『鋏』


月が、
夜に噛まれる。
欠けていく姿は
溶けて海となった
残り少ない流氷
その上に、
この足は立つ
諸手は木の柱に括られて
身動きができない。
足 ....
夏にさよならを
今年は雨が連なりますね。雷師も人格が変わってきたようです。
と、お天気お姉さんが言っていました。
それはそれで構いません。
カレンダーを丸めたような手紙をバトンにして
 ....
心細さを擽る風が
お腹の底を吹いたかと思うと
今朝からは

おびただしい数の赤い蜻蛉が
突然現れたにしては
脅威的な確率の高さで
ペアを組み
次々に風を横ぎっていく
二匹ずつきちんと ....
夏の陽射し

猫の影くっきり

耳をぴーんと立て

猫の影くっきり

二匹の影が重なり合う

世界中の地面や壁に

夏の陽射し

猫の影くっきり

尻尾をぴーんと立て
 ....
散歩

子供は誰かとあるくのが好き

たえずおかぁちゃま

たえずおとうちゃま

おとうちゃまのなかのよい和さんは

かずにいちゃま

抱きつきたいの

走り ....
超破壊少女は今日も行く
決して"不良"なんかじゃない
日頃の鬱憤を
機関銃に変えてゆくだけなのだ

紺色のスカートをひらひらなびかせて
道路のど真ん中颯爽と歩く
今日 ....
籠の外にいると夢のなかでからだを動かしている人形のようだ
よわいからこまる
はやくまたあしたから籠の中に入って働きたい
突然の夕立が 
アスファルトに湯気を立てて 
逃げ込んだ バス停の屋根
あたしはスカートを拭いていた


飛び込んできた
雷の音と いっしょに
きみの白いカッターシャツ
どきどき ....
安全な部屋から庭を眺める
緑色の雑草に当たって跳ねる雨粒
驚いたように飛び上がるアマガエル
裏返ったまま濡れていく黒い突っ掛け
畳に投げ出された妹の両足
夏休みの宿題を広げるだけ広げて
雷 ....
  暗号は箪笥にしまわれていたが
  防虫剤の匂いに毒されもう使い道はなかった
  幼少期に誰もが熱をあげやがて棄て去った玩具同様
  為されるべきことは二、三あったものの
  その手 ....
誰の記憶の残暑に
響く蝉時雨か

夾竹桃は紅く照り映え押し黙る

正午の陽炎――
誰の耳に聞こえてきたのか
その遠い声は

雲が湧く
わたしの知る あるいは知らない存在の
残暑の ....
虫かごがなかったので

捕まえた一匹の蜩を

膝の中でかいだしたのは二日前

膝の構造のなにがよかったのか

膝の中で蜩は、よくないたのだった

スタバでコ−ヒ ....
顔のない世界を
ゆっくりあるいてゆく君を
ぼくは呼び止めて
お茶に誘ったんだ

言葉が伝わらないままに恋をし
手をにぎらないままに
ベッドに誘ったんだ

きみは買い物袋をさげて
と ....
さようならスペイン
壁に描いたコスタ・デ・ソルの海岸を
忘れないで
蝉がちりちりと鳴いている

曇天に夕方の縞模様ができている

ヘリの音がする

電線がうごかない

縞模様もうごかない

ヘリの音が遠ざかる

遠ざかれば遠ざかるほど

そ ....
書けない、書けない、書けない、書けない、
ばらばら
と紙くずばかりが
おちてくる
山と積まれた本のなかから
自分の胸を引っ掻く
キイワアドを探しても
君のいない時間は
 ....
なかなか膨らんでくれない風船に
飽きもせず息を吹き込み続ける
何処かに穴が開いているのを知りながら
滑稽な独り遊びを止めることが出来ない

春には妄想を咲かせて散らして
夏には傷痕を弄 ....
やわらかな夜の入口で
関節のありかを
ひとつひとつ
たしかめていく
幾度となく
繰り返してきた
解体のための
いとおしい作業
継ぎ目よ
さようなら

