肺の音はきれい聴診器つめたい明日がとおい 君の髪が香る
桃色の香りがする

君の色は移ろいやすく
シャッターも捕らえられない
閃光 虹色を散らす君
僕の白いシャツはおかげさまで

君の声は
どんな音よりも心地よく ....
初めてから25年
若い頃には考えもしなかった
年令になった

想像できなかったなあ
あの頃の私なら
今の私を変な目で見てしまうだろう

過ぎた年月を経験と言い換えて
歳を比べてみたっ ....
帰宅すると妻がキレていた
子供が泣いている 上手にお座りしながら

帰りが遅いとキレていた
仕方のない理由 会議とラインしたが既読スルーだった
育児中のストレスを二人で割っているつもりだけれ ....
星になったお父さん。
緑色に染まった大腿骨
熱が残る銀の台。

星になったお父さん。
布団の上に置かれた守り刀
それを手に取り
喉元へ突き立てる。

白く覆われた空が
泣くのを見ら ....
淀んでいる
流せない過去で出来上がった今を懐かしさが気味悪く
吠えている

静かに 泣き方を知らない喫煙席の隅で
水っぽい香水ぷんぷんさせて
むせている

心を無視して向き合って半分だ ....
空き地に
なつかしい
水色の小さな花が
咲き始めれば
私の中でも
息吹く何かを感じる

おかえり
ただいま

膝を折って
のぞきこめば
別名 星の花
と呼ばれる
あなたたち ....
陽光の鼓動が
雲の隙間から聴こえる

  生きているんですね

春の一日にたずねる

ゆるく描かれるこころ模様が
あちらこちらで会釈しあっている

  善き日ですね
  ええ、ま ....
    

        ずうんと長く
        夜がこないので
        すみれの花で
        まぶたをふさぐ
        薄っすらと閉じ切らぬ
       ....
洗い立てのセーターが
残っていた匂いをかき消して

近くに居るはずの存在感をまた一つ
この世からほおむり去った。

庭先で鳴く猫が
「寂しい。寂しい。」と呟いているようで
荒れた畑の片 ....
東京の地下街から 
胸を焦がすような茜空は売ってませんか

そんなことを言ったら 嗤われるだろうが
本当はみんな 自分の町に住む
夕焼け色の切符を手に入れるために
上京しては 行 ....
木蓮が咲いていた

咲き初めの蕾かもしれない

どこかでミモザも咲くだろう

さくら木も紅く染まるだろう

繰り返し繰り返し

繰り返すことで育まれて

否応もなく育まれて
 ....
菜虫化蝶
なむしちょうとなる


不思議な夢を見た

とある晴れた休日
ソファーの上で腹這いになって
私は時代小説を読んでいた
時刻はたぶん八つの頃

カーテンから漏れた
 ....
空と海の境に重ねあう嘘 言葉は
人を幸福にもし
人を傷つけもします
たったそれだけの
かんたんな文法です


詩は
幸福、不幸、そのどちらか
ひとつではなりたちません
両方そろって、は ....
菜の花の堤防を
あのころが
歩いてくる

とびかかり
叢に引き込んで── 

おもいを秘めて
今は近づく

じっと瞳を見つめ
 ....
はなふぶきのように
紙吹雪のように

空間を埋めて
ゆっくり舞いながら

アスファルトの路面に
散り落ちては消える

そう
こんなやわらかな雪の日だった

長男の
次男の卒業 ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない

刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
恵みの雨降る穀雨は卯月二十日の頃、その前に日本では甘い飴が降ります。えいたろさんちのダイヤは四千円もあれば買えますから、決戦の白い日にはうってつけかもしれません。私はといえば、膝を打ってもつける薬はご .... メザメロメザメロとわめくけれど
わたしはとうに起きている
いちばんねぼけているのは誰か

ゆめの中でだけほんとうの自分でいられる
さまつなことが捨象され
円をふちどる線は消える
残るは小 ....
あらゆる調和は○を目指している

宇宙も

交通標識も

林檎も

なぜ○を目指しているのか考える


物理や化学の法則?

社会や自然の流れ?

