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陽の当たるところ


その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ

ぼくは一番大きな建物 ....
雨が降る真夜中

傘をさしながら

鈍く光るアスファルトの上

自転車をこぐ

少し力を入れて坂を上り橋を渡っていく

下をのぞくと川は濁り荒々しさに

背筋がざわつく

 ....
ラッキョウを舌で転がすアマゾネス

せせらぎを聴いて寝転ぶ梁の上

釣り忍ふたつみっつと増えていく

FRISKをガシガシ噛んで小暑かな

午後からの授業をフケて青田道

花南 ....
何色がキマるのかな
彼女の前に座った格好で
ポーズを決める姿は何色がいいかな
ニジマスのように美しくありたかった
ナマズのように輝いていたかったんだ
彼女はそんなとこ見ていなかったのかな
 ....
ここは泥棒市場
通称キャットストリート
骨董を売る店が連なる

ここで売っているものは
どことなく胡散臭く
まがいものの匂いがする

モノガタリには事欠かない

溥儀が紫禁城でコオ ....
ヒッグス粒子の

その存在を

つかまえようと研究しているひとがいる

証拠とアリバイを突き合わせてゆく

その仮説は

書きはじめられたミステリー小説のようだ

動機なき殺人 ....
うまく生きようとすると
詩が
書けなくなるんだ

誰かのルール
なぞるだけでは
言葉は
何も語らないんだ

落としドコロ
なんて台詞を
今日は何度繰り返した?
ねえったら

 ....
むっくりと太った柴犬がのしのしやってくる
なんかその照りぐあいは
焼きたてのチョココロネのようで
ぎゅっと抱きしめたら
頭からぽろりととれて
チョコクリームがどっさりでてきそうだ

チョ ....
  換気扇の下で
  きょう、最後の
  セブンスターを吸い終わる
  少しだけ散らばった灰と
  砂のような煙草の葉を
  指を唾で湿らせて
  僕は掬いとった



  ....
{引用= 「竪琴」

  細かい
  木の枝に
  包まれて眠る
  にぶい銀色をした
  竪琴の音色たち
  それは、
  突然の風におびえ
  南へと巣立っていった

 ....
  サインはV 抱えきれない秘密を携えて歩く
頬をなでてゆく風さえ感知できずに

あの夕焼けは何だろう
燃え落ちていく太陽が近くて
僕は崩れ落ちそうだ

愛することと憎むこと
表裏一体だなんて陳腐だっ ....
ひとり寝の小窓から

隣の家のひかりが射していた

腫れぼったいオレンジのそのひかりが

いつか来るぼくの幸福を暖めてくれていた

不安定な感情の波に

もはや難破などしないだろう

ああ、ぼくは、静 ....
市場の朝は早い
そこには人間の胃袋を満たすという生の根源に直結した欲望の匂いと独特のエネルギーがある

狩人が獲物を担いで去ったあとに残された空間は
歯の抜けた老人の
ように
手持ちぶさたの待ち人顔な ....
線路脇ヒメジョオンに見送られ次の駅で降ります、わたし

信号にたどりつくたび赤になる 誰かに 急ぐな! と言われたみたいに

夏蝉は耳がないと聞きました だからことごとくおしゃべりなの ....
わたしがスイカを食べる
それが血液となり
まだ小さい
息子のご飯となる


不思議だ


息子は確かに
わたしのお腹の中にいて
わたしの作った卵から
生物の進化を経て
生まれ ....
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小さい頃から

