窓枠は白く
午後のものうさの
界面に浮かんで

俯く薄紫のアガパンサス

灰色の雨の空を
半透明の船が
ゆっくりとよぎる

丘は遠くに緑の横貌を見せて

そのさらに遠く
おそ ....
{引用=憂鬱な目覚まし時計、日常へ旅立つ自転車のペダル、決曜日


ぽっかり空いた胸ポケットに立葵を活ける、華曜日


眠れる森に訪れたファーブルたちの欠伸、睡曜日


静かなく ....
{引用=


紫の影から伸びてく。ぼくはただ明日も今日もきみがほしくて。



夕立にまみれて帰ってきたきみの背中に小指で「紫陽花」と書く。



咲くことをためらっているきみの ....
{引用=頂点はさらに、高さを増す。塔の上に塔を
重ね、そのようにして時代はいつも、賑や
かに葬られていく。足元には、無数のメタ
セコイアが植えられ、手をのばして、空を
仰いでいる。道は、休むこ ....
「恋」

七年目の恋に
激しく身悶えするような
情熱を注いで

イケメン男子は
初夏に早々と
もてないブサイク男は
落ち葉を揺らしながらも

たった一人の女しか  ....
             考える 考える
             君のことを考える
             君について考える

             油断していた
          ....
           あなたのやさしさ ちゃんと通じてる
           秘蜜はね スゴイから 秘蜜なんだ
           だから 秘蜜は 隠れるんだ

           秘蜜 ....
「疼き」

わたしは女吸血鬼
逞しくばしっと叩くような男が好き
やるかやられるか
そのスリルがわたしを余計興奮させるのよ
でもね最近
草食系とか言って
わたしを見ただけ ....
彼女は彼を愛していたし、
彼もまた彼女を愛していた。
傍目から見れば完璧な二人だったけれど
どちらも鋭く光る牙を
その身に隠し持っていたから
二人の恋はいつも死闘になった。
顔を逢わせ ....
灰色の向こうから垂れた糸が
わたしのさらけ出した肉体をなぞってくれる
何千もの指が触れていくように
ひとつひとつわたしの感情に絡まって
蜘蛛に食べられてもいい
今はわたしなんか身動き一つ ....
優しくののしられる夢を毎晩みている

夏草の匂いが瞼に触れたなら
誰かを否定しよう


(今日も律儀にともだちを20人ほど貶してきました
 わたしの夜にまた、
 優しいひとたちがふえて ....
とうさんに教えてもらった花たちを遠くの町でさがしています 日も月もない白い空と
ただ静かな灰色の地
その地平を 巡礼のように
椅子たちが列をなし 何処かへと進んでゆく
「こんにゃくゼリーの会 発足!」

ある日突然
それはひとつのテロ、いや革命だった
「老人と子供にはあげません」
と貼紙をして
こんにゃくゼリーたちが檻の中に閉じ籠ってしまったのだ

 ....
 
電話が鳴った
君は「暇だから・・・」
と言った
白い雲が
空の端から
反対側の端に流れていったのだけ
覚えている

電話が鳴った
君はいつになく無口で
雨音が聞こえていた
 ....
{引用=


シロナガスクジラの背中にのっかって幸せだった波に夢みる





(さみしくて、さみしくて、ずっとさみしくて、しあわせすぎて、死にたかった)






 ....
             触れる
             あなたと手が触れる
             コレクションを手渡した
             ほんの 一瞬
            ....
        あなたと私の魂の頬ずりは
        凝り固まった二人の心を解かしていく

        それは氷が解けて板の上を流れていく
        そんな さらっとした風ではな ....
いちまいの毛布から抜け出した朝は
月が赤い雲に照らされていた

宛はないのだけれど
ただただ澱む空気から
わたしをひとりにする風を感じたくて歩いた
夜明けの部屋ではひとり
きみが ....
急逝蝶苑だったのだ
ドップラー効果を知っている
無線無料タクシーに 乗って
ダンゴ虫のポーズを とって
行き着いた 場所は
             
