表に隠し事を置いての帰宅

家庭内では夫婦みたいなものを演じて
翌朝のベッドのシーツだけが
不自然に整っている

   *

夕刻の歓楽街
会社の上司に連れ添って
男は飲めもしない ....
{引用=

君がいて ほどけるきもちにつくなまえ 留めるホチキスさがしているの



君がいて 境界線を塗りつぶす その為だけの世界地図買う



君がいて きゅうにほしくなっ ....
パステルブルーのまあるいボールが目の前を
ぼんっ
と跳ねてった

あなたが待っているのがボールの向こうに見えたけれど
私はボールを追いかけた
追いかけた

ぼんぼんボールは跳ねていく
 ....
机の引き出しのなか
右の白い封筒には
レポート用紙が五枚
三つ折りでたたみ込まれていて
真ん中の一枚が
初夏の居間、
線香の香りのように
鼻の奥に
ひびき
ねじれて
横たわっている ....
おもいで

10円玉を握りしめたいつかの少年が泣いていた
こんなにも近くにコンビニがあるのに
駄菓子屋という夢の国は遥か遠くで
疎開してしまって

コンクリートだらけの街並みはいつも ....
シスター、魔女たち

「黒い森を、見知らぬ男と女が逃げています。あれたちは、城下の者ではありません」

月光の影(シルエットだけ)


呪われし王の姿、針の雨嵐吹き荒れる棘丘に現す

 ....
変化する雲の形状を

君は歪だと呟いた

絶えまない永遠の

一瞬しか見えていないのに
君がはらはらと はらはらと泣くから
僕はただ おろおろと おろおろとするしかない

君がほろほろと ほろほろとこぼす涙に
僕はただ ふわふわと ふわふわと夢ごこち

あやまったってゆるされ ....
サラリーマンだった父の背中は
遠くて近寄りがたかった

自営業を始めた父の背中は
なんだかわからないオジサンだった

年老いた父の背中は
丸く小さくなったが
ぐんと近づいて
いろんな ....
散るために咲く花の 年々

洞庭湖の晩 暗く 俯き 
薄氷の光を踏む

木立の沈黙 彩か鳥の姿まだ帰らず
君の歌声 一遇 銅琴の音 華やかなりし頃 
遠く 
宮廷楽人 詩酒の会

 ....
冷たい銀色の刃を
白い腕にあて
力を入れてスーッと引く
白い皮膚に赤い筋がつく
なぜだかわからないが
心が落ち着く

けれどすぐに不安にかられ
再び刃をあてて一気に引く
何度これを繰 ....
{引用=

光沢をみせる
明かりが窓からもれ出ています
街辻に面した旧い教会は、十字をかかげ
黒い街灯は、とがったその四角い頭をおもたそうに
旧さの中に時を埋めてしまう
子どもがくれた葉 ....
{引用=


もうこの海から月は見えずに
溶けきってるわたしのりんかくは掴めずに
今日の、その感覚が
痛いって 知ったの、知ったの
痛いって。

(たべたい)

中指 ....
あなたを深く想えることで
私はとても幸せそうです
心の奥のもっと裏
今にも涙が出そうです

あなたと出会えることで
私はとても嬉しそうです
冬空には飛んでいる鳥
今にも頬 ....
 
Moonlight
さっきまで聴いていた君の声
月に浚われた気がして・・・

確かめたくて
電話してみたけど
月まで電波は届かなかったみたいだね


Moonlight
いつ ....
鉄くずが
泣きやんだ

そんな
気がした夕暮れだから
昔ばなしはおしまい
今日はおしまい



踏まれた枯れ葉が
くすっと笑って飛んでった

きっと誰しも
そうや ....
生まれるはずだった私の子供は
こんな朝にもあらわれます
さむいって

生命がただ恐ろしかった私に
ぞんざいに扱われた私の子供
かっと見開いた目で私をみつめてほしい

耳だけがさえて 
 ....
ギッタンバッタン
ギッタンバッタン
揺れる織機に糸は止め処なく流れる

機織りする貴女の家を訪ねた
白髪交じりの老眼鏡に覗くまなざしは
古代の機織の乙女と変わらぬ清楚さで
遥か遠く
白 ....
誰も喜ばないサーカスが来て、
誰もが白い眼で見るパレード。


お情けで取ってやってる新聞屋が、
朝っぱらから集金に来て、
俺は金属バットで、ぶん殴ってやりたい衝動に駆られる。
ただ ....
今日は
とても
暑い

夜風に
吹かれて
風鈴が鳴る

「チリーン、チリーン」
家の窓につけている
風鈴は
風に
あおられて
くるくる
回っていた

夏も終わろうとして ....
赤ん坊が泣く
抱き上げる

お腹がすいたと泣く
抱き上げる

眠たいと泣く
抱き上げる

えくぼを見せて泣く
抱き上げる

毎日 毎日
抱き続ける

柔らかな頬
ミルク ....
来年も再来年も
あいにきてね
例のごとくうまく
伝えきれなかったけれど
涙が出るほどうれしかったの

こういう時にちゃんと
涙が流せればとおもう
わたしはもっと
あらわせる人になりた ....
楽しいこと は まわる(こと?)

まわる から たのしい?

わらって

だれでも いいから せなかに のせて

おなじ ばしょを 

おなじ りずむで

ぐるぐるまわる し ....
心から溢れ出ん限りの言葉を尽くして
わたしがあなたに言えることはたった一言
短くて、簡単で、誰でも知っている
小さい頃から教わった、単純明快な

そんな一言しか

愚かなわたしをずっと見 ....
豊洲から有明へ
ゆりかもめ沿いに

豊洲駅を東へ歩く
すぐに現れるガス資料館を抜けると
広大な空き地が広がる

新開地とはこんな
空っぽの場所を指すのだろうか

遠景は遠すぎるが故 ....
夢とやら希望とやらがない場所に

袋に詰められ

ぽいっと投げ出されてしまったよ


夢とやら希望とやらを喰らって生き続けてきたからさ

飢え死にしろってことなのか

しかも袋詰 ....
夏のかすれた孤独のいろは

黄色いキズだらけの女の顔

ひとりかそけき偽物の怒り

哀しみが募集されている

夜の電車が紙を震わせる

カレの家を見に行くほど

俺はイカレテい ....
さわっておかなきゃ
久しぶりに会った彼女に言われた言葉
安心しきって甘えるように喜んだ顔

私はやさしく頬笑んだままされるがまま

洋服の上からやわらかな手で撫でられる
撫でられる
撫 ....
遠くからお帰りなさいと声がして
あったかい部屋へ転がった
ころんころん おもいやりをください

おみやげです
受け取ってください
あたため続けた 愛してる

夕べ寝ないで考えた
一生 ....
僕は閉じた片目で
海を引き剥がし、
青の翡翠の深海を
手に入れたんだ

風から風へ色を贈り
東から西へ光を沈め
海から海へ船を済した

君は乾いた片眼で
空を引き剥がし、
灰色の ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
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