ほんとうにこの夜は
つるつる光って石のようだ
そうしてあなたの目はそれより真に暗い

ほんとうにこの夜は光って
日々のゆく先をかけがえなく照らすだろうけど
そのたびにまたその目を思 ....
                150609

死刑廃止の署名にサインして
いつも僕をリードする勝子が
A4用紙を突きつけた
住所氏名を手書きで書くのだ
署名の目標は100万名だと
少し ....
四方に充満した水の粒子が
わたしの髪の毛を
ちぢれさせてゆく
梅雨に不機嫌になるのは
そんな他愛のない理由だった

透明な傘を持ち
すれ違う人が
生真面目な歩幅で
人を殺す理由
人 ....
値札ついたままのぬいぐるみと話している  
砂漠の真ん中で
洗濯機が回っている
インド綿のシャツを着た官吏が
時々中を覗きにやって来る
 
飛行機が上空を通過する
やり場のないコウモリ傘や
目新しい嘘を乗せて
 
真夏日 ....
人々の行き交う、東京駅の構内。

黒く髪を染めた
赤い靴の、ちっこいお婆ちゃんが
赤い傘を、杖にしながら
白い化粧の頬を、ゆるませ
何ごとかを唱和しながら
ゆるり…ゆるり…進んで行く
 ....
踏まれた影は
足裏を剥がれ
午後の陽なたに取り残された

じりじり
地面に焼きついて

暗室に水を滴らせ
白く感光する
幼年の記憶

影を踏んだ子は
逃げていく

どこまで ....
家を背負っているのではない
としても
先祖代々の戒名が殻に閉じ込められ
捨てることなど出来無い重み

ああ
家を捨てたナメクジよ
お前は…
150606


めがねの度が合わなくなってきた
またお金がかかるわね
本を買うお金がこうして消えて
めがねをかける必要の無い
兄弟姉妹が羨ましいと思う
そ ....
神宮前の小橋で懐かしのフォークソング唄う人

懐かしの? 

わたしは懐かしのを知らない

知らない懐かしを知ったふりして心縮めていたの



右肩横をかすめて通りすぎた黒服男はも ....
臨月する、補色
、の
子宮に、
漂う
百年の孤独
水の昏さを溜めてゆく瞳に
追憶のかたちとして映る睡蓮
青い闇の底
鍵盤が滴る
それらを奏でる指たちは
烏座の方角からやってくる

遠くにたたずむほの白い光圏の
愁いと呼応するカーテンの揺らめき

漂う柑橘の花の香が
ふとひと ....
{引用=(わたしには言いたいことって一つしかなかった)}

全てであって唯一であって
たとえて神さま宛ての一度きりの手紙だとして だから
たくさんを考えてたくさんを削ってみて
「伝わる」って ....
よくわかるのだけど
しんたいかんかくのことばへのへんかん
そして
「※それ」へのきょうかんへのかつぼう
よくわかるのだけど
わたしは
その先を知りたいんです
なぜ、なんのために、自分を削 ....
満天の星空を見て
思い出す
澄んだ思い出
済んだ思い出

風が髪に纏わり付いて
香りを運ぶと春
長い睫毛が絹の肌にかかり
スカートを脱ぐと夏
手と手がゆったり合わさり
頬を赤らめる ....
たとえばある種の硝子を隔てて
見つめても そこには世の冷たい写しと
見飽きた己の顏しか見いだせないのだが
硝子の向こう 不可知な領域からは
こちらの姿が逐一観察できるように

ひと筋の時の ....
「ねぇ なんで喋れないの?」

染めたこともないのだろう
黒髪に浮かぶ 天使の輪が揺れて
不思議そうに彼女が私を見た

ほんの気紛れだった

クラスメイトの誰とも関わらず
自分の ....
かけるにはまるい枠がふたつほど必要です
わくわくないとお目こぼし落ちこぼれる体
だから決して眼鏡をひらいてはなりません

めがね
めがわ。
めが。わ
め。がわ
ぬがわ

一つ、まる ....
屋上の鍵を開けてほしい。
それはどこでもよくって、たとえば学校、病院、あるいは都会、夜の空。
どこでもいいから、逃がしてほしかった。
青春とか、出来合いの言葉でなぐさめないで、あなたの情熱で、思 ....
ダンゴムシが数匹いる
足元ので猫がないているのだ
マンホールの下