自分はいらない人間なんだと思ってきた。

いつもいつも、死にたいと思ってた。

そんな時はよく、空を眺めた。

広いな ....
ざっそうは
おしえられなくても
はえてくる

パンダのシンシンは
おしえられなくても
じゅにゅうする

ちのみごは
おしえられなくても
ちちをすう

わたしは
おしえられない ....
南国にも雪はふるのだろうかと
君が言う

南国では溶けて雨になるわと
私は答える

南国で雪がふれば、みんな喜ぶのにと
君が言う

みんなって誰のことと
私は問う

南国にも病 ....
おわりだよ
おわりが来たと騒ぎ立て

やってきたのは
幸せ一つ
  
 
父の隣の病床に
テレビが入院した

治すよりも
買い替える方が安いですよ
と医院長は言ったまま
ろくな治療もしない

翌朝テレビは死んだ
 ....
焼却炉に捨てられた明日
すくいあげた夏の横顔に
毛繕いを済ました嘘が
気だるく黄昏る

あなたと壊疽した月曜に
遠い過去からの絵葉書が
陰気な紙ふぶきとなって
豊満な口もとを埋め尽くす ....
育った場所も
通った学校も

違うことだらけの僕ら

違うからこそ
小さな共通項を見つけただけで
たくさんの喜びをもらったね

違いのひとつひとつすら
いとしくてたまら ....
先に
想いが渡る

次に
鼓動が渡る

最後に
身体と車輪が
ついていく

川面は
曇り空の下で
もっそりと
黙りこくったまま
10両編成の
小癪なリズムに
渡られ ....
雨はアスファルトを強く打ち付ける
悲痛な叫び声にも似たあの音は
彼らの怒りだろうか

天に召され土に還る
人間も雨もむかしはひとつ同じものだった
裸足で
知らぬまに 遠くまできていた
虹色の汽車にのって帰ろうと想う
歩んだそこには、
軌道がしっかりのこっている
帰りは 来るときほどの苦労がないね
そんな声がする
ただ、さびしいあき ....
さようなら。
またね。

彼女はとても美しくそう言って去って行った。

まって。
おいてかないで。

僕はいつもそう思って笑った。
悲しくて仕方なかった。

だって ....
安らいでいたいと思ったら
あの人のことは忘れてしまえばいい
なんてちょっぴり寂しい
食器棚からティーカップを取り出し
角砂糖をぽとんと落としてみれば
落ち着くところはやはり見えない心の底 ....
あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしな{ルビ花=ひと}だね
傘をもって
生まれてくるなんて

いちど咲いたら
もう、とじ ....
如何に生きた、尋ねる声がする

平和でした
知識と技術と民主主義の時代でした
学び続けています
誰かを助けたりはしませんでした
世間のひとすみで労働をお金に換え
蝸牛のような家を借り
 ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
陽の当たる場所で- beebee自由詩32*12-7-12
真夜中の浮上- 灰泥軽茶自由詩7*12-7-12
俳句2012_7月上旬- 北大路京 ...俳句14*12-7-11
自由- 黒髪自由詩2*12-7-11
キャットストリート- そらの珊 ...自由詩9*12-7-11
素粒子たちの夏- 吉岡ペペ ...自由詩1012-7-11
ユニバース- umineko自由詩6*12-7-11
チョココロネ犬- 灰泥軽茶自由詩10*12-7-11
迷路- 草野春心自由詩4*12-7-10
恐怖へのコラージュ- 草野春心自由詩3*12-7-10
Petit- 阿ト理恵携帯写真+ ...6*12-7-10
風が爽やかな夕刻- kauz ...自由詩13*12-7-10
隣のひかり- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...712-7-10
市場にて- 梅昆布茶携帯写真+ ...1512-7-10
各駅停車- そらの珊 ...短歌1612-7-10
スイカ- 小原あき自由詩13*12-7-10
路傍の花- 永乃ゆち自由詩17*12-7-10
パンダのシンシン- 小原あき自由詩7*12-7-10
南国にふる雪- そらの珊 ...自由詩11*12-7-10
狼少年- 三上あず短歌1*12-7-9
テレビ病院- 小川 葉自由詩412-7-9
希望の詩- ただのみ ...自由詩20*12-7-9
違うとこ- ジュリエ ...自由詩212-7-9
鉄橋- nonya自由詩25*12-7-9
かえりたい- マフラー ...自由詩112-7-9
雑想- 月乃助自由詩21*12-7-9
愛はあるから- 田園自由詩7*12-7-9
黒い角砂糖- 乱太郎自由詩21*12-7-9
朝の日記_2012夏- たま自由詩33*12-7-9
自己申告2012- 木原東子自由詩13*12-7-9

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