢のなか- はるな自由詩215-11-30
シート- はるな自由詩415-11-29

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