あなたはまだ波をしらない
もみじをふくらましたような幸福な手のひら
でもそのうちにわかるようになる
あなたのなかにも潮があって
みちたりひいたり するのを
そうしてそれが
あなたのから ....
新月 


  新月の夜 一つの石を 拾い上げる 
  波打ち際にいる者は他に誰もいない
  静かに拾い上げると遠い星の
  みたことのない惑星の記憶が めくるめく
  展開し ....
 【 ちきゅー 】



いま
きみの くちびるが
ちきゅー って 言ったよね
そのとき
うちゅう の どこかで
だれかが
地球にむけて かぷかぷ しゃべっていたよ ....
すっかり新しくなった校舎は
凛として
太陽の光に照らされて
うつくしく
立ってた

わたしたちが
通っていた校舎は
すっかり無くなっていた
あの頃から
薄汚くて
ぼろぼろだったか ....
私は機械と歌う

遠い彼の方角を向いて

ずっと前から知っている歌をなぞるように歌う

たくさんの口を見てきた

たくさんの歯に噛みつかれた

それでも君は私の瞳を綺麗だという
 ....
私だよ。

私は今はここにいるけど

いつまでもあり続けられるかわからない

だってあなたはもう、

あなたはもう。

私はずっと

あなたの心の中で笑っていたい。 ....
そして多くの人とつながりあい
二度と同じ災害を起こさぬように誓い
異なる大きな災いをそれと期待せずに無意識に望みながら
がらにもなく雪の心配

いっしゅんのキャンディが溶ける

影をゆく水色のバス

こんなに日が照っているのに

こらえてこらえて寒いのはこらえて


くしゃみ先生

黒板にずっ ....
黄色い西日が
うっすらと
家々の窓に手をかざす頃

いよいよ濃くなる
鉛色の空の下
次第に風に削られていく
私は冬

傷ついては修復し
和解しては
なお打ち倒され
ざらざらに荒 ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう

もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある

月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
 ....
ごめんなって思った

あやまるぐらいなら

なくなればいい俺だ


役に立ちたいだけだ

かかわりたいだけだ

そんなの優しさじゃ

そんなの大きさじゃ

そんなの愛じゃ ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
こまかくなったからだに紐をつけてつめたい夜へ引きずります
もうすこし(もうすこし)ときこえる 声も引きずって
耳だったところ、爪だったところ、肝臓だったところ
ところどころにみえている
肌 ....


僕の青

君は
どこをとっても
なにをたべても
いなくなっても

君は僕の青なんだ

僕の涙を分けよう
僕の青だもの
僕の血を分けよう
僕の青だもの
僕の印 ....
刺身を盛り付けると
「うまそうだな。」という声が聞こえそうで
安曇野のわさびをすりおろす。

刺身を盛り付けると
ほくほく顔のお父さんが横に居るようで
馬刺しも別皿に用意する。

「ま ....
目の前で
僕の知らない姿になって
君は無言で立ち上がる。

目の前で
僕の知らない姿になって
白い胸元晒しだす。

目の前で
僕の知らない姿になって
綺麗な背中を見せ付けた。

 ....
ひとりぼっちで泣かないで
ほんとうはわたしが言われたかっただけの
あなたに宛てたことば

かなしみを分けてもらえないことがかなしくて
濁ったため息をつきました

だってあなたはきっと
 ....
景色が連続して色々になる
意識のある限り続いている
もう見たくないのに寂鬱に目を見開いて
匂いを嗅いでいる
花の匂いに満ちている
警戒区域に広がるかぐわしい匂い

きっと
耐えきれない ....
夏でも冬でも昼飯はこれが良い
薬味ネギに
わさびを効かせた付け汁で泳がせ
一気にすすり込む

長く伸びたまま食道を抜けることなど
所詮無理な話 かたまって
食道の途中で速度を緩めた
 ....
春の野が眩しい訳をおしえてあげようと

詩人がわたしを野に手招く5月

青い空 白い風 豊かな瞳のような草花

春を思うがまま口ずさむわたしに、詩人はウインクひとつくれて、一 ....
私を耕しに渋谷へ行ったサヴァイヴィングな人生を観にフィルムは溶けてなくなるようなことはなかったからホッとしたけれどまるで自分の書いたもののなかにいるみたいでハッとしたなんてなんともおこがましすぎて穴が .... 家の玄関を出たら 右へ
春なら 左向かいの医院は花盛り
秋なら 正面遠くにお寺の紅葉
雨さえ降らなければ 毎日の日課


石段を昇って 神社にお参りして
参道のパン屋で パンを買う
 ....
きこえますか、息をしているの


あめがおちていく
あめがおちていく
あめがおちていく
あめがおちていく


きこえませんね



くちづけをといて
ひとつぶ
あなたと距 ....
グアテマラ

無漂白フィルターの中に入れた
二人分の茶色い粉に
静かに熱湯を回しかける朝
柔らかくふくらむそれらから
好ましい香りが立ち上る
何秒かのち
珈琲がカップに透過していく
 ....
 今日の私の幸福は、朝早く目覚めること。昇る太陽を感じることに感謝する。

 
 今日の私の幸福は、朝御飯を食べること。食べることが出来ることに感謝する。

 今日の私の幸福は、野鳥 ....
 ラムネのガラス球に己の姿を投影する。
 それは映るか映らないかの刹那の希望であった。
 希望は行為である。
 ガラス球には変形した己の色が映し出されているのみであった。

 私はその色 ....
手首をこねて
フライパンを揺らす
生地がもたつく
蓋をしてもう少し待つ
タイミングが肝心

そろそろいい音ぱちぱちと
ふわっふわっと生地が浮く
気持ちが踊るこの瞬間
今だ今こそえいっ ....
自由でありたい
重ねている空気層が
体から 心へ触れる

自分を生きる
思い出せ 思い切り

太古の渦に チカリと開く
無遠慮に 絡まり 呑む眼

告げられるのか 否 告げろ
何 ....
一滴の言葉が零れて戯れる水面
幾つもの円が現れて小刻みに揺れている
小さな痛み
やがて拡がっていく苦しみ
透明な水も湖底の泥に掻き混ぜられ
無邪気に太陽を愛したあどけなかった言葉も
汚 ....
殿上 童さんのおすすめリスト(15764)
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ストライプ- ときたま ...自由詩115-3-12
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アラベスク- 乱太郎自由詩12*15-3-8

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