きれいなことばの、
尖った先で
日常にいくつもの
穴をあける
風船のようにふくらんだ毎日から
すこしずつ
空気のようなものを抜くために
あらそいなんて
したくないから


 ....
夏は秋のように色が多くない
色褪せたような夏
爽やかという言葉が似合う

色が少なくても地味ではない
人々の心に印象づけるパワーがある

潮の香りが街を擽る
その擽ったさに耐えきれず
 ....
なにが入っていたのやら
わからないのだけれど
綺麗な包装紙や箱

おふくろが
いただきものの
高島屋なんかの包装紙なんぞを

ていねいに折ってあるものが
押し入れの隅からときどき ....
どこからともなく
ゆくえをさまたげようとする
いたみが
むねにひろがります

さいきんはもう
おくすることもなくなりました
ただずっとくもんするばかりではありますが
それをこまったなと ....
ぬけがらは
掌の不浄に砕かれやすい

ぬけがらも不浄も掌も
やがては土へ帰す
全くの異種

ぬけがらを砕く枝は
融合であり
ぬけがらを砕く雨風は
融合であり
ぬけがらを砕く掌 ....
あなたの熱が
愛情
なのか
義理
なのか
義務感
なのか
興味
なのか
など
など

探ってしまう深みで

選ぶ言葉

わたしにむけられた
言葉から
未来を
つく ....
柔らかい悲しみは 降り積もる
落ち葉に埋もれて 腐敗の暖かさに
林の樹木は無頓着に 日々を紡ぐ
自然な 季節の移ろいに 滑らかに


回転運動の 単調な繰り返しに
追随して耀く 儚く ....
道の向こう歩く君に手を振ったら人様の庭先で掴んだ柿の実が落ちたのは水面を覗き込む犬が餌をくわえた自分に吠える話に似てわんと鳴けと命令する君なぜか三度回って楽しそうだからもういいや一緒に笑うと月も笑った .... 美しい言葉を
うすぺらいと
思う人もいる
人の心や現実というものを
わかっちゃいないねと
笑う人もいる
そこへたどりつくまでの
流した涙を知らずに
美しい言葉を
幻想だと
突き返す ....
都会に降る雨は
ビルをぬらし 
車の音をくぐもらせる

ビルに囲まれた後楽園を洗う
こぬか雨の中
大島紬に蛇の目の女がひとり
水田のほとりにたたずんで

周りのビルは雨に流れ
 ....
秋の香りが残り僅かなあなたを
連れていきました

どこか 遠くの あなたを

待つ女にはなれません

言い切る前に
お行儀の悪い左手が
わたしの頬をぶちます

秋はふざけた科白 ....
わたしはうばわれない
わたしの肉は獲物ではない

おとこの不満の
不安の
うらみのために
たちこめる灰けむりのなか
凍えた血が沈んでいく

打ち捨てられた ....
わたしの知らない
誰かの食事

わたしの知らない
誰かの寝息

そんなこと
知らないなら知らないで
なにひとつ困らない

そもそも
知らないことのほうが
はるかに多い
 ....
怪しい光を放つ満月の夜
踊る道化の子守唄

眠りなさい
眠りなさい
夢さえ見ずに

深い眠りの奥深く
真実の姿さらけ出し
噛み殺したような笑顔浮かべ

そろり
 ....
上座のない、円卓で話したいね

ぶっきらぼうや
口さがないのに頂いてしまっても

下座もない、円卓で話したいね

ひとつ意見をしただけで
100の説教を喰らわされたのだとしても

おどおどしながら ....
頭蓋骨にぽっかりと穴の空いた人は
心にもぽっかりと穴が空いたようで
表情は少ない。
手の震えは、脳味噌の痙攣で
その人の手の震えは、僕の心を痙攣させる

その人の無表情の時間は次第に長くな ....
銀色の飛沫をあげて僕の頭がスパークする。
それは一線を超えた幸福。
手の平から放たれた感情。
自分自身を取り戻す熱情。

七色の太陽。
夜空に煌くダイアモンド。
黄色い鳥達の声。
 ....
やさしいやわらかいものばかりに
ふれてしまっていると
ひりひり、ひり
としたいたみのあるものをだきしめたくなる
ふあんやあんしんやそういった
ことにかんけいするのかもしれない

