すっぽりと紅葉を被り

ひのひかりを浴びる

こっそりと山を歩きながら

誰にも気づかれないようにと

鳥の鳴き声をまねて

飛んでいく

雲が急に流れだし

しっとりと山 ....
{引用=
冷たい
雨がふりだした
雨宿りする安らぎの軒は、どこにもなかった


若いものは 走りだし
きた道をもどり始める にぎやかな娘たちも
年老いたものは 天をあおぎ
荷を背負っ ....
幾何学模様の闇が重なる
夜の底に
ひそやかに灯る青白い共犯

夜が明けて
其処に残されているのは
誰にも読み解けない証拠だけ

誰もが息を呑む
美しい証拠だけ
十万人の弁慶が向かってくる 記憶はなにを食べて生きながらえているのだろう

指先から冷えていくのを彼女はまだ気づいていない

埃を吸ったあとの掃除機をそっと抱きしめる

モーターの余熱が伝わって やっと明日につながる ....
月の舟に乗って
子供たちは夜を往く

魔法の絨毯
空飛ぶ木馬

月明かりに照らされて
夢を喰らい
子供たちは夜を往く

月の舟に揺られて
夜はそっと更けて行く

月の舟に乗っ ....
明日の色は
だれにも見えない

必ず見えない



もしかしたら、とか
うまくいけば、とか

思いを
重ねれば重ねるほど

夜は深く染まって
真っ暗だ



 ....
寄り添いたい
あなたと
冬はもうそこ
木枯らしは近い

並木は化粧を剥がしだし
惜しげもなく
紅いを降らす
さよならの

似合うばかりの
薫り立つ
かなしい晩秋

思いだけ ....
フレドリック・ブラウンの死にいたる火星人の扉という創元社の文庫本
推理小説だが
彼には火星人ゴーホームという超絶な作品もある

火星年代記というレイ・ブラッドベリの名作

火星の赤い砂はア ....
  積み木の赤い部品が
  緑のうえにそっと載る



  駆け抜ける電車の影が
  血の気のない床を砕いて
  それから
  途絶えて消える
  轍のひとつも残さず
   ....
  おまえはだれだと
  蟻が訊く
  秋枯れの
  木の根をしいんと横切り
  くたびれた靴の色より
  鮮やかなぼくの影
それで結局一番取扱に困るのは自分自身であって
説明書が書けない せいぜい 長さと重さぐらいだ
従って「取扱説明書」は比喩でもなんでもない 真実だ
ぼくは電化製品だ コンセントとプラグは父母だ 修 ....
一人静かに座っている
ばあやの横にすずめが一羽
ばあやは米を振りまいて
にこにこにこにこ動かない
ちゅんちゅん鳴くは我が子とて
お日様だけが動いてる

すずめよすずめ
ば ....
わたしはうまれるまえの
かたまりの内側に潜んでいた
ある日溶岩とともに かたまりが溶けて
わたしが流れ出た
海が生まれた
空には赤い夜の太陽が
花開きながら飛び散っていた
 ....
僕達の世界は
連結された断片が
縫い閉じられた模様を織りなすタペストリー

つぎはぎだらけの時間を
つなぎ合わせて生きている

僕達の過去は
累積されない想いで満ち溢れ
飽和している ....
身に零れ落ちてくる
生暖かき雨
抱きしめているようで愛しい

今は雨に打たれていたい
悲しみや傷跡が癒えていくようで
少し心が軽くなるよ

この濡れた道を歩いて行けば
きっと光を浴び ....
いま時分には珍しい朝凪に
吸い寄せられるように
車を止めて
浜へ降りて行った

もう、母国に
呼ばれることのないカモメたちが
白を惜しまずに羽ばたいている
水面はきらきらとさやかに
 ....
アスファルトが
冷たくて
誰にも会いたくなくて
でも
人の気配がほしくて

