落日
川上凌



射抜かれるような鋭い西陽にしび
僕の皮膚を透明にしたのは
あの日の午後のことでした

僕には魚のようなウロコの鎧は在りません
鰐のような硬い皮も
犬のような強い毛も在りません

僕の皮膚がこんなにも透明で
鎧にも かたい皮にも 強い毛にも覆われず
柔っこくてへなちょこな訳は
あの冷たい午後しか知りえないのです


自由詩 落日 Copyright 川上凌 2013-04-11 23:52:42
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