肉体は部品となって
ていね ....
兄が言った

「俺、 トリンドルになるわ」

僕は少しだけ夏が好きになった
 
ふたしかさ。
たしかなふたしかさを持つ
それが彼のこころ。

みえるようで
みえない。
いつも家族が集まる夕飯時に
そっと背中を通って
硝子窓を覗く
それが彼の部屋  ....
ぶれた背景と

ぼやけた輪郭

笑うのならば笑いなさい

ただし、
カメラワークを笑いなさい

わたしじゃなくて

カメラワークだけを笑いなさい






 ....
愛やら哀や食傷小町
茄子を揉み揉む{ルビ外法=げほう}のスアシ
アブラ{ルビ帷子=かたびら}文系ソバカス
{ルビ瞬=しばた}くひゃっこの黒蜜{ルビ空=から}して

{ルビ琴=きん}やら{ルビ ....
早く
早く早く

私のメーターの
ほんの少し先を
あなたが走っている

私は
追いかけるだけでいい
あなたの息づかい
乱暴な試み
私は
任せるだけでいい

私ののどが
低 ....
一週間前にがなりたてるように鳴いていた、蝉の死骸を見つけた。
こいつは実は長生きなんだ、騙されないぞ、と僕は思った。
この世は、騙される事が多すぎる。
ずっと彼氏は作らないと言っていた、大好きだ ....
仕事から帰って
社長と上手くいってないような気がして
幻聴にすべてを奪われるような気がして
水をたくさん飲んだ
がぶり がぶり
ありがたい ありがたいと
唱えるように

 ....
友達いないんだというのがあなたの口癖
それはただの気分の問題だけど
その言葉でもって友達を減らしているのは事実だ



「無神経」という文字をある日せんせいが黒板に大きく書いた
お前のこ ....
今寝転んでいる布団で
眠るように死にたい

出来れば
最高級羽毛布団にして

床の傍らに
「愛する人」なんかつけちゃって

夢十夜の第一夜みたいに
ロマンチックに死にた ....
巫女のバイトしてご利益がない

死を垣間見る
生に敏感になる





ぼん

わたしのいぬはしんだんです
あいしていたんですほんとうです
なのにあのこはにゅうがんで
ひとすじにょうをこぼしてしに ....
生活という書式をたちあげる
ブラインドの隙間から
僕の一日がやってきたならば

年月という埃をまとわせ
洗濯機からまっさらな振りをしてでてくる
洗いざらしの理想

ベンジャミンフランク ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『鋏』- あおい満 ...自由詩814-8-18
夏の消印- 朝焼彩茜 ...自由詩21*14-8-18
アキアカネ- Lucy自由詩18*14-8-18
夏・陽射し- ……とあ ...自由詩12*14-8-18
散歩- 月形半分 ...自由詩314-8-18
超破壊少女- 瑞海自由詩2*14-8-18
ぼぼんぼぼん- うんち自由詩214-8-17
夕立の後の香り- 藤原絵理 ...自由詩614-8-17
夕立の後の香り/即興ゴルコンダ(仮)未投稿- こうだた ...自由詩3*14-8-17
我々の暗号- 草野春心自由詩714-8-17
残暑景- 塔野夏子自由詩6*14-8-17
晩夏- 月形半分 ...自由詩514-8-17
神話- 梅昆布茶自由詩1714-8-17
marciero_memoria- mizunomadoka自由詩414-8-17
時よ- 吉岡ペペ ...自由詩714-8-17
『ぺニス』- あおい満 ...自由詩4*14-8-17
モドキ- nonya自由詩29*14-8-17
心だけ小さな舟に運ばせて- そらの珊 ...自由詩22*14-8-17
夏、_怖い。- 徘徊メガ ...自由詩114-8-17
『こころ』- あおい満 ...自由詩10*14-8-17
カメラワークを笑いなさい- 千波 一 ...自由詩214-8-17
食傷小町- ただのみ ...自由詩19*14-8-17
アローン・アゲイン- umineko自由詩9*14-8-17
はーどぼいるど- 田園自由詩6*14-8-17
無題- 田園自由詩514-8-17
憂うつな子ども- ユッカ自由詩314-8-17
出来れば- 瑞海自由詩8*14-8-17
巫女のバイトしてご利益がない- 北大路京 ...自由詩1314-8-16
- 田園自由詩414-8-16
日時計- 梅昆布茶自由詩1614-8-16

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526