どんづまり!
この
どうしようもないどんづまり
にやって来た

しかしながらそう言う文句が
初めて聞く人にさえ
了解可能な
どんな絶望的事件もここになく
そのこと自体が一つの絶望 ....
 ドライエリアに死す


トイ・プードルのロロちゃんの糞
またいで仰げば真白の太陽
お洗濯干すにもフルメイクで行く
口紅は三層塗りの林檎の色だよ
トップコートはシャネルのグロス
庭に出 ....
くもらぬ声で
ささやく物語が、愛

結末は
かなしくても
信じるしかなかった
瞬きの間が、愛

傷んだものは
そのままにしておくことが、愛
差しのべる手も、愛

叫ぼう ....
旅立ちは賑やかだ

大皿に盛り付けられた笑顔と
色とりどりの激励の前で
あくまでも清々しく感謝を歌い
覚悟の靴紐を適当に結んだら
潔く見えるように出発しよう

旅立つ者の不安は誰も ....
緑道公園の木の上で

最後の蝉が鳴いている


ジリジリ・・・
ジリジリ・・・


今にも力つきそうな声で鳴いている

その声は一瞬一瞬過ぎるごとに
確かに弱々しくなっ ....
{画像=110917004242.jpg}



わたしはひかり / わたしはしずく

ふようして / こうかする


あなたはやみ / あなたはこうずい

かくさんして / ....
やがて
色彩の和声も荼毘(だび)に伏されよう
弔鐘すでに熔けおち
あるいは
ふるびた博物館で骨組みをさらす古代魚
の、夢にすぎぬかもしれない夜の訪れ
時の基底膜を無音が
うち鳴らす。
 ....
わたくし 妖怪 おもてなし と申します
わたくしの体のほとんどの部分は 水なのでございます
人間の水分量は六割だそうですね 人って よくそれで生きておれますわね

たわいのないことを地獄 ....
宇宙のかなたの秘めごとに
聞き耳を立ててみたくなるような
わたしの夜は

透きとおるほどに汚れてしまう
汚れるほどにもろさを甘受する
もろくなるほどに
他を傷つける


  ....
  猫よ
  おまえは邪魔だから
  どこまでも流れていってしまえ
  そう言うと僕は
  ギャアギャアとあばれる君の飼い猫を
  便器に放りこんで
  「大」のレバーを回したのだ ....
刹那感じた不安を
あなたに伝える事が出来なかった

今襲う静寂の中
感じた恐れを抱き合って紛らわす

私が正しいのかなんて
分かりっこないんだ

あなたが間違ってるのかも
分かりっ ....
工事ランプは今夜も寂しくて
車もまばらな夜の向こうには
灯るような、三日月

いまとなってはどんな言葉も
傷をかばうための
道具でしかないのなら
せめて
こまめに
踏むし ....
  そこに
  動かないものがあったので
  蓋を開き
  白い花弁や
  視線や
  高層ビルなどを
  挿してみた



  動かないものは
  動かない
  闇を ....
おとこになりたかった朝
帆は灼熱の陽を浴びて地平をあとにする
浚われる嵐のなか
深い足元の
秘密の入り口を手繰り寄せながら
画の空を目指す
幾千もの夢を乗せて

引き寄せる ....
わたしたちは知らない
夜の闇のいちばんふかいところで
じっと目をとじ 夜をつむぐ
夜の織り人がいることを

あらゆる夜の恩恵をもたらす
ものを語らぬ夜の織り人がいることを

夜のしずけ ....
素直になろう

ココロの底の
声をきいて

素直になろう

諦めきれないのなら
そのままでいい

自分にウソをつくのはやめよう

これだけ焦がれる気持ちには
逆らえない

 ....
つくづく
惜しい
つくづく

よしずも扇風機もスイカも
歯が立たなかった
暑いがらんどうのような
夏が逝く

つくづく
惜しい
つくづく

不安と疑念と我慢を
素肌に貼 ....
  朝の月は
  言いたいことがあるのに
  黙っているような感じ



  薄明かりの部屋に
  てんでばらばら
  きのうの話
  おととしの髪の毛
  あさっての哲学 ....
あえる ね

お、 と、
あ ふれる ね


はるか な はる が ね
くる ね のにね の に ね

あ ふれる ね
ほほ ほほ うふふ



ひのな ひの なか ....
つまりは総括なのだ。

ありとあり余る残滓と
ありとあり余る余韻と
ありと有り余る余震と
ありとあり余る贅肉と
ありとあり余るバリと
ありとあり余るカニバリズム

雷鳴の中 交差点を ....
猫と人間
解り合うなんてまやかし
だけど確かにその目線の先にお互い存在して

真夜中に交差する心
 わがままなあなたのReは愛しても
 まだ足りないと盗みいるひと


雨の夜は朝がこないとテレビのなかの猫たち
雨でも散歩はできるよね、と
傍らのちいさな犬はぽつり
おやすみが言えなくな ....
にきたまの
ささめきと。
どろつちの
ちんもくと。
今宵の風も
黒雲をはらい。

にきたまの
ささめきと。
どろつちの
ちんもくと。
雨のよは
ほかになし。

黒蝶貝なる
 ....
僕のキボウたちが
帰還した
脆弱で
ふわふわと
吹けば飛ぶような

キボウたちは
希望の面をかぶった
苦悩かもしれない
でもそんなことは
もうどうでもいいのだ
キボウたちは
 ....
やさしい人はどこですか、と
尋ねることばが多すぎるので
空はすっかり無言です

晴れ渡る青空の日も
雨の日も
風の日も
空には無言が広がります

だから時には
黙って空 ....
鏡を見つめるわたしの目の中に、
鏡を見つめるわたしの目が映る。
(ひとみの中で、鏡像が無限に連鎖する。)

鏡の回廊、光線の無限反復。
鏡の回廊、すべてのものを閉じ込める。

瞳のなかで ....
路地裏の縁台に腰掛け
はだけた胸元に
団扇で風を送り

茶請けに水羊羹
冷茶を一服口に含み
にんまり、

路地には打ち水がしてあり、
しおれかけた朝顔の鉢が
そこ ここ

遠く ....
わがままな迷子のためのひつじ雲
お日さま連れてあしたもおいで



迷いのない軌跡を示せ飛行機雲
だれのものでも、いつのものでも



先端の爪にひそかに願いごと
 ....
茜の空と群青の海

私は その{ルビ間=はざま}に行きたくなりました

赤紫の{ルビ間=はざま}は 空でも海でも陸でもなく

名の無い存在で

寂しげのような 楽しげのような

{ ....
何も応えない貴方は
私にとって死んだも同然。
殿上 童さんのおすすめリスト(15765)
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