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曇天下の胸騒ぎ
足元には水銀の玉
手の平は鉛の重さに耐える
落ちる鉛は水銀を
アメーバに変化させる
行き場のない胸騒ぎ
行き場のない水銀
行き場のない鉛
曖昧さの温床
私に巣食う曖昧 ....
ポストから落ちる紙
君からの手紙もあった気がする
お構いなしに紙を踏み付け
ベッドで思いを走らせる

君と過ごした時間は最高だった
嘘じゃない 本当に思う
今となっては手紙も読めない
 ....
静止していない観覧車
鉄骨の隙間からまばゆい光景が届く
夕日に包まれ 光輝く建造物
流線型の美しさを再認識させてくれる
渚における砂と海水の攻防
自然の移ろいに身を任す

広い隙のない部 ....
「Call My Name」(金子ノブアキ氏作詞の引用)
「ふと見上げれば伝う一筋は
 あなたを讃え流れる祈りの涙」

特にここが好き
オノ・ヨーコ展で感じた
私を肯定してくれている感覚
 ....
アーティストの名前は覚えていない
確かブラジルの現代美術展にて

ささやかで嬉しい発見をした

ささやかな絵画だと
最初は思った
でもインスタレーションとの事

なぜこの絵画がインス ....
私は褐色がかった指に
マニキュアを塗る
輝く爪を手に入れるため

これまでは
手をほめてくれる
人達がいた

大切にしていた
私の白い手は
褐色になりつつある

鋭角の風のよう ....
『戦場』

弟はベッドで戦っている

私も家で戦っている

主人は形は違えども戦っている

病院は戦場だ


弟から返信が来た

「もちろん、がんばろう!」

この短い文 ....
ベッドの上を
痺れた四肢で
這いずり回る

時間は進んでいるようだ
カチカチとなる時計
この音が私の命を蝕む

私の寿命は短いと
悪びれもせず言い放たれた
怒りの感情はなかった
 ....
私のちょっとした秘密

私には もったいないくらい
心が暖かい友達がいる
彼女は自分が大きい存在だってこと
気付いていない

自信持って
お互いもっともっと
理解しあおうね
泣きた ....
浮かんでは沈んでいく言葉達
言葉のありかは深層意識
漁師のように言葉に網をかける

網にかかった言葉は
時に楽しく
時に悲しい

最近は悲しい言葉ばかりが網にかかる

何度も 何度 ....
痛みを経験した者は
痛みを遠ざけようとする
痛みは見えない
個人的な経験

理解は求めていない
ただ想像する事が
可能なのか
知りたい

みんな みんな
いっぱい いっぱい
固 ....
バケツいっぱいになった涙を
今夜こそ ぶちまけてやる

そう思ってから幾日たっただろう
涙はバケツから溢れて
私の全身はびっしょりと濡れている

もう涙なのか 小便なのかも
定かではな ....
お願いがあるのです

私が着ている
裂け目と泥にまみれたこの服を
ハサミで切り裂いてください
フォンタナのキャンバスのように
時にはためらいながら
時には迷いなく切ってください

お ....
トントントン
ゆっくりした音なら
それは私だよ

トントントン
とてもゆっくりと
私は杖をつく

杖は私を守る
杖は人を親切にさせる
杖は時に悲しまさせる

たられば なんて嫌 ....
人柄 カラカラ 空っぽ
人柄 ヒトヒト とんでもない
人柄 ラカラカ ラカンさん
人柄 トヒトヒ 内緒だよ

活字が押し寄せてくる

読めない本を積み上げて
土のうの代わりにしよう
 ....
意識の混濁
高熱40度近く
どっさりと抜ける髪

何十袋もの点滴
細い血管
痛み 痛み 痛み

局所麻酔 時間切れ
我慢 我慢 我慢
埋め込まれたポート
カードを渡された

 ....
あなたの愛情が重いと
夫に言ってしまった

涙が出るがままに
小さなノートの片隅に
小さな詩を書いた
暴力的な詩をカモフラージュにして

「伴侶よ幸せになっておくれ
あなたこそ幸せに ....
遠く聞こえる稲妻よ
お前には運命がある
私の手となり脚となり
この世のうんざりすることを
ことごとく破壊破滅させるのだ

私に残された時間は長くはない
私の血肉が存在した証として
お前 ....
私は歩けない私は歩けない私は歩けない私は歩けない私はあるけない
私は歩けない私は歩けない私は歩けない私は歩けない私はあるけない
私は歩けない私は歩けない私は歩けない私は歩けない私はあるけない
私 ....
寝起きの
かすれた視界でも
はっきりと片腕が
太いのがわかった