 ....
駐車場に車を止めて目をやると

2階の窓が明るい

携帯で電話



これからすることがあるので
今日はちょっと



すぐに窓は黒くフェイドアウト

駐車場に取 ....
誰かが外から力をねじ込んだ
固く ギリ ギリ と
{ルビ蜷局=とぐろ}を巻いて震える はらわた
突き上げるような衝動!
目を見開き
歯をむき出して
喧しくシンバルを鳴らし 
── 鳴らし ....
なぐさめられたままの足跡が
振り返られたことのない過去に
何事も言わぬままに付き添っている
その音だけに人々は聴き惚れている

何かあれば裏切られたと言う 何もなくても自 ....
もうそろそろだと
祖母は言う
おかいこさんのからだが透けはじめると 
そのうち糸をはきだして
楕円のおうちで
別者に生まれ変わるのだと

その不思議な虫は
一日中
桑の葉を食べている ....
あまりに大きな世界の
ほんのひと粒ずつにすぎない実りは
そのささやかな色づきに
すべてを聞き取り
すべてを見届けたつもりで
素描します

そして素描は
素描の域を出ないのです

 ....
台風一過
雲一つない青空
仰観すれば…
あれっ蜘蛛一匹

秋なかば 
部屋を覗くお日様
そして
スパイ ダー
 
タップばかり押し続けた指先の感覚
あれは黄金のリングが消えた瞬間だった
真っ青な上空から一直線に扉が開き
どこまでも蒼い深海の気圧の中で裸の男女がひとつに戯れていた
岩のような半獣身の肉体 ....
独りを覚えるだけの夜に
慣れたとは言えない
猫よ、おいでと
願って応えるのは風だけ
季節風が今夜は凪いでいる
わたしのようにさびしそうに
思わず窓を
開けて招くが
彼はとてもはずかしが ....
「こんなとこにおったら,殺されてまうわ」

自覚症状のない患者は 大抵こう言う
痛くもない腹を探られるような 不快感
PCが作った断層映像など 何の説得力もない
説明すればするほど 脅し ....
私はわたしの重みだけで倒れて割れる

痛みの断片を寄せ集めて
出来上がったわたしを私は消したいのに
身体の内側から鋭い切っ先に刺されて
抜けた髪の毛の断面からすら血がしたたる
私の中身はわ ....
月を見ようとする顔が曇っている 気持ちも身体も
行ったり来たり

ドキドキとハラハラの
ほんのわずかな
タイミング
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
深い呼吸の前に- かんな自由詩3*14-10-11
色褪せたような夏- 夏川ゆう自由詩114-10-11
包装紙- 梅昆布茶自由詩2214-10-11
いたみ- 陽向自由詩5*14-10-10
空蝉- 千波 一 ...自由詩214-10-10
天秤- はなもと ...自由詩314-10-10
もみぢ踏み分け- 藤原絵理 ...自由詩8*14-10-10
手を振った、実が落ちた/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩3*14-10-10
赤い月はノクターンを奏でる- そらの珊 ...自由詩17+*14-10-10
雨の小石川後楽園- イナエ自由詩11*14-10-10
秋深まる前に- いるみ自由詩414-10-10
あなたがたのものではないのだから- 凍湖(と ...自由詩1*14-10-10
祈りに似ている- 千波 一 ...自由詩314-10-9
「_満月の夜は_」- 椎名自由詩114-10-9
円卓- 鵜飼千代 ...携帯写真+ ...8*14-10-9
その人の笑顔- ……とあ ...自由詩18*14-10-9
- ヒヤシン ...自由詩8*14-10-9
いきづく- かんな自由詩9*14-10-9
サフランモンブラン- 芦沢 恵自由詩21*14-10-8
誰ももうネジを巻くな- ただのみ ...自由詩22*14-10-8
訪ねられない朝- 陽向自由詩4*14-10-8
偏愛- そらの珊 ...自由詩2414-10-8
愛をめぐる素描- 千波 一 ...自由詩214-10-8
窓を開ければ- イナエ自由詩7*14-10-8
・ホーキング博士(タップ)画面に射精する- アラガイ ...自由詩4*14-10-8
午前二時- もっぷ自由詩414-10-8
徒然に- 藤原絵理 ...自由詩6*14-10-7
「ハンプティダンプティ」- 桐ヶ谷忍自由詩9*14-10-7
月を見ようとする顔が曇っている- 北大路京 ...自由詩414-10-7
良くも悪くも- 中原純乃自由詩3*14-10-7

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526