水を吸って黒くなる雨の音が
傘から漏れて
地下に流れていく川の
どこへ続くのかを僕は知らない



 ....
ちいさな
とてもちいさな
水滴が
星をちりばめた環のように輝く
ちょうど空になるところに
蜘蛛が
浮いている

ため息が
ふうわり、ふわり
糸をゆらす、と、
おおくの補色たちは
 ....
アリスの部屋にはたくさん引き出しがありました

引き出しにはお菓子の家の入ってる引き出しや風邪をひいたときの気持ちが入ってるのやあじさい畑が入ってるのや牛乳瓶のどんよりした透明が入ってるのや走って ....
晴れやかな日々
暑くも寒くもない気候が
活動的にさせる

初夏という言葉の響きが好き
心地良い風が吹き抜ける

新緑が眩い
陽射しを浴びて踊る
葉が生き生きしている

散歩して自 ....
職業は会社員
仕事は数字を殺すこと
会社に入るまで知らなかった
仕事は数字を作ることだと思っていた
ところがそれは間違いで
一年の始まりにはすでに数字が
月の始まりにもやっぱり数字が
山 ....
 湖岸に立つ私に風は爽やかで
 静寂の中に鳥たちの声が聴こえる。
 靄のかかった湖面から小枝が屹立する情景は
 私に生命力の尊さを教えてくれる。

 静かに歩み寄る初夏の足音に耳をすませ ....
寝起きの
かすれた視界でも
はっきりと片腕が
太いのがわかった

昨日
止血したせいかと思う
腕をまっすぐ上げよう
治るかもしれない

すると
タクシーが止まってしまう

横 ....
まん丸な絶望、の
港にある(いる
アンニュイ、と
月、の、もの

飛び立つ紫、は


陰嚢(ふぐり
、を掻き切って
伸びてゆけ蔓たち

伸びてゆけ
潜行する
太陽、の
 ....
 
ページを捲っていくと
その先に
廃線の決まった駅がある
名前の知られていない従弟が
ベンチに座って
細い背中を掻いている
とりとめのない
日常のようなものは延々と続き
梅雨の晴れ ....
扉を開いた、棚の中
いつのまにやらトイレットペーパーは
残り数個になっていた。

棚に、空洞のあいた分だけ
僕は日々の栄養を、摂り
少しは成長したろうか――?  
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
この夜- はるな自由詩115-6-9
うつけもののささえ- あおば自由詩3*15-6-9
パーマネント_ラビリンス- そらの珊 ...自由詩13*15-6-9
値札ついたままのぬいぐるみと話している- 北大路京 ...自由詩715-6-9
真夏日- たもつ自由詩1415-6-8
赤い靴のお婆ちゃん_____- 服部 剛自由詩415-6-8
影踏み鬼- Lucy自由詩14*15-6-8
カタツムリ- イナエ自由詩18*15-6-8
眼鏡。- あおば自由詩6*15-6-8
木漏れて- 芦沢 恵自由詩16*15-6-7
西瓜- 草野大悟 ...自由詩115-6-7
睡_蓮- 塔野夏子自由詩2*15-6-7
五月の夜- 塔野夏子自由詩2*15-6-7
___(2015.06.07)_往復書簡840)- もっぷ自由詩315-6-7
ヴェクサシオン「騙されながら騙している(かのように)」- もっぷ自由詩215-6-7
水性サンドイッチ- 瑞海自由詩3*15-6-7
長くも短くもなく終わりも始まりもまた- ただのみ ...自由詩18*15-6-7
女子高生と人魚- 愛心自由詩415-6-7
眼鏡。/即興ゴルコンダ(仮)投稿.43- こうだた ...自由詩2*15-6-7
嫌いになってよ- ユッカ自由詩515-6-7
- 佐藤伊織自由詩115-6-6
_Fairy_Tail___________________ ...- 草野大悟 ...自由詩115-6-6
アリスの引き出し- 吉岡ペペ ...自由詩515-6-6
初夏- 夏川ゆう自由詩215-6-6
殺し屋のパラドックス- ただのみ ...自由詩15*15-6-6
明け方に- ヒヤシン ...自由詩7*15-6-6
腕を上げたら- 小川麻由 ...自由詩5*15-6-6
葡萄- 草野大悟 ...自由詩115-6-6
梅雨- たもつ自由詩1315-6-5
棚の空洞- 服部 剛自由詩215-6-5

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