碧の体液は セルロース製では
 ....
初夏の風がゆるやかに舞い込む白い部屋で
微睡む少年
本を読む青年

壁には無造作に留め付けられた
幾枚かのモノクロームの写真
天井から吊り下がるのは
模型の銀色の飛行船

窓近くの硝 ....
あとだしをするのに負けるきみだから 最初はぐーでちょきを出す恋


気がつけば最初はいつもぱーを出す きみの恋はただしくやさしい


わたしたち最初にぐーを出すわけを 話し合わなきゃな ....
忘れてしまった
君の声は
天使の羽根になって

触れたはずの
君の髪は
星空をすうと流れて

あの頃の時間は
ガラスの破片となって
静かに波の音だけが聞こ ....
{引用=



さみしさを肯定できる朝だった、誰とも笑える人間だった。




どこまでも飛んでいけたら良いのにと 空にまたがりきみが呟く




隙間から風でも入る家 ....
ふたり歩む小径にも
ふたりくぐるアーチにも
薔薇たちは咲き誇り 香りはあふれ
胸の想いも 互いの声音や眼差しも
薔薇の魔法を帯びて かなしいほど甘やかに染まり
この園がいっそ迷宮と化せばいい ....
ぱらぱらと降りそそぐ
オレンジ色の十字星     / ジュウジボシ
軽やかに土を跳ね
思い思いの居場所に
身を委ねる
 
 ....
{引用=


春風ときみの匂いがYシャツに はじけてはぜた朝です (おはよ。)



明け方の郵便受けでぼくを待つ群青の文字「What can I do?」



便利という言 ....
わたしは
あなたの音楽でいたい
あなたのくちびるがそっと開いて
嬉しそうに口ずさむ
空に向かって呼ぶように

わたしは
あなたの水でいたい
奇跡の泉にはなれないが
乾いた心を潤し ....
               金を使っているもの
               だけでなく
               ほら
               この錆び色の茶碗も
        ....
{引用=

お互いの手首に傷をつけあって きみより深い線がしあわせ。


剃刀をあてる瞬間、瞳孔が はじけそうなきみが大好き


誰よりもやさしいきみが溶く赤は 酸素に触れてよごれてい ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15765)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
七月一日- 塔野夏子自由詩3*10-7-5
七曜日_(即興七行詩)- 夏嶋 真 ...携帯写真+ ...30*10-7-5
紫陽花- あぐり短歌210-7-4
トーキョー- 望月 ゆ ...自由詩32*10-7-4
- 乱太郎自由詩10*10-7-3
考える- 鵜飼千代 ...自由詩13*10-7-2
やわらかな良心- 鵜飼千代 ...自由詩6*10-6-30
疼き- 乱太郎自由詩12*10-6-28
マングースとハブ- 楽恵自由詩14*10-6-26
- 乱太郎自由詩9*10-6-24
夏草- あぐり自由詩5*10-6-20
とうさんへ- あぐり短歌8*10-6-20
旅_景- 塔野夏子自由詩6*10-6-19
こんにゃくゼリー革命- 鵜飼千代 ...自由詩14*10-6-19
電話の向こうで- 乱太郎自由詩14*10-6-18
See_you_in_your_dream.- あぐり短歌7*10-6-17
触れる- 鵜飼千代 ...自由詩8+*10-6-17
至上の食物- 鵜飼千代 ...自由詩8*10-6-14
有明- あぐり自由詩3*10-6-12
急逝蝶苑- 鵜飼千代 ...自由詩7*10-6-8
少年と青年と飛行船- 塔野夏子自由詩2*10-6-7
じゃんけん- あぐり短歌9*10-6-5
忘却- 乱太郎自由詩10*10-6-4
happiness- あぐり短歌8*10-6-2
薔薇園- 塔野夏子自由詩12*10-5-29
金木犀_零れる- 鵜飼千代 ...自由詩14*10-5-26
scean- あぐり短歌13*10-5-25
- 乱太郎自由詩15*10-5-24
錆び色の茶碗- 鵜飼千代 ...自由詩6*10-5-21
かーにばる- あぐり短歌4*10-5-19

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