理性だけではない

 ....
うしなわれたことへの

とうめいないさぎよさ

ぼくよ、たちつくすな


かこからのびてゆく

みらいをむそうする


うしなわれたことへの

とうめいないさぎよさ

 ....
静寂を破って
何を話そうかな
遠くを見つめて考える

話したいことはあるけれど
何から話そうか迷う

あなたはぼんやり私を見る
欠伸を何度もして眠そう

静寂が真新しい空気を呼び込 ....
日向の床の足もとで
埃を被ったプラグが、独り
あの電流につながる場所を探してる

――僕は、プラグだ  
砂糖漬けの花びら
そのまま以上に甘い恋だ
信号赤になったの見えても
注意の看板立ってても
苦しいのが好きなの?
耐えられそうにもないところで
みんなギリギリに立ってるのね
「黄色い線の内 ....
さいしょの一口
ほおばる咀嚼
甘くて美味しい
時間が迫る
さあ行かなくちゃと
さいごの一口残して鞄に入れる
時間が流れる
忘れる私の時間を取り戻し
ふうとため息
そういえばとぽろりと ....
りんご りんご ふつうのりんご

ふつうの ふつうの どくりんご

りんご りんご ふつうのりんご

てもあしもない どくりんご

りんご りんご ふつうのりんご

ふつうの ふつ ....
途上の果てに途上が永遠に続く程

過程こそ命だったりするのかもしれない

結果の全てを錆びれた勲章のように刹那の時代に留め

天へ行く虫の息を深呼吸の懐の泉 澄む結びに憧憬の界

今を ....
サラリーマンが命を担保に金を借り
建てた家々の集落
書割のような中流階級
文化を支えたピアノ

音の断片が集落の中を
誇らしげに 恥ずかしげに
歩いていたのは何時のころだったか

口 ....
言葉とか
愛とか
そんな形のないものは
やっぱり不確かです

ゆらゆら揺れて
3秒後には
ドロンと忘れている

でも気持ちは
やっぱり伝わってほしいもので
すり抜けてゆくと
心 ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
肺の音はきれい聴診器つめたい明日がとおい- 北大路京 ...自由詩615-3-17
色は匂へど- 瑞海自由詩2*15-3-17
こんなセックスも良いんじゃないかな- 中原純乃自由詩5*15-3-17
イクメンには届かない- 朝焼彩茜 ...自由詩23*15-3-17
星になったお父さん。- 梓ゆい自由詩415-3-16
疲労直視- 朝焼彩茜 ...自由詩7*15-3-16
冬の終わりは春の始まり- そらの珊 ...自由詩12*15-3-16
春始発- もっぷ自由詩415-3-16
夜想曲- 石田とわ自由詩16*15-3-16
形見分け。- 梓ゆい自由詩315-3-15
カラスの行方- 為平 澪自由詩17*15-3-15
また来ん春に- 吉岡ペペ ...自由詩515-3-15
菜虫化蝶- nonya自由詩14*15-3-15
空と海の境に重ねあう嘘- 北大路京 ...自由詩915-3-15
詩人- 月形半分 ...自由詩4*15-3-15
すれ違う- 草野大悟 ...自由詩415-3-14
卒業の日- Lucy自由詩10*15-3-14
_それ- ただのみ ...自由詩17*15-3-14
la_pluie_de_sirop/即興ゴルコンダ(仮)投稿 ...- こうだた ...自由詩2*15-3-14
_la_pluie_de_sirop- 木屋 亞 ...自由詩3*15-3-14
- 吉岡ペペ ...自由詩215-3-14
かこから- 吉岡ペペ ...自由詩315-3-14
静寂- 夏川ゆう自由詩115-3-14
黒いプラグ- 服部 剛自由詩615-3-13
近い- かの自由詩2*15-3-13
さいしょの一口- 灰泥軽茶自由詩415-3-13
ふつうのりんご- 北大路京 ...自由詩115-3-13
過程の空- 朝焼彩茜 ...自由詩12*15-3-13
ピアノの去った日に- イナエ自由詩16*15-3-13
私なりに- 瑞海自由詩2*15-3-13

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