風見鶏の見つめる先
こめ

明日晴れるなら蜃気楼をみにいこう

僕がまっている何かはまだこず
降り頻る涙の雨を浴びて

脅えながらそれでもなお

コンクリートに覆われた部屋からでずにいた

きてはかえす

たんたんと時代はすぎる

その混乱と混沌に満ちた水槽のなかで

僕らは空を見上げることしかできなかったんだ

幼いころ独り取り残された公園で

凍てつく炎にをかたどりながら

バチバチと燃える火が今狼煙を挙げる

過去と未来

違う自分と裏切る心

重なるのはいつも唇だけ

キラビヤかに放つのは

プリズムの日光の反射

僕らは求め進化しつづけた

いくらもの犠牲を無視しつづけてきた

けれど今こそ気付くべき

僕らは愚かだったということを

今気付くべきだった

答えはいらないから

今の質問を忘れてくれよ

風がふくたびに風見鶏はまわっては

ただ一点を見つめていた

その見つめる先にはなにがあるのかは

僕らには到底理解できないものだった



自由詩 風見鶏の見つめる先 Copyright こめ 2009-04-30 00:37:20
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