笑えよ
ゆるんでよ
そんな
尖った顔して
背中丸めていないで
だいじょうぶ
大丈夫だよ
鳥が飛んで ....
檻の中にいる時より
人の中にいる時の方が

君はずっと孤独だ

誰かと語り合っている時より
一人で黙っている時の方が

君はずっと雄弁だ

誰かに褒められている時より
誰かに見捨 ....
青く開いた空の深みから
一つ また一つ
無言の頷きのように
頬に
建物に
大地に寄せられる
ふわりと白い口づけ

それは
氷柱のように尖らせて行く
生ぬるい毎日の中で肥大した妄想を ....
マダム・スミダを貴方に
   (原題:Serve The Last Pie For Me) 
     {引用=作詞:Doc Pomus・Mort Shuman・岩谷時子
補作詞:因縁崎渡世子
 ....
Agains 

今年はじめての 雪でした
足の下に さくさく 
冬の音がする

雪のつめたさに
舌打ちしたり
みなが冬をきらうから
少しばかり 冬は意固地になっていたりするのです
 ....
供述によるとお前は
うつくしい女と出会った
彼女は駅の階段でうずくまっていた
いくら声をかけても反応がなく
そっと肩を叩いたとき
顔をあげた女と目があった
お前はこれがほんとうの恋なのかと ....
本当の自由を求めて空を見る

名も知らぬ黒い鳥が
隊列を組んで空を渡っていった

翼があるから自由でいいねと
そんなふうにつぶやくのは
自分の翼で空を翔んだことがない人間が想うこと
あ ....
何を
為すべきか

訊いても
効かない

玉の涙も
給わる標べ

  *

名もなき
何か

帰すべく
来ている

たまたま生まれて
弾ははじけた

  ....
私には何かが足りない

満ちた月が少しずつ欠けていくように

足りない何かが

少しずつ時間をかけて暗闇が私を包んでいく

すっぽりと暗闇が私を包んだとき

私はどこかに向かって
 ....
見上げる星よ、きみであれ

痛ましいほどに
疑いようもなく
きみであれ



忘れてくれるな、
燃え盛る目を

忘れてくれるな、
恥じ入る肩を



かろうじて ....
正しさってなんだろう

正方形の角が 誰かの頬に食い込むとき
その痛みが 真四角の正しさを証しするのだろうか

正しさってなんだろう

まっすぐな線をまっすぐに歩くことが
そんなに尊い ....
ほほ笑みのリズムに逆らわない 浴室で
血は
思うより
少しだけ赤い

一枚ずつ意識を剥いでゆくと
なつかしさの手前で
熊たちが手をふっている

わたしは
もう
あなたがしてくれたようには
わたしを愛せな ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
秋の音- 灰泥軽茶自由詩7*12-12-4
雨の子- 月乃助自由詩9*12-12-3
名のない罪- 塔野夏子自由詩5*12-12-3
十万人の弁慶が向かってくる- 北大路京 ...自由詩4*12-12-3
自家中毒- そらの珊 ...自由詩16*12-12-3
月の舟に乗って- 未有花自由詩12*12-12-3
明日の色- 千波 一 ...自由詩8*12-12-2
晩秋ひとり- もっぷ自由詩312-12-2
火星の銀色の月- 梅昆布茶自由詩2112-12-2
積み木- 草野春心自由詩712-12-2
- 草野春心自由詩712-12-2
取扱説明書- 空丸ゆら ...自由詩1212-12-2
ばあやとすずめ- 田園自由詩312-12-2
『赤い快楽』- あおい満 ...自由詩8*12-12-2
チューブウエイアーミー- 梅昆布茶自由詩1012-12-2
rain- 柊 蒼衣自由詩312-12-2
大丈夫- もっぷ自由詩512-12-2
生きてろよ- 蒼木りん自由詩212-12-1
ずっと、ずっと、ずっと- まーつん自由詩6*12-12-1
冬に見つけられてしまうと- ただのみ ...自由詩18*12-12-1
マダム・スミダを貴方に- salco自由詩4*12-12-1
FinAgains- 月乃助自由詩7*12-12-1
供述によるとお前は……- 木屋 亞 ...自由詩5*12-12-1
胡蝶の夢- そらの珊 ...自由詩2112-12-1
名無き魂- シホ.N自由詩212-12-1
欠ける月- 灰泥軽茶自由詩5*12-12-1
約束の歌- 千波 一 ...自由詩7*12-12-1
正しさってなんだろう- まーつん自由詩12*12-11-30
ほほ笑みのリズムに逆らわない- 北大路京 ...自由詩312-11-30
熊たち- はるな自由詩412-11-30

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