昨日
止血したせいかと思う
腕をまっすぐ上げよう
治るかもしれない

すると
タクシーが止まってしまう

横 ....
幼い頃の私
皆から愛されたいと
思っていた
永遠に不可能な事に
気付かさせてくれた
私を嫌ってくれた人達よ
感謝の意を贈るよ

とても魅力的な
マリリン・モンロー
皆から愛されたい ....
嗚呼そうだ

人ってイライラすると
舌打ちすると思い
普段はしないが
舌打ちをしてみた
いい気分にはならなかった

人っていい気分でないと
眉間にしわを寄せると思い
普段はしないが ....
治療しなければ半年です

そう告げられました


でも私は治療をします

そして半年以上生きます


生きます
サワサワとゆったり
流れる河のほとり
私は目を閉じ姿勢を正して
瞑想を試みる
私の心臓はトクトクとリズムを刻む

トクトク
上流から聞こえて来た小さな音
近付くにつれ音は大きくなり
 ....
この世を渡り歩くには
涙は欠かせない存在
広大なこの世に対して
涙の粒はあまりに小さ過ぎる
この小ささであの広大さに
対峙するには どうしたらいいのか

悲しみ 喜び 絶望 歓喜 不条理 ....
涙が滴り落ちた先には
絢爛たる辻が花の文様
涙と文様が醸し出す
融合は偶然の成す技

今にも落下しそうな
涙は ほほで弧を描き
柔肌から離れた途端に
滴と化し宙を突き抜ける

まつ ....
重い門扉と高い塀
黒い真綿にくるまり
闇で安らぐ一羽の鳩

塀に絡まる蔦に捕らえられ
動けなくなった一羽の鳩
一本の矢が刺さっている

矢は吉兆なのか 不吉なのか
それとも幻影なの ....
赤い いや 赤というよりも
ただただ光あるのみというような
西に隠れてしまった太陽の
最後の恵みを一身に受けて周囲に放つ
一筋の雲が地平線にて輝く

その選ばれたかのような雲に
光は吸い ....
A点からB点へ
車両を移動する

B点にて
柔らかさを失いかけ
固さを含みかけた風が
胸元を刺す
傷口は身震いする

B点からB'点へ
車両を移動する

B'点にて
葉緑素を ....
から騒ぎのヘッドフォン
耳から外した途端
空虚がなだれ込んだ
世界は静止してしまった

私の体はがくんと落ち
その場で手にした石を
池に投げ入れても
波紋さえも描かない

生気を奪 ....
殿上 童さんの小川麻由美さんおすすめリスト(59)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
グレーゾーン- 小川麻由 ...自由詩2*16-2-27
稲妻- 小川麻由 ...自由詩1*16-2-25
贈与- 小川麻由 ...自由詩1*16-1-19
ライブに行くぞ!!!- 小川麻由 ...自由詩2*15-10-26
ささやかな発見- 小川麻由 ...自由詩4*15-10-25
マニキュアの存在意義- 小川麻由 ...自由詩7*15-10-23
戦場- 小川麻由 ...自由詩4*15-10-20
あなた達の幸せを願う- 小川麻由 ...自由詩3*15-10-18
ありがとうがいっぱい- 小川麻由 ...自由詩2*15-10-15
漁師のように- 小川麻由 ...自由詩4*15-10-14
わからないことだらけ- 小川麻由 ...自由詩1*15-10-13
IKB- 小川麻由 ...自由詩1*15-10-10
花を探します- 小川麻由 ...自由詩4*15-10-8
- 小川麻由 ...自由詩3*15-10-6
身に染み渡る人柄- 小川麻由 ...自由詩3*15-10-5
- 小川麻由 ...自由詩4*15-9-30
至福- 小川麻由 ...自由詩4*15-9-25
恐怖に満ちた空- 小川麻由 ...自由詩2*15-9-18
私は歩けない- 小川麻由 ...自由詩3*15-9-18
腕を上げたら- 小川麻由 ...自由詩5*15-6-6
エゴ- 小川麻由 ...自由詩5*15-5-22
切なる私の願い- 小川麻由 ...自由詩3*15-5-21
余命の告知- 小川麻由 ...自由詩11*15-5-10
心臓の音- 小川麻由 ...自由詩5*15-5-10
地球内生命体- 小川麻由 ...自由詩4*15-5-6
不思議な涙- 小川麻由 ...自由詩3*15-5-2
ピジョン・ブラッド- 小川麻由 ...自由詩3*15-1-8
地平線上のある出来事- 小川麻由 ...自由詩7*15-1-4
車両の移動- 小川麻由 ...自由詩3*14-11-8
無力- 小川麻由 ...自由詩2*14-7-30

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