ガラスの壁越しの愛
こめ

昨夜みた夜空を游ぐ三日月をみた

君は今硝子の壁ごしから何かを伝えたくて

吐息を吐いて窓に何かをかきだした

そのもじは反転していて読めなくて

君は今にも泣きだしそうな顔で

うつ向いてしまったよ

聞こえないよ君の体内音

一緒にいたから動いた心臓の鼓動

一緒にいたから繋げた手

そのどれもが薄い透明な板によって

遮断されてしまっよ

お互いに触れ合ってから分かる本当の自分

今直ぐこの壁をこわしたいけど壊せない

いくら強く叩いたって蹴ってみたってびくともしない壁

重なるテノヒラは冷たい壁を通りこさない

僕らはまだ絶望のまま

今も合えないおりひめとひこぼしの如く

今日も硝子の壁ごしに愛をとおそうとしていた


自由詩 ガラスの壁越しの愛 Copyright こめ 2009-04-26 02:20:23
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